【11/22大会】EDGE OF GREATNESSで学んだ5つのこと
11月22日(金)、世界有数の才能を持つマーシャルアーティストたちが「ONE:EDGE OF GREATNESS」の舞台に立ち、世界中のファンを興奮させた。
シンガポール・インドア・スタジアムでの大会で素晴らしいパフォーマンスを披露した5人から学んだことを紹介しよう。
#1 ノンオーはやっぱり最強王者
セーマペッチ・フェアテックスとのタイ人同士の対決となった、ONEバンタム級ムエタイ世界王座防衛戦。第1ラウンド、王者ノンオー・ガイヤーンハーダオは落ち着いていたが、ゆったりと試合に入った。
しかし、ムエタイのレジェンドは第2ラウンドに爆発。パンチの連打で若き挑戦者から2度ダウンを奪い、フィニッシュ寸前まで追い詰めた。
なんとか第3ラウンドまで漕ぎ着けたセーマペッチは、同ラウンドから反撃を開始。ノンオーは敗れるかもしれない展開になりかけるも、主導権を渡さなかった。迎えた第4ラウンド、ノンオーが熟練の技術を披露。ピンポイントの右クロスをヒットさせ、一撃で勝負を決めた。
32歳の王者は、若く、ハングリーな挑戦者にここ数年で最も苦しめられたが、ギアを上げてONEで過去最高のパフォーマンスを見せた。流石、王者ノンオーと呼べる試合だった。
#2 ウォーゼンのパウンドは超危険
トロイ・ウォーゼン(米国)のグラウンド・アンド・パウンドをONEの舞台で体感した2人の中国人アスリートは、そのパワーにやられた。今年7月に対戦したチェン・ルイと、今大会で対戦したチェン・レイだ。
ウォーゼンがテイクダウンを奪い、パンチを打ち下ろす体勢を整えてしまったら、トップからのコントロールが非常に力強く、どれだけ我慢強いファイターでもこの状態を回避するのは難しいだろう。
ウォーゼンとバンタム級で対戦する相手は、スタンドでの攻防をキープし、打撃の応酬に持ち込むべきだ。そうでなければ、金曜の夜にチェン・レイが味わったのと同じ結末を迎えるかもしれない。
#3 ラジュの総合格闘技は進化中
シンガポール・ファイティング・チャンピオンシップ(SFC)ウェルター級王者のラウル・ラジュ(インド)は、ONEデビューから3連敗という順調とは言えないスタートを切った。
それでも、「ONE:EDGE OF GREATNESS」でファカン・チーマ(パキスタン)を下し、今年5月の「ONE: ENTER THE DRAGON」に続き、2戦連続でフィニッシュ勝利を収めた。
誰もが28歳のラジュの力を理解していた。そしてようやく、彼はスポットライトの下でゲームプランを実行し、その実力を証明している。
総合格闘技ではまだ10試合を経験したところで、毎試合でレベルアップしている。これからも進化し続けられれば、今後ライト級で長く活躍できるだろう。
#4 シウバのブラジリアン柔術は健在
ペン・シュウウェン(中国)は、第1ラウンドでアレックス・シウバ(ブラジル)を打撃で苦しめた。ただ、フィニッシュのチャンスを逃したことを後悔する結果になった。
元ONEストロー級世界王者であるシウバは、ラウンドをまたぐとワールドクラスの力を持つブラジリアン柔術を生かす戦術に変更。
すぐにテイクダウンを奪えたわけではなかったが、トリッキーな序盤から学習したことを生かし、自分の得意分野に相手を引きずりこむまでグラップリングアタックを仕掛け続けた。
一度キャンバスに引き込めれば、あとは時間の問題だった。シウバは相手の腕を取り、タップを奪うことに成功。この大きな勝利により、シウバはブラジリアン柔術の実力を改めて世界に示した。そして、彼が制したこの過酷な階級で今も影響力を持つ存在であることを証明した。
#5上久保のグラップリングはトップ級
サブミッションのスペシャリスト、ブルーノ・プッチ(ブラジル)でさえ、上久保周哉の冷酷なレスリングオフェンスを抑えるグラップリング能力を持ち合わせていなかった。
今大会までにONEで3勝0敗という戦績を残していた上久保は、ブラジリアン柔術の世界ノーギ柔術選手権で2度も優勝しているファイターを相手に、堂々たるパフォーマンスを披露し4連勝を飾った。
狙い通りにテイクダウンを奪った上久保は、グラウンドでは肘と膝を相手の頭部にヒットさせてプッチを痛ぶった。プッチのサブミッションスキルも脅威だったが、上久保は即座に危険を察知し、圧倒し続けた。
ONEのバンタム級には、上久保の連勝に並ぶアスリートはいない。そのため、世界王座挑戦、あるいは挑戦者を決める試合が組まれる可能性もある。上久保と対戦するのであれば、テイクダウンディフェンスの高い技術か、彼の動きを止められるくらい動き回ってガードできる力が必要になる。
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