【10/13大会】ONEライト級WGPでこれまでに学んだ4つのこと
激闘続きだったONEライト級世界グランプリチャンピオンシップ(WGP)がいよいよ佳境の時を迎える。
10月13日(日)に開催されるビッグイベント「ONE: CENTURY 世紀」の朝の部、「ONE: CENTURY PART I」では、名勝負必至の一戦、エディ·アルバレス(米国)対ザイード·フセイン·アサラナリエフ(トルコ)が決勝戦として行われるのだ。
東京·両国国技館での決戦を前に、これまでの試合から我々が学んだことを振り返り、決勝戦の行方を占ってみることとしよう。
#1 最強アスリートは常に臨戦態勢
短期間で3試合をこなさなければならないとあって、トーナメントでの対戦相手の変更はいつだって起こり得る。そして決勝進出を決めたのは、状況の変化にうまく対応できたアスリートたちだった。
アサラナリエフは、準決勝で対戦予定だったエリアル·セクストン(コスタリカ)の欠場を受け、急きょ代役のアミール·カーン(シンガポール)との試合を想定した準備を迫られた。そしてその試合で見事な勝利を飾り、高い対応能力を証明したのだ。
アルバレスは、準々決勝で敗退したにもかかわらず、今年八月の「ONE: DAWN OF HEROES」でエドゥアルド·フォラヤン(フィリピン)を下し、決勝戦進出を決めた。
総合格闘技の世界王者アルバレスは、ティモフィ·ナシューヒン(ロシア)、ローウェン·タイナネス(米国)両選手が負傷欠場となったことでトーナメントに復活。ONEデビュー戦では敗退したものの、ここ一番のフォラヤン戦では第1ラウンドで一本勝ちを収め、汚名を返上したのである。
#2 アサラナリエフの強打を侮るな
もともと強打のフィニッシャーとして知られていたアサラナリエフだが、ONEライト級WGP決勝戦進出を決めたエブ·ティン(マレーシア/ニュージーランド)戦とカーン戦でのノックアウト勝利で、その評価はさらに高騰している。
キャリア初期からパワーの片りんを見せていたアサラナリエフだったが、トーナメント参加のトップ選手を連続ノックアウト、その前にもナシューヒンをフィニッシュしていることから、世界のトップアスリートをガツンと倒す力があることを証明したのだ。
打撃戦のスペシャリストであるティンとカーンは、ブラジリアン柔術黒帯のアサラナリエフを相手に、打撃の攻防なら優位に立てると考えていたのだが、実際に打撃で真っ向勝負をしてみると、共に第1ラウンドでマットに沈められてしまったのだ。
アサラナリエフのパンチには左右ともにフィニッシュ力がある。彼の自信とテクニックは、試合をするごとにレベルアップしていくばかりなのだ。
#3 アルバレス逆境から復活する力
アルバレスのような格闘技界のレジェンドを見限ってはいけない。3月のONEデビュー戦では思うような結果に恵まれなかったものの、逆境から復活してくる力こそ、アルバレスにとっての最大の武器の1つなのだ。
ライト級での存在感を証明すべく、フォラヤンとのビッグマッチに急きょの出場を決めたアルバレスは、ピンチをしのいで、見事なリアネイキッド・チョークで勝利を飾った。
仕留められる寸前まで追い詰められたかに見えたアルバレスだったが、持ち前のタフネスさを発揮してフォラヤンの猛攻をしのぎきると、ベテランらしい機転と技術で逆転勝利を収めたのである。
アルバレスが最も危険な選手に転じるのは、絶体絶命になった時なのだ。フォラヤン戦は、アルバレス流逆転勝利術の最新事例となったのである。
手がつけられないほどの猛威を振るうアサラナリエフも、敗戦寸前から逆襲してくるアルバレスの超人的な能力には十分な注意が必要だ。かつてアルバレスが日本マットで活躍していた頃から存分に発揮されていたそんな能力は、「ONE: CENTURY 世紀」でも見られることだろう。
#4 決勝はまばたき厳禁の一戦に!
現在世界で最もホットなライト級選手と、この階級のレジェンドとが対峙するこの試合。過去の記録をひもとけば、この試合がどれほどまばたき厳禁の一戦なのかがわかるだろう。
両選手のWGP戦全4試合は、両選手のこれまでのキャリアを反映するかのように、すべて第1ラウンドで決着を見ている。
アサラナリエフはこれまで判定決着にもつれ込んだことがない。他方でアルバレスは、戦歴38戦のうち、81%がフィニッシュ決着を見ている。
両選手とも、ノックアウトでも一本でも勝てる。試合のどんな局面でも高いスキルを持っているからだ。さあ、格闘技のグローバルステージで、激戦のお膳立ては整った。
東京・両国国技館 | 10月13日 (日) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)
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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。
複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。