【8/16大会】ONE: DREAMS OF GOLDで学んだ4つのこと
8月16日(金)の「ONE: DREAMS OF GOLD」が始まる前は数々の疑問があった。世界タイトル戦の行方は?栄光のトーナメント決勝に進むのは誰か?2冠チャンピオンは、新たな競技でも成功できるのか?
タイ・バンコクのインパクト・アリーナで全てが明らかになった今、改めてこの試合から我々が学んだことを振り返ってみよう。
#1 ペッダム より巧みだったエナッシ
ペッダム・ペッティンディーアカデミーは、ムエタイからキックボクシングに転向後、成功を収めていた。イリアス・エナッシと対峙(たいじ)するまではー。
21歳のバンコク出身のペッダム は、パワーと才能を武器にキックボクシングで2勝を挙げたが、この競技のスペシャリストを前に倒れた。
試合の前は、エナッシはすでにキックボクシングの世界王者に6度輝いており、試合序盤に急所にキックをもらうアクシデントにも動じなかった。
終始豊富な運動量で、前に出て攻撃をする際は、ペッダム がかつて経験したこともないような素早くパワフルなコンビネーションを繰り出してきた。
エナッシはペッダム を圧倒し、3RKO勝ち。この新王者を倒すのはそう簡単なことではないだろう。
#2 両国大会キック決勝は必見
ONEフェザーウェイト級キックボクシング世界グランプリ準決勝も見所の多い試合だった。
サミー・サナは、ヨドサンクライ・IWE・フェアテックスを破った準々決勝のような華々しい展開にはならなかったものの、ジャバル・アスケロフを相手に3Rを支配した。
サナは、打ち合いだけではなく戦術的な試合運びもできると証明した。決勝では、引き出しの多さは役に立つことになるだろう。
一方の準決勝では、ジョルジオ・ペトロシアンは、サナとは対照的な戦いを見せた。スモーキン・ジョー・ナタウットを3分足らずでKOしたのだ。テクニシャンとして知られ”ザ・ドクター”の異名を持つペトロシアン 。ありったけのパワーを込めたパンチで、ONEスーパーシリーズで初のKO勝利となった。
10月13日(日)に東京・両国国技館である「ONE:CENTURY 世紀」で、サナはペトロシアン を相手に真価を発揮できるか。必見の試合となることは間違いないだろう。
#3 打撃だけじゃなかったスタンプ
ONEアトムウェイト級キックボクシングとムエタイで2冠世界女王のスタンプ・フェアテックスが、”KOクイーン”として有名なアシャ・ロカを相手に、総合格闘技ルールで打撃駆使してくると誰しも思っていた。
だが、スタンプはこの数年、グラップリング技術を磨き、総合格闘技ルールで戦う準備を整えていた。
21歳のタイのヒロインは、ロカを相手にマット状でトップポジションをとったのだ。
第1Rでスタンプは、アームバーとギロチンチョークとパウンドを繰り出し、第3Rではリアネイキッド・チョークでついに相手を仕留めた。
#4 ラマザノフは速攻一択
ムエタイでは、対戦相手のタイミングやリズムを測るために、序盤は様子見となる傾向にある。
だが、3R決戦で4オンスグローブ着用のONEスーパーシリーズではそれは通用しない。
このルールを熟知したアラヴァディ・ラマザノフは、ONEスーパーシリーズで2つ目の1RKO勝利を収めた。
オグニエン・トピッチを相手に序盤からパワーを駆使した試合を展開。トピッチは、2度倒れても果敢に立ち上がったが、3度目は起き上がれず。そこで試合終了となった。