和田竜光がデメトリアス・ジョンソンに挑む!いよいよ準決勝を迎えるONEフライ級ワールドGPを制するのは誰だ
2019年3月31日に東京·両国国技館で開催されたONEチャンピオンシップ初の日本大会「ONE: A NEW ERA」で始まったフライ級ワールドGP。北米で11度の防衛記録を持つ大物デメトリアス·ジョンソンの参戦や、日本フライ級のエース和田竜光が参戦するこのトーメントは既に準々決勝の4試合が消化され、4人の男たちが頂点を狙っている。栄冠を手にするのは誰か。勝ち残っている4選手を分析する。
大本命は“フライ級史上最強の男”デメトリアス·ジョンソン
北米で最多11度の防衛記録を誇るデメトリアス·ジョンソン。フライ級史上最強と謳われる男だ。鳴り物入りでONEに電撃参戦を果たし、準々決勝では新鋭の若松佑弥に打撃で追い込まれながらも、卓越したテクニックで逆転勝ちを収めた。未知なる強豪がひしめき合うONEのなかでも、確かな技術で驚異的な対応力を見せている。
3月の日本大会では、同じく北米で王者に輝いたエディ·アルバレスが参戦。5月にはミドル級トップクラスの実績を持つ岡見勇信や、軽量級のセージ·ノースカットなど大物クラスが続々とONEの舞台に上ってきた。しかし、この3選手はすべて、ONEデビュー戦で敗北を喫している。
かつて同じ舞台で栄光を勝ち取った選手たちが敗れるなか、DJは何を思うのか。
ONEには、名のある選手を倒し、自らの名前を挙げようと目論む未知のアスリートたちがジャイアントキリングを狙っている。DJがスーパースターの意地をみせ、GP王者となるのかが、最大の見所だ。
日本の誇りをかけて闘うフライ級エースの和田竜光
「かつて有名になった選手たちがそうだったように、俺もDJを倒す番狂わせを起こす」試合前にそう語っていた若松佑弥は準々決勝でデメトリアス·ジョンソンと闘った。
失うものがない若者は、果敢にDJに挑み、一時は優位に立ちながらも最後はタップアウトした。その瞬間、心の底から悔しさを滲ませて若松は崩れ落ちた。その様子を、普段練習を共にしている和田竜光は複雑な想いで見守っていた。
インタビューでは、「フライ級最強と呼ばれるDJと一生のうち一度でも闘えるなら光栄です」と語っていた和田。若松とは対象的に、好戦的なコメントは出てこないし、勝算についてもノーコメントだったが、弱気になっているわけではないと感じた。経験を重ねてきた和田は、相手の強さを知っているし、どのようにして闘うべきかを知っている。
きっと和田は猛獣のようにDJに挑まないだろう。最強の男の隙きをつき、勝負師として千載一遇のチャンスを狙ってくるはずだ。
このGPを制するのは、DJか、DJを倒した者だ、と予想する。
チャトリ·シットヨートンONE会長兼CEO「ダークホースはキンガッドだ」
さて、ここで注目しておかなければならないのは、圧倒的な存在感を放つDJがいない反対側のトーナメントだ。ダークホースが潜んでいるならば、コチラ側だろう。そのなかでも注目したいのが、ONEのチャトリ·シットヨートン会長兼CEOもダークホースだと断言するダニー·キンガッドだ。
準々決勝では、日本の仙三と対戦。仙三は、このGPに参加している若松佑弥、和田竜光にも勝利したことがある第5代フライ級キング·オブ·パンクラス王者だ。
仙三にはブランクがあったものの、キンガッドは試合の主導権を握り続け、3Rに攻め込まれたが、持ちこたえて判定3–0で勝利を収めている。安定感があり、仙三を持ってしても極めきれなかった耐久力は時筆すべきであり、総合力が高い。
リース·マクラーレンを破った元フライ級世界王者カイラット·アクメトフ
フライ級ワールドGPで勝ち残っている最後の一人が元ONEフライ級世界王者のカイラット·アクメトフだ。準々決勝では、優勝候補に名前が挙がっていたリース·マクラーレンを判定3–0で破っている。
この試合では、タックルを仕掛けてくるマクラーレンを封じることに成功し、時折カウンターで有効打を放った。2Rまでは、両者全く譲らない攻防が続いたが、3Rになると激闘の疲労がたまり、スタミナ切れの感もあった。しかし、そのなかでも最後までパンチとキックで有効打を稼いだのがアクメトフだ。総合力に優れ、打撃のセンスはますます磨かれている。
大本命のデメトリアス·ジョンソン。勝負師の目で虎視眈々と大物喰いを狙う和田竜光。ダークホースのダニー·キンガッド。そして、元王者のアクメトフ。
この4人によって争われる準決勝·決勝は、大激戦が予想される。
一つだけ言えることは、この4人全員が、王者になる風格と資格を兼ね揃えているということだ。