“The King”ダニー・キンガッド

フィリピンのウーシュー国内王者ダニー・キンガッド。幼い頃に父親を失くし、貧しさに耐えた子ども時代は、今もなおキンガッドの心に残っている。10代になると、悪い仲間と遊びまわるようにもなった。

だが、格闘技との出会いが人生を変えた。2012年に名門の格闘技ジム「チーム・ラカイ」に入門。ウーシューのトレーニングを始めると、地元の大会で次々と優勝を飾った。ONEライト級世界王者エドゥアルド・フォラヤン（フィリピン）ら、同胞の目覚ましい活躍に刺激を受けたキンガッドは、ケージでの戦いに興味を持ち始める。アマチュアで桁違いの実力をみせたキンガッドは2014年、ONEチャンピオンシップでプロデビュー。8連勝という快進撃を見せた。

波に乗るキンガッドは、ONEフライ級世界王者アドリアーノ・モラエス（ブラジル）を相手に、初の世界タイトル戦に挑む機会を得た。残念ながら苦杯を舐めたものの、この敗北をきっかけに彼は、格闘家として大きな成長を遂げた。