【1/31大会】FIRE & FURYで学んだ5つのこと

Lito Adiwang celebrates his win against Pongsiri Mitsatit

1月31日(金)、ONEチャンピオンシップがフィリピン・マニラで「ONE FIRE & FURY」を開催した。今回も記憶に残る大会となり、総合格闘技界のスターに関する新たな一面も垣間見られた。

今大会では、新たな境地に達した選手、「格闘技の本拠地」ONEでの将来の可能性を示した選手もいた。

モール・オブ・アジアアリーナでの素晴らしい一夜となった「ONE: FIRE & FURY」で学んだこと5つを紹介する。

#1 パシオはストロー級史上最高

ONE Strawweight World Champion Joshua PAcio after his win against Alex Silva

アレックス・シウバ(ブラジル)との5ラウンドに渡る戦いを制し、ジョシュア・パシオ(フィリピン)がストロー級頂点の座を守った。

この勝利により、チーム・ラカイのエースは、ONEストロー級世界王座を2度防衛した初の王者になった。また彼は、歴代の王者全員に勝利。その内の2試合はリベンジマッチで、雪辱を果たしている。

同階級のトップ選手では年齢も一番若く、仮に過去の対戦相手と再戦しても勝つ可能性は高い。

シウバとのタイトルマッチ、体力で勝るパシオは第5ラウンドで違いを生み出した。まだ肉体はピーク時期を迎えていないため、ライバルたちが現状維持のために努力する中、王者は技術的にも伸びしろが残されている。現段階では、24歳の王者を引きずり下ろすのは難しそうだ。

#2 チーム・ラカイは盤石

The Philippines' Gina Iniong punches Asha Roka on the ground

ONE発足以来、フィリピンの名門「チーム・ラカイ」のエドゥアルド・フォラヤンケビン・ベリンゴンジェへ・ユスターキオホノリオ・バナリオは屈強な存在として君臨し、ファンを楽しませる試合をしながら世界王座を獲得した。

彼らの現役生活は今後も続くが、チームの功績を今後10年維持できる次の世代も育ってきている。

すでにパシオは王者に登り詰めた。彼のトレーニングパートナーを務めるダニー・キンガッドもまだ24歳で、新星シェ・ウェイ(中国)の連勝を止めた。今後もフライ級上位との対戦が見込まれている。

今大会のリードカードでも、リト・アディワンが、今後の活躍を予見させる試合をしたばかり。「ONEウォリアーシリーズ(OWS、ONEの人材育成、発掘のための大会)」で本戦出場を勝ち取ったアディワンは、ONE2勝目をあげて7連勝。彼もまだ26歳で、パシオと同様に階級のトップに登り詰めるかもしれない。

また、所属の女子選手ジナ・イニオン(フィリピン)も今大会では、アシャ・ロカ(インド)を圧倒して2連勝とした。女子アトム級では5勝目で、これはONE女子アトム級世界王者アンジェラ・リーに並ぶ勝利数だ。

このまま連勝を続ければ、世界タイトルに挑戦できるかもしれない。

#3 ペッダムが輝くのはムエタイ

Petchdam Petchyindee Academy defeats Momotaro in the Philippines

ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)は、昨年ONEキックボクシング世界王座を獲得したが、彼の実力が最も発揮されるのは、ムエタイルールでの試合だ。

MOMOTAROの変則スタイルを前にしても、彼はワールドクラスの基礎を試合で披露し、判定勝利を収めた。

いつものように、左のミドルは高い命中率だった。しかし、最大の違いを生んだのは、MOMOTAROのパンチのコンビネーションを止めた首相撲。組んでからの肘と膝が勝敗を分けた。

誰との対戦でもKOアーティストであるペッダムがが勝つ可能性を軽視するのはおかしな話だが、その実力が最大限に生かされるのは、ムエタイルールだ。

#4 佐藤将光は飛び抜けている

Japan's Shoko Sato locks in the rear-naked choke on Kwon Won Il

佐藤将光(日本)は、ONEバンダム級で3人のコンテンダーと対戦し、全勝となった。

今回のクォン・ウォンイル(韓国)戦は、最も巧みな試合運びを見せての勝利だった。佐藤は、相手の右を回避して寝技に持ち込み、チョークでタップを奪った。試合開始からフィニッシュまで、4分強しかかからなかった

佐藤は、これまで若手ホープからの反撃に遭う場面もあったが、ギアを上げれば見事な形でフィニッシュできる力があることを示し、最高峰のレベルで戦える実力を証明してきた。

修斗バンタム級世界王者としてONEに参戦した佐藤にとって、今こそONEバンタム級世界王者ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)に挑戦するタイミングかもしれない。

#5 ホグスタッド、2冠女王の脅威に⁉︎

Anne Line Hogstat defeats Alma Juniku

アルマ・ユニク(オーストラリア)がONEスーパーシリーズデビュー戦で、ONEアトム級ムエタイ王者スタンプ・フェアテックス(タイ)と5ラウンドに渡る激闘を繰り広げた際、ファンは彼女に勝つのは簡単ではないと思っただろう。

アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)との対戦で勝利は固いと思われたのだが、試合が進むに連れて相手に押され、最終ラウンドは首相撲で圧倒されて判定で敗れた。

国際競技空手協会(ISKA)のムエタイ世界王者に2度も輝いたホグスタッドは、タイトルが懸かった試合に強い。もしスタンプに挑戦すれば、きっと面白い試合になるだろう。

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