【3/11大会】ONE: LIGHTS OUT を見るべき5つの理由
ONEチャンピオンシップは、団体史上最大のビッグなイベントが控える3月を、感動的なストーリー、壮大なドラマ、そしてハイライト級フィニッシュ満載の大会でスタートさせる。
3月11日(金)にシンガポール・インドア・スタジアムで開催される「ONE: LIGHTS OUT」では、世界タイトルマッチ2戦をメインに、ムエタイ、キックボクシング、総合格闘技の10試合が行われる。
2週間後に10周年記念大会「ONE X」を控えているが、その前に今週末の「ONE: LIGHTS OUT」を見るべき理由5つを紹介する。
#1 スタイル対決!フェザー級世界戦
メインイベントでは、ONEフェザー級世界王者のタン・リー(ベトナム / 米国)が、2位コンテンダーのゲイリー・トノン(米国)を迎えて初の防衛戦に臨む。
リーは合計12勝のうち11勝をKOで挙げており、この階級の有数のストライカーだ。さらに、元王者のマーティン・ニューイェン(ベトナム / オーストラリア)を相手に第3ラウンドTKO勝ちを収めるなど、4連勝中。
対するトノンは、ブラジリアン柔術の世界チャンピオンに何度も輝き、EBIグラップリングチャンピオンに5度なっている。これらの技術をMMAのキャリアで完璧に生かし、打撃の技術も組み合わせてこれまでに6勝。83%のフィニッシュ率を誇っている。
これらの対照的なスタイル対決も必見だが、両者ともONEのケージ「サークル」では未だ負けなし。しかし、今回の試合ではどちらかに黒星がつき、無敗のファイターがベルトを腰に巻くことになる。
#2 因縁の対決、バンタム級世界戦
ONEバンタム級世界チャンピオンのビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)と、1位コンテンダーのジョン・リネカー(ブラジル)が、熱いライバル関係についに決着をつける。
フェルナンデスは、11度世界タイトルマッチで勝利しているONE史上最も圧倒的な世界チャンピオン。同胞のリネカーに対しては手厳しく、タイトル挑戦の資格が十分にないと主張してきた。
一方のリネカーは、直近2戦を含め、ONEでの対戦相手3人全員をKOで倒し、「タイトル挑戦の準備ができた」とインスタグラムに投稿した。これがフェルナンデスの気に障り、2人の不和につながったとリネカーは考えている。
両者はメディアを通じてやりとりを繰り返し、昨年正式に試合が組まれたが2度延期された。今回の試合でついに言葉での戦いが終わり、「サークル」内で結末を迎える。
#3 再浮上かける元2階級王者
メインイベントでONEフェザー級世界タイトルマッチが行われるが、一方で元王者のニューイェンも連敗を止め、タイトル戦線復帰を狙いに行く。
ニューイェンは、史上初の2階級制覇を成し遂げた元ONE世界チャンピオンで、現在は3位コンテンダー。MMAのキャリアを通じて最高峰の経験を積んできたが、リーにベルトを剥ぎ取られた後、昨年9月には1位のキム・ジェウン(韓国)に敗れた。
キャリア初の大失速を経験したニューイェンは、今回の試合では持ち前の総合力を発揮し、悪い流れを断ち切ろうとモチベーションを上げている。
対するキリル・ゴロベッツ(ウクライナ)は、9連勝中。フィニッシュ率は62%で、7年のプロキャリアで黒星は1つのみ。
元ONEフェザー級世界チャンピオンのリーに勝てば、即座に注目を浴びる可能性もあるため、意気込んでいるに違いない。
#4 注目のヘビー級キック部門
ONEチャンピオンシップのヘビー級キックボクシング部門が活気づいている。
現ONEライトヘビー級キックボクシング世界チャンピオンのローマン・クリークリャ(ウクライナ)は2階級制覇への意欲を示し、ラーデ・オパチッチ(セルビア)はこの階級の最多KO勝利を記録して注目を浴びている。
両者はこのまま対決する可能性もあるが、一方で今回の大会に出場するイスマエル・ロント(スリナム / オランダ)とイラジ・アジズプール(イラン)が割り込むこともあるかもしれない。
アジズプールは、昨年10月、その多彩な武器と驚くべきヘッドキックでアンデウソン・シウバ(ブラジル)を倒し、ONEデビューを飾った。
対するロントは、アジズプールよりも長身。2019年のMix Fightヘビー級トーナメントを制し、世界で最もタフな巨人の1人としての地位を確立し勢いに乗っている。今回の試合でアジズプールに勝てれば、この階級で注目を浴びることになるだろう。
#5 3人の記録保持者が登場
「ONE: LIGHTS OUT」には、ONEでの記録を有するベテランやダイナミックなファイター3人が登場する。
メインカードに登場するエイドリアン・マティス(インドネシア)は、ONE公式アスリートランキング入りするチャンスがある。
マティスは現在、同階級の最多フィニッシュ記録(8)と最多ノックアウト記録(4)を保持している。今回の試合では、元ストロー級王者で現在は5位コンテンダーのアレックス・シウバ(ブラジル)と対戦する。
ただ、シウバはブラジリアン柔術黒帯。さらに、ONEストロー級で最多サブミッション勝利記録(6)を有している。この盤石な技術にマティスは対処できないのではないかという予想する識者もいる。
シウバが一本勝ちして記録を伸ばすか。しかし、マティスがサプライズを起こせば、ランキング入りに続いて世界タイトル挑戦者としての地位を確立する可能性もある。
また、リードカードにはエコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)が登場。インドネシアのレスリングチャンピオンで、直近ではリュウ・ペンシュアイ(中国)を10秒でノックアウトし、ONEのフライ級MMA部門で最速フィニッシュ記録を樹立している。
今回の対戦相手は、危険なベテランストライカーのチャン・ロタナ(カンボジア)。ロタナはこれまでにインドネシア選手と2度対戦し、両方とも勝利している。
元々ロタナに対戦を呼びかけていたサプトラは、今回の試合で、インドネシア勢の敵討ちと、ONE6連勝を狙う。