【11/9大会】世界タイトルマッチ3戦、ONE 169 を見るべき5つの理由
11月9日(土)の「ONE 169: Malykhin vs. Reug Reug」は、2024年の有数の大型イベント。最初から最後まで爆発的なアクションが期待できる試合ばかりだ。
MMA、ムエタイ、キックボクシングのトップアスリートがタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる同大会に出場する。
世界タイトルマッチ3試合に加え、トップコンテンダー同士の重要な対戦、新進気鋭の選手の次なるステップとなり得る戦いなど、この大会を見るべき理由5つを紹介する。
#1 3階級王者マリキン、ヘビー級王座防衛戦
アナトリー・マリキン(ロシア)は、ONEミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級の世界タイトルを獲得し、誰にも止められない強さを見せつけてきた。
現在のMMA戦績は14戦全勝、フィニッシュ率100%を誇り、これまで一度も危機的な状況に陥ったことがない。
前回の試合でミドル級ベルトを獲得し、今回はヘビー級王座を防衛するために2階級落とすことになる。
迎え撃つ挑戦者は、オマール・ケイン(セネガル)。そのフィジカルはどんな対戦相手にとっても脅威の存在となり得るが、再び圧倒的な強さを見せつけようとしているマリキンと興味深い戦いを繰り広げてくれるに違いない。
ケインは強力なレスリング技術と強力なパワーを有しているが、マリキンの洗練されたボクシング技術にどう対抗するか。
どちらの選手も一瞬で試合を終わらせるパワーを持っており、ファンにとって今大会を締めくくる最高の一戦となるだろう。
#2 打撃競技の世界タイトルマッチ2戦
このメインイベントだけでもファンを満足させるに十分な今大会だが、さらに打撃競技の世界タイトルマッチ2試合も組まれている。
まずは観客を大熱狂させること間違いなしのロッタン・ジットムアンノン(タイ)が、3位コンテンダーのジェイコブ・スミス(英国)を挑戦者に迎え、ONEフライ級ムエタイ世界タイトルの防衛に臨む。
両者は2022年に初対戦。その際、スミスは判定で敗れたものの、以来進化させた自身の技術で今回は雪辱を果たすと意気込む。
さらにもうひとつのコーメインイベントでは、フィリピン系米国人のジャッキー・ブンタンが、伝説的なキャリアを誇るアニッサ・メクセン(アルジェリア / フランス)とONE女子ストロー級キックボクシング初代世界王座を争う。
ブンタンはこれまでONEで6勝1敗としており、この競技のレジェンドを相手にキャリアを決定づける勝利を収めようと燃えている。
対する9歳年上のメクセンは、まだ自身の力が健在であることを示し、その輝かしいキャリアにONEのタイトルを加えたいと決意を固めている。
#3 タイトル戦線に影響も? フライ級MMAの再戦
MMA史上有数の偉大な選手とされるデメトリアス・ジョンソン(米国)が引退し、ONEフライ級MMA世界王座は空位となっている現在、「ONE 169」で2人の選手が次の世界タイトルマッチ出場につながる可能性がある試合に出場する。
同階級の元王者にして現1位コンテンダーのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)はタイトル奪還を目指しているが、そのためには今回の大会で3位のダニー・キンガッド(フィリピン)に勝つ必要がある。
モラエスが王者だった2017年、キンガッドは対戦して敗れているが、以来格段に成長。グラップリングの技術向上を通じ、よりバランスのとれた総合格闘家になろうと努めてきた。その成果はこれまでの戦いぶりにも現れている。
それでもモラエスはブラジリアン柔術黒帯で、総合格闘技ではあらゆる局面で強さを見せつけており、ジョンソンとも3度にわたって世界タイトルマッチで対戦している。
現在の両者のランキングにおける位置付けを考えると、この試合の勝者は次の世界タイトルマッチに出場できる可能性が高い。
#4 ヘビー級MMA世界王座の次期挑戦者が決定?
メインイベントではONEヘビー級MMA世界タイトルマッチが行われるが、今大会の下位カードで対決するマーカス・アルメイダ(ブラジル)かアミル・アリアックバリ(イラン)が次なるタイトル挑戦者になる可能性もある。
ブラジリアン柔術のレジェンド・アルメイダは昨年、ケインに判定負けを喫し、MMAで初の黒星をつけられた。だが、この以前に4人の経験豊富な対戦相手を倒しており、この勢いを取り戻して再びトップを目指すチャンスとしたいところ。
アリアックバリはONE参戦時こそ厳しいスタートを切ったものの、すでに調子を取り戻し、現在4連勝中。今回の試合では、その持ち前のパワーとグラップリングの技術で、アルメイダのサブミッション技術にどう対抗するか。
一方、アルメイダは新たな技術を急速に習得しており、アリアックバリの勢いを止めるために全力でかかっていくことだろう。
#5 ケイド・ルオトロがMMA2戦目
ケイド・ルオトロ(米国)は、ONEライト級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンとしてこの競技で圧倒的な強さを誇っているが、別の競技でも頂点を目指している。
今年6月に初めてプロMMAマッチに出場し、ブレイク・クーパー(米国)に一本勝ち。その後、グラップリングの大規模大会「クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)」で優勝している。
そして今回、再びMMAマッチに出場するルオトロが対するはアフメド・ムジタバ(パキスタン)。
ムジタバのMMA戦績は10勝4敗、うち3試合はノックアウト、5試合はサブミッションで勝っており、長年の競技経験を有するバランスのとれたアスリートだ。
人気選手のルオトロとの対決が注目を集め、勝てば自身の評価も急上昇する可能性があると承知している。
さらに、両者ともエネルギッシュなスタイルの持ち主。このため、MMAの新鋭とベテランの激しい戦いが期待できるだろう。