【4/29大会】ONE On TNT IV から学んだ5つのこと

Ok Rae Yoon Eddie Alvarez 1920X1280 ONE on TNT IV 46

4月29日(木)の「ONE on TNT IV」で、ONEチャンピオンシップの脅威的なイベント尽くしの熱い1ヶ月が終わった。

ライニアー・デ・リダー(オランダ)が2階級王者となり、オク・レユン(韓国)は総合格闘技界のレジェンドを撃破し、会場のシンガポール・インドア・スタジアムは、新しい時代の始まりの予感で埋め尽くされた。

イベントが終わった今、ONEのケージ「サークル」で全力を尽くしたアスリート達から学んだ5つのことをここで振り返ってみよう。

#1デ・リダー、史上初の無敗2階級王者に

昨年10月の「ONE: INSIDE THE MATRIX」でデ・リダーは、第1ラウンドで一本勝ちし、アウンラ・ンサン(ミャンマー)の有していたONEミドル級世界タイトルを奪い、世界に衝撃を与えた。

その6ヶ月後、緊急参戦したデ・リダーは、アウンラ・ンサンを5ラウンドにわたって攻め立て、ONEライトヘビー級世界タイトルも奪い、ONE史上唯一の無敗の2階級王者となった。

デ・リダーの前回の勝利がまぐれでないことは、明らかだった。止められないテイクダウン、完全なコントロール、そしてあらゆるサブミッションを試み、終始アウンラ・ンサンを圧倒した。

昨年10月に始まりつつあった新時代は、今回のイベントで正式なスタートが切られたようだ。かつてミドル級やライトヘビー級でアウンラ・ンサンを狙っていた選手たちは、今後強力なグラップリングを誇るデ・リダーにターゲットを変更することになる。

#2 オクがライト級タイトル戦線に急浮上

ONE on TNT III」のマラット・ガフロフ(ロシア)戦でONEデビューした時、オクは単なる新進気鋭のニューカマーだった。

だが、「ONE on TNT IV」でエディ・アルバレス(米国)をにユナニマス判定で勝利したことで、この階級の正真正銘のスターとなった。

30歳のオクの急上昇ぶりは、「格闘技の本拠地」ONEでのチャンスを最大限に生かす方法を示した輝かしい事例だ。

2大会連続でこの階級のトップアスリートを撃破したオクは、ONEライト級世界チャンピオンのクリスチャン・リー(シンガポール)の挑戦者リストの最前列に躍り出たかもしれない。

この競技有数の層の厚い階級のため、あらゆる可能性があるが、タイトルを狙う有力アスリートがまた1人出現した、いうことは確かだ。

#3青木真也はライト級のアイコン

元ライト級王者で現4位コンテンダーの青木真也は、再び圧倒的なパフォーマンスを見せ、ONEライト級のトップのアイコンとしての地位を固めた。今回は、長年のライバルであるエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)を相手に第1ラウンドでアームバーで一本勝ちを挙げた。

青木のONEでのサブミッション勝利は9度目。これは、団体の最多記録だ。

青木のグラップリングは見る者を魅了する。整然とした動きは優美だが、その圧力と締め上げは別次元。日本のレジェンド青木はONEでのキャリアを通じてこうしたパフォーマンスを見せ続けており、ベルトは巻いていなくとも、この階級の顔であり続けている。

世界タイトルがかかった戦いであろうと、メインカードであろうと関係ない。青木が「サークル」に入るなら必見のイベントになる。それこそがアイコンたる理由なのだ。

#4 ブンタンが初代女王へ猛アピール

初代ONE女子ストロー級ムエタイ世界チャンピオンを決める試合が行われる際には、ジャッキー・ブンタン(米国)はリングに上がる2人のアスリートのうちの1人になるべきだろう。

ブンタンは「ONE: FISTS OF FURY」でワンダーガール・フェアテックス(タイ)を倒し、「ONE on TNT IV」では長身のエカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)を相手に見事な勝利を挙げた。

所属ジム「ボクシング・ワークス」のチームメイトであるONEアトム級キックボクシング世界チャンピオンのジャネット・トッド(米国)と同様に、ブンタンは対戦相手の動きを外科手術さながらに分析する。ヴァンダリーバ戦でも正確に距離を詰め、重要な勝ち星を戦績に加えた。

美しいムエタイの技術を有するブンタン。世界タイトルマッチ出場のトップ候補として、今後も目が離せないアスリートだ。

#5 ノースカットは打撃だけじゃない

空手の世界チャンピオンに何度も輝いたコルビー・ノースカット(米国)は、ダイナミックな打撃で知られている。リーチを生かしきって、相手に距離を詰めさせない。だが、ノースカットは「ONE on TNT IV」では総合格闘家としての他の面を披露したいと思っていた。

そしてコートニー・ マーティン(オーストラリア)戦では意図した通りの戦いをやってのけた。

ノースカットは序盤で寝かされたが、マットを背にしても落ち着いた様子。フルガードの状態から足を上げてトライアングルかアームバーを狙いに行き、相手の腕が出てきたのを捉えて、チャンスをものにしたのだった。

早々とサブミッションで勝利を収めたノースカットは、スタンド戦でもグラウンド戦でも脅威の存在であることを示した。その試合内容は日々向上しており、総合格闘技のスター選手としてさらなる活躍を予感させた。

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