「ONE: ROOTS OF HONOR」の勝者たちの次なる展開は
4月12日にフィリピンで開催された「ONE: ROOTS OF HONOR」では、衝撃的なKOやサブミッションが繰り出され、ファンを熱狂の渦に巻き込んだ。ONEフェザー級世界タイトルマッチでは、王者マーティン·ヌグエンがモンゴルの英雄で、挑戦者のジャダンバ·ナラントンガラグを鮮烈な飛び膝蹴りで退けた。また、ONEストロー級世界タイトルマッチでは、地元フィリピンの人気者ジョシュア·パシオが、かつて自分からベルトを奪った日本の猿田洋祐を相手に、見事な膝を決め、こちらもKO勝利を収めた。
非常にハイレベルな戦いとなった「ONE: ROOTS OF HONOR」。主な勝者たちの次なる展開はどんなものになるのか。
マーティン·ヌグエン
注目のタイトルマッチは、わずか67秒での決着となった。それは、ヌグエンにとって昨年7月に怪我で離脱して以来となる復帰戦での大きな勝利でもあった。では、次にヌグエンに挑戦するのは誰になるのだろうか。
最有力は、日本の松嶋こよみだろう。昨年9月には、元ONEフェザー級世界王者のマラット·ガフロフに対して1ラウンドでTKO勝利を収めている。この試合は松嶋のONEデビュー戦でもあった。
ガフロフはキャリアで2敗を喫しているが、その相手が現王者のヌグエンと、松嶋である。高い攻撃力を誇る両者が激突すれば、今年のベストバウト賞候補のビッグカードになるだろう。
ジョシュア·パシオ
1月は僅差の判定で猿田洋祐に敗れ、ストロー級のタイトルを失ったパシオ。今回のリマッチでは、見事な膝一閃で、猿田からベルトを取り返した。
パシオの次の相手として有力はなのは、同じフィリピンのレネ·カタランだろう。カタランはこの2年ほどで急激に成長している選手で、現在は6連勝中だ。
内藤のび太、猿田洋祐という日本の強豪を破ったパシオと、新鋭のカタランの対決は、名勝負必至だ。
和田竜光
ONEフライ級ワールドGP準々決勝で、苦戦しながらもキューバのグスタボ·バラートから懇親の勝利をもぎ取った和田竜光。次の対戦相手は既に決定していて、“フライ級史上最強の男”として名高いデメトリアス·ジョンソンだ。
デメトリアス·ジョンソンは、3月に行なわれた日本大会で、日本の若松佑弥をギロチンチョークで破っている。和田と若松は練習仲間でもあり、打倒デメトリアス·ジョンソンにかける意気込みは並々ならぬものがある。
圧倒的な強さと実績を兼ね揃えるDJだが、和田のオールマイティなスキルを考えれば、勝機はある。和田が、DJにどのような戦いを挑むのか、目が離せない。
イル·クォンウォン
地元フィリピンのエリック·ケリーを僅か19秒で倒したイル·クォンウォンも注目の選手の一人だ。19秒での勝利はONEフェザー級史上2番目の記録である。
勢いに乗っているイルは、強豪のムハンマド·アイマンとの対戦が期待される。アイマンは過去4試合を3勝1敗という好成績。グラッピングの技術も高い。
両者の対決は、見どころが満載だ。
シェ·ビン
寝業師として有名なシェ·ビンは、期待通りアフマド·カイス·ジャソールに対してサブミッションで一本勝ちを収めた。現在は、バンタム級の選手であるが、試合後には、階級を上げてフェザー級に挑戦したいという意向を示している。
もしシェ·ビンがフェザー級に挑戦するのならば、闘ってもらいたいのが、ミャンマーのポー·ソウだ。ソウは、プロキャリア7勝1敗の選手で、そのうち6勝を1ラウンドKOで挙げている生粋のストライカーだ。
いつの世も、寝業師とストライカーの対決は盛り上がるものであり、クラシカルな定番カードだ。お互いのスキルをぶつけ合って、名勝負を期待したい。