三浦彩佳、必殺あやかロックで3連勝も「もう次に向かっている」次戦についてのイメージとは=『ONE 169』試合後インタビュー
11月9日にタイ‧バンコク‧ルンピニースタジアムで開催された『ONE 169』のアトム級マッチでマカレナ‧アラゴン(アルゼンチン)に一本勝ちした三浦彩佳が試合後のインタビューに応じた。
三浦にとって2024年は波乱の年だった。昨年11月にストロー級の強豪メン‧ボーから一本勝ちを奪い、今年1月の日本大会では階級をアトムに落とし平田樹を撃破、2連勝と波に乗ったが、その後のジヒン‧ラズワン戦がまさかの連続キャンセル。4月に負傷欠場したラズワンと10月にようやく対戦するチャンスを得た三浦だったが、ラズワンが前日計量を失敗、試合は中止となった。
今回、連続キャンセルから1ヶ月後に参戦のチャンスを手にした三浦。相手はONE初参戦で柔道ベースのアラゴンだ。三浦は開始すぐに組みつきグラウンドの展開に持っていこうとするも、最初にトップを取ったのはアラゴン。しかし三浦はそこから得意の体勢に持ち込み、最後は自身の得意技スカーフホールドアームロック(あやかロック)を極めて完勝。5万米ドルのパフォーマンスボーナスも獲得した。
― 本当に素晴らしい勝利でした。試合を振り返って、お気持ちはいかがですか?
「試合が流れてやっと試合が組まれたっていう状況で、年内最後にしっかり勝ち切ろうっていう気持ちの試合でした。」
― 試合開始すぐ打撃ではなく一気に組みに行きましたが、あれが作戦だったのですか?
「そうですね。ただ思っていた動きとは違ったんですけど、寝てからの動きは全部いつもやってるやつだったんで、全部いつも通りの動きが出来たと思います。今回はスタートから全部決めていました。」
― グラウンドの展開で最初にトップを取ったのはアラゴンでした。彼女の組みはいかがでしたか?
「(あの展開は)下から極めれると思って下になった感じです。投げられた感覚じゃないっていうか。下から極めようとしてあの姿勢になった感じです。」
― 寧ろ、上を譲ったぐらいの感じだったんですね。
「そうですね。」
― そこから最終的に得意のあやかロックに持って行きましたが、その過程を含めて自身ではどう評価しますか?
「周りはすごい認めてくれていますが、自分ではあんまり…自己評価というか、特にもう終わったことだから、そんなに気にしてない感じです。次に向けて準備しようという風に思っています。」
― 勝利後、すぐに「舐めんな!」と叫んでいましたが、どのような心境だったのですか?
「試合を組んでもらえたのはありがたかったですが、2回も試合流れた後、この相手だったっていうのも含めて…相手だけに『舐めんな』と言った訳ではないです。今回勝って最後まで泣かずに行くっていうことまで全部想定してやってたことなんで。あと、あんまり記憶にないというか…もう次に向かってる感じなので、もうこの試合振り返らなくていいかなという風には思っています。」
― 試合はつい最近ですが、既に先を見てるって感じなんですね。
「そうですね。『おめでとう』とか周囲から祝福されてもらっていますが、まだ自分の中ではチャンピオンになるまでは全然気が緩んでない感じがして。」
― パフォーマンスボーナスが出た瞬間は涙を流されていました。あの瞬間はどんなお気持ちだったのですか?
「金銭的なことではなくて、あやかロックってあまり認められていない技だったので、それを認めてもらったっていうのが凄い嬉しかったです。」
― 長南代表は今回の試合について何か言われましたか?
「試合のことに関しては特に何も言われてないです。おめでとうって連絡はありましたけど。」
― 今回セコンドについたアーセンさんや堀江コーチはいかがですか?
「すごく喜んでくれてたのがとても嬉しかったです。(長南代表が不在で)2人の緊張がすごい伝わってきたんで、長南さんの偉大さを今回強く感じました。自然にできることをしっかりと確認し作戦とかすごく立てながらやってきたので。作戦はアーセンが凄く立ててくれました。やっぱり長南さんがいなかった分、二人が色々サポートをしてくれていたと思います。」
― 因みに、ボーナスの5万米ドルは使い道とか決まりましたか。
「いえ、まだ決まってないですね。リング上ではとても嬉しかったですけど、まだ実感がないと言うか。いつも通り生活できたら幸せかなっていう感じです。」
― アトム級で連勝、ランキングも5位に入りました。次戦についての考えを聞かせてください。興味ある選手とかはいますか?
「自分は試合が来たらすぐにOKする感じなので、特にタイトルマッチしか(興味がないです)。 この階級であれば、誰が相手でもいいかなっていうのはあります。」
― 今後もアトム級とストロー級の2階級で戦うイメージですか?
「周囲からアトム級の方が良いとは言われます。ただ自分としては格闘技の面白さとしてストロー級の方が良い。」
― その違いは何でしょうか?
「シンプルに身体が重い方が男の子とやり合えるからです。ただ、私は与えられたものに上手く適応していけると言うのが、強みでもあるというか。その点については、体調面を全て整えてくれるトレーナーの堀江さんのおかげで凄く感謝しています。まだまだいけるっていうのを証明していきたいです。」
― 最後にファンへのメッセージをお願いします。
「今回試合を見てくださった方々ありがとうございました。無事に試合勝つことができました。
試合したばかりですが、まだ試合をした実感が湧かない感じです。試合映像を1度観たのですが、ちょっと恥ずかしくて見るのをやめちゃった感じなんですけど、ちょっといつもと違う表情が出てました。本当はまだまだ引き出しは多く持っていて、今回トライしてましたが、今回はあやかロックで極めたいという気持ちがすごく強かったです。次もしっかり極めれるように今日から精進していきたいと思うので、次も試合を見ていただけたら幸いです。応援ありがとうございました。」