ジョーダン・バロウズとジョルジオ・ペトロシアンがジェームズ・ナカシマに与えた影響
8月2日(金)にフィリピンのマニラで開催される「ONE: DAWN OF HEROES」で岡見勇信と対戦するジェームズ·ナカシマは、既にウェルター級の有力選手だ。もし、岡見を破るという番狂わせを起こすことができれば、タイトルマッチの挑戦者になっても不思議ではない。
ナカシマは、これまで無敗の30歳。岡見勇信との対決は、彼のキャリアで最大の挑戦となるだろう。
彼は、謙虚な選手だ。自分は、最高のレスラーでもグラップラーでもなければ、ノック·アウトアーテイストでもないと言う。しかし、その姿勢と彼の思考が、これまで彼を勝たせてきた。
「僕は目立った選手じゃないと思う。ジムにいても、他の選手と特別な違いがあるわけじゃない。だけど、常に考えて、現在の自分に足りないものや、やるべきことが頭に入っている。そして、一生懸命に練習し、夜遊びはせず家に帰り、正しいものを食べる。そういうことを続けているんです」
子どもの頃から真面目だったナカシマだが大学生の頃にさらにこうした傾向が強くなったという。
ネブラスカ大学ではレスリング部だったナカシマ。エリートレスラーが集うなかで、五輪金メダリストのジョーダン·バロウズと練習する機会を得た。バロウズは最高のレスラーのうちの一人だ。
「バロウズと練習して、わかったことがある。彼は、トレーニングルームで誰よりも重いバーベルを上げることができるわけじゃないし、誰よりも速く走ることができるわけでもない。それでも、彼は最高のレスラーなんだ。レスラーとして必要なことを極め、プロフェッショナルな姿勢で取り組んでいた」
総合格闘技に転向したあとも、バロウズから受けた影響は変わらなかった。
MMAのジムに入ったナカシマは、バロウズから学んだことを活かして、地に足の着いたトレーニングを重ねていった。そして、ナカシマは、ペトロシアンに対しても同じようなものを感じているという。
ペトロシアンは世界最高のキックボクサーと目されている。ナカシマは、ペトロシアンからも、貪欲に練習方法や哲学を吸収しようとした。
「イタリアでペトロシアンと一緒に練習をさせてもらいました。今では信頼関係が芽生え、とても良くしてもらっています。ペトロシアンを見ていると、全てのことに注意を払っている。まさに、プロの姿勢です」
これらの影響が、ナカシマという選手の形勢に大いに役立っている。そして、キャリア無敗を誇るナカシマは、タイトルに挑戦できるだけの立場になるかもしれない。
もし、彼が王座を獲得しても、浮足立つことはないだろう。ペトロシアンやバロウズがそうであるように、彼は常にプロに視点を忘れない。