マラット・グレゴリアン

アルメリアの農業が盛んな都市タリン生まれ。シェフの父親と美容師の母親、3人の姉と共に育つ。3歳の頃、両親が子供たちの将来を考えて一家でドイツに移住するが、3年後に国外退去となる。9歳のとき、再び一家はベルギーのアントワープへ移住。両親は1日に5、6の仕事を掛け持ちしながら家計を支えた。

当初は言葉もわからず、ベルギーでの生活への順応に苦労したが、父親にブルース・リーやジャッキー・チェンの映画を紹介され、格闘技への興味を抱く。キックボクシングのジムに通うようになると、友達もでき、自身の情熱を発見した。

12歳で初めて試合に出場して勝ち、それ以降地元の大会で活躍。だが対戦してくれる相手がいなくなり、一度は競技続行を諦めかけたものの、助言を受けてオランダの「ヘマーズジム」に移籍。ここでトップレベルの選手との対戦機会が増え、K-1トーナメントに出場し、欧州のキックボクシング団体「グローリー」では3度世界チャンピオンに輝く。

2018年には中国のキックボクシング団体「クルクン・ファイト」の世界MAXトーナメントで、スーパーボン・シンハ・マウインをわずか29秒でノックアウトして優勝。2020年にONEチャンピオンシップに参戦した。