【10/13大会】ONEフェザー級キックWGPでこれまでに学んだ4つのこと
史上最高のキックボクシングトーナメントとの触れ込みでスタートしたONEフェザー級キックボクシング世界グランプリは、どの試合も前評判に違わぬ激戦となっている。
8選手の参加を得て開催されたこのトーナメントも、これまでに行われた7試合の結果、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)とサミー・サナ(フランス)の2選手にまで絞り込まれた。そして両者は10月13日(日)に開催される「ONE:CENTURY 世紀」の夜の部、「ONE: CENTURY PART II」での決勝戦でいよいよ対決する。
東京・両国国技館での決勝戦を前に、これまでの試合から我々が学んだことを振り返り、試合の行方を占ってみることとしよう。
#1 下馬評はあてにならない
ほぼパーフェクトなプロ戦績を誇り、これまでのキャリアで黒星はわずか2つというペトロシアンは、ほとんどの試合の下馬評で有利と見られる選手だ。
しかし、それはほぼ7年間無敗のヨードセングライ・IWE・フェアテックスにもいえることだった。多くのファンが、トーナメントを勝ち抜いて、決勝でペトロシアンと当たるのはヨードセングライになることを予想していたのだ。
その予想を、準決勝での驚きのパフォーマンスで打ち砕いたのがサナだった。ユナニマス判定勝ちでヨードセングライを下したサナは、タイの英雄が醸し出す無敵のオーラをかき消してしまったのだ。
サナは、試合の結果など端から分かりきっているかのように思っている人に、それがいかに間違っているのかを体現してみせた。そして10月13日に、サナはそのことをもう1度証明しようとしている。
#2 ペトロシアンは快進撃中
もちろん番狂わせの可能性はあるとはいえ、いま絶好調の“ザ・ドクター”ことペトロシアンを下すことは、サナには厄介な仕事になりそうだ。
ムエタイ世界王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーとの再戦でのペトロシアンの攻略ぶりは、まさに技術の粋を尽くしたものだった。完璧なゲームプランでペットモラコットの攻撃を封じると、堅いパンチと強力なローキックでダメージを与えたのだ。
8月大会では、2018年4月の初対戦以降、連勝街道を突き進んでいたジョー・ナタウットとのリマッチに臨んだペトロシアンはこれまでになく好調で、第1ラウンドに完璧な左のパンチでノックアウト、ナタウットを退けたのだった。
ペトロシアンの調子がますます上がってくるようであれば、サナにとっては厳しい戦いが待っていることになるかもしれない。
#3 サナの長いリーチは厄介
ペトロシアンはフェザー級としてはけして小柄な方ではないが、サナには見下ろされることになりそうだ。
ペトロシアンより12センチ高い190センチという身長を誇るサナは、長いリーチの打撃をフル活用してくる。
ヨードセングライは今年5月の「ONE:ENTER THE DRAGON」で、そのサナのパワー全開の攻撃を食らっている。距離を詰めようとすると、顔面にストレートパンチが飛んでくる。そして、安全な距離にいると思っていたら、狙いすました前蹴りで頭をはじかれてしまう。
準決勝で当たったジャバル・アスケロフがサナにつけ込んでいくことはさらに困難だった。アスケロフは遠い距離からの蹴りで攻めようとしたのだが、それはサナにとっては十分にパンチが届く距離だったのだ。長いカウンターの右パンチを食らったアスケロフは、気がついた時にはダウンを喫していたのだった。
ペトロシアンが勝つためには、サナの懐に入る方法を見つけ出す必要があるだろう。
#4 手に汗握る熱戦は確実!
これまでのところ、世界グランプリはどの試合も、期待通りの熱戦だった。
「ONE: ENTER THE DRAGON」で行われた準々決勝は、参加8選手がトーナメント優勝賞金100万米ドル(約1億円)獲得を目指してヒートアップ、試合内容もすばらしいものだった。
その後に行われたペトロシアンとペットモラコットの仕切り直しの1戦も、スリル満点の展開ながら不透明決着に終わった初戦にも違わぬ、フルラウンドにわたるレベルの高い攻防の、息詰まる好勝負だった。
「ONE: DREAMS OF GOLD」で行われた、対照的なファイトスタイル対決となった準決勝では、ペトロシアンの第1ラウンドでのフィニッシュと、サナのフルラウンドにわたる圧倒的な攻撃がこれまで以上に見どころ満載で、グランドフィナーレの完璧なお膳立てとなった。
10月13日の決勝戦も、これまでの試合で繰り広げられたドラマをしのぐ内容の試合で、ファンを楽しませてくれることだろう。
東京・両国国技館 | 10月13日 (日) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)