「ONE: ENTER THE DRAGON」ライト級世界王者青木真也がクリスチャン・リーを倒す3つの理由

Shinya Aoki IMG_67261

 5月17日(金)にシンガポール·インドア·スタジアムで開催される「ONE: ENTER THE DRAGON」でクリスチャン·リーを相手に、初防衛戦を迎える青木真也。3月31日に開催された「ONE: A NEW ERA」で通算4度目となるONEライト級世界王者のタイトルを獲得した青木真也が、試合後の記者会見で防衛戦の相手に指名したのがクリスチャン·リーだった。天才寝業師として円熟を迎えた35歳の青木真也が、20歳の若き英雄クリスチャン·リーに勝つ理由を3つ挙げる。

青木真也は精神的に充実している

ONE: A NEW ERA」でエドゥアルド·フォラヤンあらONEライト級世界王座を取り戻した青木真也。試合は、わずか1R2分13秒で終わり、肩固めを極めた青木の圧倒的な勝利となった。しかし、思い起こせば、2016年11月には、青木は、そのフォラヤンにTKO負けを喫して、ベルトを奪われていた。

 青木は、2016年の敗戦を振り返り、当時は精神的なコンディションが悪かったと語っていた。そして、2019年のタイトル奪還後はケージのなかで「家庭壊して、好きなことやって羨ましいだろう!」と絶叫したのだ。

 この発言を辿ると、青木は家庭の事情で深刻に悩んでいた時期を脱し、精神的に吹っ切れたのではないか。人は、迷いがなくなると強さを取り戻すものだ。

クリスチャン·リーにとっては階級上の挑戦になる

 ONE女子アトム級世界王者であるアンジェラ·リーの弟、クリスチャン·リー。彼は間違いなく才能溢れる選手だが、主戦場にしているのは、フェザー級だ。つまり、ライト級の試合は、リーにとってはひとつ重い階級へのチャレンジとなる。

 かつて、青木真也もひとつ上のウェルター級に挑戦したことがあるが、失敗に終わってきた。青木真也を持ってしてでも、階級の壁を突破するのは難しいものだし、逆の立場になった青木は、自らの経験から闘い方を熟知しているのではないか。

青木真也が、青木真也であることを証明する

 大抵の選手は、「仲間とは試合をしたくない」「タイトルマッチ以外では同僚と試合を避けたい」と話すものだ。しかし、青木真也は同じイヴォルブMMAに所属するクリスチャン·リーを指名した。世代や階級、そして友人であることを超えて。

 青木真也は自らの行動で、アンチテーゼを示し、常に格闘技界に自らの思いを示してきた。もちろん、青木がリーを心から認めているからというのが、対戦相手に指名した主な理由だろう。しかし、若すぎるから、王者に挑戦できない。知り合いと試合をしたがらない選手が多い。こうした現実が、青木をこの試合に突き動かしたのではないか。

 青木真也が試合を通じて示す、自らの哲学と生き方。これに共感する人も、非難する人もいるが、誰も青木真也を無視することはできない。

 青木真也が、青木真也であることを証明すればいい。そうすれば、初防衛は成される。

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