マーティン・ニューイェンの防衛戦、5人の相手予想
ONEフェザー級世界チャンピオンのマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)は、2019年にフィニッシュ勝ちを2度収め、フェザー級トップとしての立ち位置をさらに強固にした。だが2020年、ニューイェンのベルトを脅かすかもしれない挑戦者たちの候補がいる。
フェザー級はこれまでになく層が厚く、ベテランも期待の新星もみな、ニューイェンのベルトを狙っている。強打、巧みなグラップリング(組み技)、そしてハングリー精神を兼ね備えたこれらの選手たちが、世界タイトルへの挑戦権を待ち望んでいるのだ。
30歳のニューイェンにとっては厳しい1年になるかもしれないが、フェザー級最強の挑戦者たちと戦うことを楽しみにしている。
「自分にとって大きな年になる。来年は3、4試合するつもりだ。全ての挑戦者と戦いたい」
「挑戦者にふさわしい選手たちを一人ずつ順番に並べる。ONEチャンピオンシップが契約書を送ってくれれば、自分はサインするだけ。全員を倒すよ」
ニューイェンは勢いに乗っており、これまでになく意気込みに溢れているように見える。2020年にフェザー級の王者に立ち向かう、挑戦者の候補を5人紹介しよう。
クリスチャン・リー
クリスチャン・リー(シンガポール)は、ONEライト級世界王者であり、ONEライト級世界グランプリの王者でもある。だがリーはそのキャリアのほとんどをフェザー級で戦ってきており、その間ニューイェンは最も強力なライバルだった。
両者はこれまでに2度対戦し、ニューイェンが2度とも勝利した。2016年8月の最初の対戦はサブミッション。だがリーは、2018年3月の2度目の対戦では、僅差のスプリット判定まで追い上げた。両者の差は縮まってきていると言える。
両者は共に、とりわけリーは、3度目の対戦を願っている。
「自分はライト級の王者だが、フェザー級ではまだやり残した仕事があるように感じる」
「まず自分のベルトを防衛するのが先。だから2020年初めはニューイェンと他の挑戦者の試合を見ることができるのではないかと思う」
ニューイェンはリーとの試合を歓迎しているが、リーがフェザー級まで体重を落とすことができたら、という条件付きだ。
「リーにとって2020年が良い年になるだろうと思うが、個人的にはリーはこれ以上体重を減らせないのではないかと思う。自分がリーと戦った時は、彼は年齢的にもまだ子どものようだった。でも今では成長した男性」とニューイェンは説明する。
「成長した彼にとって、体重を減らすことはもっと難しくなるだろう。できないとは言わない。もし十分な時間があれば、もちろんできるだろう。もしフェザー級に来るなら、それは自分にとってはうれしい。リーなら素晴らしい挑戦者になるからね」
マラット・ガフロフ
リーの世界チャンピオン同士の対戦は大々的な試合になるだろうが、ニューイェンが個人的に誰よりも挑戦者として待ち望むのはマラット・ガフロフ(ロシア)だ。
「ガフロフとの試合は自分が一番、望んでいるものだ。決着をつけてガフロフに止めを刺したい。どちらも1勝ずつ挙げているからね」
「まだ自分がただの選手の1人だった時に初めて対戦して負け、その後、チャンピオンだった彼を倒した。2019年はあまり試合をしていなかったはずだが、ガフロフは今でも挑戦者の候補ナンバーワンだと思う」
かつて無敵のONEフェザー級世界王者として知られたガフロフは、ニューイェンにフィニッシュ勝ちした唯一の選手だ。2015年9月、第1ラウンドわずか41秒で、リアネイキッド・チョークでサブミッション勝ちしたのだ。
だがニューイェンは4試合連続の第1ラウンドでのフィニッシュ勝ちを挙げ、世界タイトル戦に戻ってきた。そして2017年8月、ガフロフにノックアウト勝ちし、ガフロフを破った初めての選手となり、世界タイトルを奪った。
だがガフロフは依然として、マットの上では誰が相手でも強さを見せる。2019年に戦った唯一の試合では、山田哲也をグラップリングで圧倒した。
2月7日にインドネシア・ジャカルタで開かれる「ONE:WARRIOR’S CODE」で、ガフロフがユーリ・ラピクス(モルドバ)を倒すことができれば、ニューイェンはガフロフとの3度目の対戦を迎えることになるだろう。
タン・リー
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Posted by ONE Championship on Friday, January 10, 2020
タン・リー(ベトナム/米国)はこの1年の間で最も波乱を巻き起こした選手だ。リーは強豪を相手に3試合連続でノックアウト勝ちを決め、フェザー級のランキングを急速に駆け上がってきた。
リーはニューイェンと同様、多才な攻撃でフィニッシュに持ち込むことができる。もし両者が対戦することになれば、王者ニューイェンにとって、立ち技に関しては最大の脅威になるかもしれない。
1月10日にタイ・バンコクで開かれた「ONE:A NEW TOMORROW」で高橋遼伍を撃破した後、リーはタイトル戦までは他のフェザー級のトップ選手たちを倒していかなければいけないと語っていた。
「自分のやっていることをやるだけ。次の相手を倒し、その次の選手を倒し、またその次の選手を倒す。(タイトル戦挑戦の)チャンスは来るときに来るし、そのチャンスを掴むよ」
リー自身はニューイェンとの対戦を焦ってはいないが、その素晴らしいパフォーマンスは彼が思うより早く、タイトル戦へと導くかもしれない。
リー・カイウェン
フェザー級の上の階級に挑戦者になり得る選手がいるのと同様、下の階級にも候補がいる。最近フェザー級からバンタム級に階級を落としたリー・カイウェン(中国)がその一人だ。
「この先2試合ほどはバンタム級で戦いたい。でもニューイェンと自分はもう一度戦って決着をつけないといけない」
2019年11月の「ONE:MASTER OF FATE」でポール・ルミヒ(インドネシア)に衝撃のKO勝ちを決めた後、リーはそう話していた。
両者は2016年4月に対戦し、ニューイェンが第1ラウンドでTKO勝ちを収めていた。だが今やリーは4連勝中、しかも全てをフィニッシュ勝ちで挙げている。
リーの持ち味は強力なパンチ。ニューイェンと対戦することになれば、激しい打撃の応酬を繰り広げ、見ごたえのある試合になるだろう。
シェ・ビン
Chinese phenom Xie Bin picks up his SIXTH straight win with a signature D’Arce choke at 2:27 of Round 2!Watch the full event on the ONE Super App 👉 http://bit.ly/ONESuperApp | TV: Check local listings for global broadcast
Posted by ONE Championship on Friday, April 12, 2019
2020年内に世界タイトル戦の挑戦者となり得るダークホースがシェ・ビン(中国)だ。
サブミッションのスペシャリストとして知られるシェは2016年以来、ONEで7連勝中。そしてそのうち5勝がフィニッシュ勝ちだ。
シェはまだフェザー級上位の選手とは対戦していないが、直近の試合ではフィリピンの名門ジム「チーム・ラカイ」のベテラン選手エドワード・ケリー(フィリピン)を倒し、キャリア最大の勝利を挙げた。しかもシェは、そうと思わせないような状態から一気に決めてくる能力を持っている。
シェの締め技、特に相手の頭と腕を固めるチョークは致命的で、しかもわずかな隙を見つけて仕掛けてくる。シェの連勝は無視することができないし、有力選手を相手にもう1勝できれば、挑戦者争いで予想外の伏兵となる可能性がある。