【11/19大会】1日2大会!ONE Fight Night 4とONE 163を見るべき5つの理由
ONEチャンピオンシップの今月のスケジュールは格闘技ファン垂涎もの。
世界最大の格闘技団体ONEは日本時間の11月19日(土)、シンガポール・インドア・スタジアムで、米国のゴールデンタイムに配信される「ONE Fight Night 4: Abbasov vs. Lee」と、日本選手が多数参戦する「ONE 163: Akimoto vs. Petchtanong」の2大会を開催する。
世界タイトルマッチと世界グランプリ決勝に加え、4競技にわたるONEのトップアスリートが多数登場する見どころ満載の2大会。11月19日を前に、この記事では注目すべき5つのポイントを紹介する。
(1) 2階級王者を目指す2人の世界チャンピオン
「ONE Fight Night 4」では、世界チャンピオン同士によるタイトルマッチ2戦が行われ、それぞれの挑戦者は2階級目のベルト獲得に臨む。
メインイベントでは、ONEライト級世界チャンピオンのクリスチャン・リー(シンガポール / 米国)が階級を上げて、ONEウェルター級世界チャンピオンのキャムラン・アバゾフ(キルギス/ロシア)に挑戦する。
第2ラウンドフィニッシュ勝利を挙げてオク・レユン(韓国)からベルトを奪還したリーは自信に満ち溢れているが、アバゾフ戦は決して容易い試合にはならないだろう。
両者ともスタンドでもグラウンドでも相手をフィニッシュする力を有している。リーの技術とアバゾフのフィジカルがどのようにぶつかり合うか、注目だ。
コーメインイベントでは、ストロー級ムエタイ世界チャンピオンのジョセフ・ラシリ(イタリア / モロッコ)が、ONEフライ級ムエタイチャンピオンのロッタン・ジットムアンノン(タイ)に挑戦する。
ラシリは、プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)をフィニッシュして王座に就き、衝撃を与えた。今回も”鉄人”の異名をとるロッタンを相手にアップセットを起こす可能性もある。
対するロッタンは、ONEのケージ「サークル」ではキックボクシングとムエタイで11勝0敗と無敵の存在。
ロッタンを倒すには相当の覚悟と決意が必要とされるものの、ラシリはかつて不可能と思われたことを可能にした実績を持つ。今回もそれを実現させるか、見逃せない。
(2) 秋元皓貴の初防衛戦
圧倒的な強さで階級の頂点まで上り詰めた秋元皓貴が、「ONE 163」のメインイベントで、ONEバンタム級キックボクシング世界タイトルの初防衛に臨む。
挑戦者のペッタノン・ペットファーガス(タイ)は3位コンテンダーでベテラン。秋元が試練を課される可能性もある。
ペッタノンは、元WMCムエタイ世界チャンピオンで、プロ戦績は357勝56敗1分と、秋元の戦績26勝1敗を圧倒しており、あらゆる経験をし尽くしていることだろう。
だが、秋元のバックボーンは空手であり、これはペッタノンにとっては不慣れな領域に違いない。それに、秋元にはまだまだ隠し持っている技もある。
30歳の秋元はカピタン・ペッティンディー(タイ)からベルトを奪った試合で、経験だけがすべてではないと示した。今回の試合でペッタノンを倒せれば、再びこのことを証明できるだろう。
(3) ヘビー級キック、GP決勝でライバル関係に決着?
「ONE 163」では、ONEライトヘビー級キックボクシング世界王者のローマン・クリークリャ(ウクライナ)とイラジ・アジズプール(イラン)が比喩的にも文字通りにもビッグな対決を行う。
両者は対戦戦績1勝1敗で並んでおり、ラバーマッチの舞台となるのが初開催となるONEヘビー級キックボクシング世界グランプリ決勝だ。
クリークリャとアジズプールはそれぞれ4勝0敗、3勝0敗と、ONEでは無敗。
この対決の勝者は、トーナメント優勝者に贈られる銀色のベルトに加え、初代ONEヘビー級キックボクシング世界タイトルを争うチャンスが与えられることになるだろう。
両者ともテクニカルでありながらも強力な技術を有しており、激しい攻防が繰り広げられるに違いない。
(4) ライト級MMAのトップコンテンダーが誕生?
「ONE 163」には、ONEライト級世界タイトル戦線の最前線でしのぎを削る2人のアスリートが 登場する。
ONEライト級の将来を担う存在と評される4位コンテンダーのザイード・イザガクマエフ(ロシア)は、階級王者のリーが同日開催の「ONE Fight Night 4」でウェルター級タイトル獲得に集中している間に、ランキングを上げるチャンスを得た。
だが、対戦相手は伝説的なサブミッションのスペシャリストで、元ONEライト級世界チャンピオンの青木真也。イザガクマエフの強力なトップ・コントロールを攻略する可能性もある。
青木は直近5戦で4勝しており、今もこの階級のトップアスリート。イザガクマエフにとっては、自身がランキング上位にふさわしいアスリートであると証明する大きなチャンスとなる。
(5) 再起を図る元ONE世界チャンピオンたち
ONEチャンピオンシップの階級の頂点に立つことは偉業であり、一度その高みに達したアスリートは再び立ち上がるための力も有している。
11月の2大会には、元ライト級王者の青木に加え、4人の元ONE世界チャンピオンが参戦する。
長年ONEバンタム級世界チャンピオンとして君臨したビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル / カナダ)は「ONE Fight Night 4」で、5位のマーク・ステファン・ロマン(フィリピン)と対戦。
フェルナンデスは現在3位だが、ロマンは現在10連勝と波に乗った状態でこの試合に臨む。
また、同大会ではフェルナンデスの仇敵の元バンタム級王者のケビン・ベリンゴン(フィリピン)がキム・ジェウォン(韓国)と対決。元ONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのジョナサン・ハガティー(英国)はバンタム級に転向して、ウラジーミル・クズミン(ロシア)と対戦する。
「ONE 163」では、元ONEミドル級とライトヘビー級王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)が日本の岡見勇信と対戦し、タイトル奪還への一歩を踏み出す。