「ONE: LEGENDARY QUEST」ハイライト4選
6月15日に上海で開催された「ONE: LEGENDARY QUEST」。ONE女子アトム級でムエタイとキックボクシング双方のベルトを持つスタムプ・フェアテックスのタイトルマッチや、秋山成勲のONEデビュー戦など、見どころ満載の“神興行”となり中国の観客を熱狂の渦に巻き込んだ。この大会のハイライトを4つ振り返ってみよう。
スタムプ・フェアテックスが防衛に成功!次は総合格闘技進出か
27歳にしてONE女子アトム級の立ち技ルールであるムエタイ及びキックボクシング双方の王座に君臨するスタムプ・フェアテックスが、18歳の挑戦者アルマ・ユニクを迎えたタイトルマッチがメインカードとして行なわれた。
試合後のインタビューで、怪我があり十分に調整ができないまま試合に臨んだことを告白したフェアテックスだが、経験とバリエーション豊かな技術で巧みな試合展開をみせ、5R判定で防衛に成功した。
調子の悪いなかでの勝利は、彼女の強さをさらに印象づける結果になり、かねてから噂されている総合格闘技進出もいよいよ現実味が帯びてきた。ONEの女子アトム級は、女王アンジェラ・リーを始め、日本のV.V Meiなど強豪がひしめき合う激戦区だ。
もしフェアテックスがベルトを奪取すれば、ムエタイ、キックボクシング、総合格闘技3つのルールを同時に制することになる。それはまさに、前代未聞の偉業だ。
彼女の今後の動向に注目だ。
松嶋こよみが9ヶ月ぶりのONE参戦で勝利!いざタイトル奪取へ
家族全員が格闘技ファンというなかで“英才教育”を受けてきた日本格闘技界の申し子・松嶋こよみがONEに戻ってきた。ストイックに努力するタイプで、なおかつ天才肌の選手だ。
昨年9月のONEデビュー戦では、元フェザー級王者のマラット・ガフロフに衝撃のTKO勝ちを果たして以来の試合だった。決着は判定ながら、クォン・ウォンイル相手に危なげない試合運びをみせ、再び強さを証明した。
こうなると期待がかかるのが、現王者マーティン・グエンとのタイトルマッチだ。日本人王者不在のなかで、王座奪取に期待がかかる。
43歳秋山成勲がONEデビュー戦で惜しくも敗れる
格闘技界のレジェンドがONEに降り立った。これまで、日本の各種団体や北米など、常に総合格闘技の最前線で活躍してきた秋山も、すでに43歳を数える。ベテランとなった今も、ハングリー精神を忘れずに、“最後の挑戦”に立ち向かった。
マレーシアのアギラン・タニを相手に3Rをフルに闘った秋山。正直に言えば、全盛期ならタニをここで仕留められていたのにと思う、もどかしい場面も多々あった。しかし、43歳にして必死に立ち向かう姿は美しかった。
それは、過去への贖罪か。その原動力は、常に逆境と闘ってきた反骨精神か。
秋山の“最後の挑戦”は、最初の一歩を踏み出したばかりだ。
シンデレラガール平田樹がONEデビュー戦で一本勝ち!
Abema TVの『格闘技代理戦争 3rdシーズン』優勝者で、次世代のスター候補としてファンや関係者から熱い視線を集める平田樹が、一本勝ちで華々しくONEデビュー戦を飾った。平田はこの試合がプロデビュー戦でもあった。
アマチュアで4試合、プロで1試合というキャリアながら、全勝しており、実力はもちろんのこと、そのルックスとスター性で人気は急上昇中だ。前述の通り、群雄割拠であるONE女子アトム級で勝ち続けるのは容易ではないが、周囲からの期待値は極めて高い。
勢いに乗るONEチャンピオンシップと、女子格闘技界で時代の寵児になれるか。
平田樹から目が離せない。