長谷川 賢が日本人初のONE世界ミドル級王者になる3つの理由
2019年3月31日(日)に東京・両国国技館で開催されるONEチャンピオンシップ初の日本大会「ONE:A NEW ERA-新時代-」において、ミャンマーの国民的スター アウンラ・ンサンが持つONE世界ミドル級のタイトルに長谷川 賢が挑戦する。長谷川が勝てば、ONEのミドル級王者に初めて日本人が君臨することになるが、長谷川に勝機はあるのか。長谷川が勝てると信じる3つのポイントを分析する。
アウンラ・ンサンは大きなプレッシャーを背負っている
まずは、現王者について解説しよう。アウンラ・ンサンはミャンマーの選手であり、ONEの世界ミドル級と世界ライトヘビー級の二階級を制する現王者である。ミャンマー建国以来、初めて世界を制したアスリートで、国民的英雄だ。その証拠に、ミャンマーにはONEの2つのベルトを従えたンサンの巨大な銅像が建っているし、公衆の場に彼が現れるとンサンをひと目見ようと数千の見物客が集まる。“ミャンマーの力道山”と言っても過言ではない。つまり、ンサンはミャンマー国民の期待を一身に背負うという重圧のなかで常に戦っている。一方、一度はンサンに敗れている長谷川賢に守るものはない。守るものが多すぎるンサン、守るものがない長谷川。精神的には長谷川が優位ではないか。
長谷川賢はリベンジ達成に燃えている
前述の通り、長谷川がンサンのタイトルに挑むのは、これが初めてではない。2018年6月にンサンの地元であるヤンゴンで開催された「SPIRIT OF A WARRIOR」で、対戦し、5ラウンドの激闘の末、KOで敗れている。この試合は、2018年のベストバウトオブ・ザ・イヤーに選出され、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOから両者に5万ドルの特別ボーナスが支給された。
受賞アワードの会場では、この試合の模様が繰り返し大型スクリーンに映し出されたが、長谷川にとっては自分の敗戦が何度も放映される結果となり、心中は穏やかではなかった。長谷川は、ンサンに対してリベンジを果たし、2019年のベストバウトオブ・ザ・イヤーを勝者として受賞するつもりである。
長谷川賢はキャリアで連敗したことがない
長谷川は日本国内ではDEEPのメガトン級を主戦場にしていたが、デビューから5年間は敗北を知らなかった。その後、2015年、17年、18年にそれぞれ1敗ずつしているが、連敗は1度もない。プロ通算で16勝3敗と圧倒的な勝率を誇っている。もし、長谷川がキャリア初の連敗を同じ相手にしてしまえば、次のチャンスはかなり遠のいてしまうだろう。だからこそ、長谷川は負けられない。
3月31日の日本大会では、ONE世界ライト級王者のタイトルに挑む青木真也と共に、一夜にして2人の日本人王者が誕生するかもしれない。いや、長谷川と青木が必ずや日本人の強さを再び証明してくれるはずだ。