【10/13大会】「ONE: CENTURY PART II」から学んだ5つのこと

Bibiano Fernandes holds the World Title belt At ONE CENTURY PART II DUX 0009

10月13日(日)、東京・両国国技館で開催された「ONE: CENTURY 世紀」の夜の部「ONE: CENTURY PART II」では、ファンが知りたいと思っていたたくさんのことがONEチャンピオンシップのケージであるザ・サークル内で明らかになった。

世界最高クラスの格闘家が繰り広げたキャリア屈指のパフォーマンスを通じて我々が学んだことは以下の通りだ。

#1 アウンラ・ンサンはONE最高の男

ここ数年のめざましい活躍を見れば、アウンラ・ンサンが恐れを知らない戦士であることに疑問を呈する者はいないだろう。

ミャンマーのヒーロー、アウンラ・ンサンはミドル級の対戦相手をすべて倒しただけでなく、ライトヘビー級や無差別級で自分よりも体格のいいアスリートたちとも進んで戦ったのだ。

だが、ONEヘビー級世界王者ブランドン・ベラのような対戦相手と戦ったことはいまだかつてなかった。ベラは試合開始のベルが鳴った直後から、KOを狙ってくるような選手だ。

アウンラ・ンサンはそれにもひるまなかった。体格の差は歴然だったが、ONE最重量級のベラと真っ向勝負に応じ、打撃戦を制したのだ。

34歳のアウンラ・ンサンは、ライトヘビー級の世界タイトル防衛に必要なハート、情熱、そして卓越した技術を持っていることを見せつけ、改めて比類なきチャレンジャー精神の持ち主であることを証明したのだった。

もっと読む:【10/13大会】アウンラ・ンサン「強豪だらけミドル級に参戦したい」

#2 フェルナンデス対ベリンゴンの因縁対決終結

ビビアーノ・フェルナンデスケビン・ベリンゴンはすでに3回戦ったライバル同士ではあるが、それでも試合の展開がどうなるか、どちらが真のバンタム級世界王者に輝くかについては、人によって意見が割れていた。

そしてフェルナンデスはベリンゴンを圧倒、第2ラウンドでフィニッシュ勝ちを決め、ライバル争いに終止符を打ったのだった。

フェルナンデスは往年の強さを取り戻し、完璧な戦略でベリンゴンの攻撃を封じた。グラウンドではフェルナンデス得意のブラジリアン柔術の前に、ベリンゴンは全くなすすべがなかった。

ベリンゴンに対して3度目の勝利を果たしたことで、フェルナンデスはバンタム級世界王者の名を確固たるものとした。とはいえ、バンタム級にはまだまだ多くの興味深い挑戦者が、フェルナンデスを待ち構えている。

もっと読む:【10/13大会】因縁の4度目王座戦、フェルナンデスが一本勝ち

#3 ヘビー級でブラーに大化けの予感

アルジャン・ブラーONEデビュー戦ほどおそろしく敷居の高い対戦相手はいなかっただろう。だが、マウロ・チリリを相手に、ブラーは鮮やかなパフォーマンスで勝利した。

インドのスーパースター、ブラーは相手の重いパンチをうまくかわし、ボクシングで優位に立つと、明確なユナニマス判定勝ちを収めた。世界トップクラスのレスリングの技はほとんど見せることがなかった。

ブラーの希望通りにヘビー級世界タイトルに挑戦することになれば、ブラーはもう少し得意のレスリングを生かして戦う必要があるかもしれない。だが、所属する米国カリフォルニア州の名門ジム「アメリカン・キックボクシング・アカデミー」仕込みの打撃も、ブラーにとって大きな武器となっていることも確かだ。

今回の試合で見せたパフォーマンスと、オリンピック級のグラップリングの家系を踏まえると、ブラーはブランドン・ベラにとって興味深い対戦相手になるかもしれない。

もっと読む:【10/13大会】白星発進のアルジャン・ブラー「目標はベラ」

#4 山口芽生、王座戦への切符をつかむ

Mei Yamaguchi defeats Jenny Huang at ONE CENTURY YK4_9621.jpg

現時点で、ONEで山口芽生ほど世界タイトル戦挑戦にふさわしいアスリートはいないだろう。

山口の4連勝という記録は、女子部門のどの選手よりも長く、しかもすべての勝利が鮮烈なものだった。ジョマリー・トーレス戦での圧勝から始まり、クセニア・ラチコワには終始優勢な試合からの一本勝ち、そしてラウラ・バリンには短時間でのフィニッシュを決めた。

「ONE: CENTURY PART II」で山口が対戦したジェニー・ファンは、これまでにないほど絶好調だった。特に打撃の仕上がりはすばらしかったが、山口はグラウンドでの戦いをしっかりと制し、判定で4連勝目を手にした。

これにより、ONE女子アトム級世界王者アンジェラ・リーとの再戦に臨む資格を得たと山口は考えている。そして何より、ONE会長兼CEOのチャトリ・シットヨートンもリマッチを後押ししている。

もっと読む:【10/13大会】4連勝山口芽生「次はアンジェラ・リーと王座戦を」

#5 修斗対パンクラス、団体の誇りを胸に

修斗・パンクラスの世界王者4対4対決は、日本で最も歴史のある総合格闘技団体が提供する最高の戦いを見る機会であるとうたわれていた。

前半、久米鷹介手塚裕之が技術と粘り強さで松本光史エルナニ・ペルペトゥオにそれぞれ判定勝ちを決め、パンクラス勢が有利かと思われた。

だが、佐藤将光猿田洋祐はどちらも衝撃KO勝ちを決め、修斗の強さをアピールした。まず佐藤が鮮やかな打撃の集中砲火でハファエル・シウバを倒した。元ONEストロー級世界王者の猿田がそれに続き、鮮烈なグラウンド・アンド・パウンドで北方大地をノックアウトした。

どの試合も、日本のトップ団体が今でも優れた才能を輩出していること、両団体のトップ選手は末永くONEでも成功を収めることをはっきりと見せつけたのだった。

もっと読む:【10/13大会】修斗VSパンクラス4対4王者対抗戦試合レポート

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