我々が「ONE: MASTERS OF DESTINY」から学んだ4つのこと
7月12日(金)マレーシアのクアラルンプールで開催される「ONE: MASTERS OF DESITNY」は、観客を熱狂させ、大盛況のうちに幕を閉じた。そして、我々に教訓とも言える、4つの教えを与えてくれた。
全15試合の総合格闘技、ムエタイ、キックボクシングの祭典は、どの試合も目が離せない好カードの連続となった。ONEの選手たちは、観客の期待に応え、人間離れしたパフォーマンスで観客たちを魅了した。
そして、我々が得た4つの“教訓”を振り返ってみよう。
#1 ONEフェザー級キックボクシングワールドGPに大きな動き
優勝者には、賞金100万米ドル(日本円で約1億791万円)が贈られるONEフェザー級キックボクシングワールドGP。ジョルジオ·ペトロシアンが、ペットモラコット·ペッティンディーアカデミーと闘うキックボクシング史上最大の再戦を行なわれ、ペトロシアンが準決勝に駒を進めた。
最初に出場者が発表された時、ペトロシアンと、ヨードセングライ·フェアテックスが優勝候補と目されていた。
しかし、ヨードセングライが敗れる波乱が起きると、ペトロシアンまで判定でペットモラコットに敗れてしまった。しかし、採点が疑問視され、再戦が決定。「ONE: MASTERS OF DESITNY」では、ペトロシアンが判定3–0で勝利を収めた。
因縁の再戦は、ペトロシアンが制したものの、ペットモラコットが押し込む場面も散見された。つまり、ペトロシアンとはいえ、無敵ではないということだ。次戦でペトロシアンと対戦する、ジョー·ナタウットにも勝機はあるということだ。
#2 ブラジリアン柔術世界王者がONEの女王に勝利
ONE女子アトム級世界王者で、今年3月に行なわれたONEストロー級世界タイトルマッチ以来の復帰を果たしたアンジェラ·リー。対戦相手は、ブラジリアン柔術で8度世界王者に輝いたミッシェル·ニコリニだ。
階級上のストロー級タイトルマッチでは敗れたものの、同じストロー級での復帰を選んだアンジェラ·リー。天性の格闘センスで、アトム級では誰も止められなかったが、ストロー級の闘いでまたしても逆境が待っていた。
熟練した技でテイクダウンから、グラウンドの展開に持ち込むニコリニ。強力な寝技から度々脱出を果たし、得意の打撃で対抗したアンジェラ·リーだったが、最後まで主導権はニコリニが握ったままだった。
結局、アンジェラは判定で敗れてしまった。
#3 マレーシアで注目を集めた選手たち
エブ·ティンは、マレーシアの大声援を受けて、阿部大治から見事なリアネイキッドチョークを奪って勝利を飾った。
敗れた阿部だが、試合では積極的に攻め立て、ティンをかなりのところまで追い詰めた。しかし、猛攻に絶えたティンが一瞬の隙きを突いて、一本勝ちを果たした。
マレーシア出身で人気を集める女子アトム級のジヒン·ラズワンは、ジョマリー·トーレスと対戦。トーレスは、打撃でラズワンを仕留めるために仕掛けたが、持ちこたえるラズワン。
反撃を仕掛けると、ラズワンは、三角絞めで勝利を収めた。
最後に、マレーシア人同士の対決となったモハメド·ビン·マムードとサイフル·メリカンの一戦。実績に勝るメリカンだが、マムードが積極的に攻めたことで、主導権を握った。
3Rには、右のローキックを入れたマムードが、直後に肘を入れ、メリカンはたまらず手をついた。ダウンとしては認められなかったが、ギリギリまで追い詰めたマムードが判定3–0で勝利を収めた。
#4 「イヴォルブ」強し!
シンガポールのメガジム「イヴォルブ」に新しく加わったアレクシ·トイボネンと、トロイ·ワーセンがそれぞれ勝利を収めた。
トイボネンは、日本の藤沢彰博と対戦。積極的に攻める藤沢は、倒されながらも必死にテイクダウンを狙いに行ったが、その力を利用して、トイボネンがリアネイキッドチョークを奪い、勝利を手にした。
また、ワーセンもこれまでONE無敗のチェン·ルイと対戦し、しっかりと白星を手に入れた。イヴォルブが送り込んでくる選手には、今後も要注意が必要だ。