内藤のび太がONE世界ストロー級王者に返り咲ける4つの理由
世界最強の座をもう一度―。元ONE世界ストロー級王者·内藤のび太。2012年のプロデビューから11連勝を飾り、16年5月にバンコクで開催された「ONE: Kingdom of Champions」でデェダムロン·ソー·アミュアイシルチョークを破り、ストロー級のタイトルを手に入れた。しかし、現在ストロー級のベルトは、同じ日本人の猿田洋祐の腰に巻かれている。内藤は、再び世界一の称号を手にすることができるのか。4つの視点から分析する。
内藤はリベンジを果たす男
内藤が初めてONE世界ストロー級のベルトを手にしたあと、1度は防衛したが、2017年12月にアレックス·シウバにベルトを奪われてしまった。しかし、翌18年5月にシウバにリベンジを果たしタイトル奪還に成功した。プロキャリアにおける唯一の敗北という汚点を帳消ししたかに見えたが、同年9月にジョシュア·パシオに敗れてしまった。本来なら、次にパシオと戦うのは内藤のはずだった。しかし、挑戦者に選ばれたのは新鋭の猿田洋祐。倒すべき男を他の男に倒された屈辱…愛らしい丸い眼鏡の奥で、内藤は静かに闘志を燃やしている。かつて自分を破った男を倒すのか、それとも自分が倒すべき男を倒した男を倒すのか。全ては、巡り合わせである。
新設されたストロー級の王座はまさにシーソーゲームである
体重52.2kgから56.7kgの選手が参戦しているONEでも最軽量の階級がストロー級である。この階級は比較的歴史が浅く、国際的に展開する大型の団体で設置しているのは、ONEだけである。つまり、成熟していない一方で、“世界一の称号”を求める男たちが一斉に狙いを定めている。実際、王者は目まぐるしく変わっており、現王者の猿田を筆頭に、内藤、アレックス·シウバ、ジョシュア·パシオらを中心とした激しい奪い合いが今後も展開されるだろう。
内藤は冷静に事態を見つめている
内藤に、猿田洋祐がONE世界ストロー級のタイトルを獲った瞬間の気持ちを聞くと、「なるほど、そりゃそうだな、と思った。猿田くん強いし」と淡々と答えていた。内藤は、確かなプロキャリアがあり、常に冷静に事態を分析し、感情に流されないだけの心を持っている。今後、激化する同タイトルの争奪戦では、クールな視点が重要になるはずだ。
“のび太”は強いんです!
内藤のび太のリングネームの由来は、言わずと知れた人気アニメ『ドラえもん』の野比のび太である。のび太は、遅刻の常習犯でスポーツも勉強もできない一方、昼寝ばかりしている男の子だが、実は、射撃の腕は超一流。銀河最強の殺し屋であるギラーミンにすら勝ったことがある。いつも遠慮がちで物静かな内藤だが、アニメののび太と一緒で決める時は、決める男である。“のび太”最強説の幻想は、まだ終わるべきではない。