【11/26大会】ONE: NEXTGEN IIIを見るべき5つの理由
ONEチャンピオンシップは、最新のイベントシリーズを締め括る「ONE: NEXTGEN III」を11月26日(金)にお届けする。
総合格闘技、キックボクシング、ムエタイの6試合があり、ONEのケージ「サークル」ではノンストップアクションが繰り広げられるであろうこの大会を見るべき理由5つを紹介する。
#1 アディワンとブルックス、スタイル対決
リト・アディワン(フィリピン)は普段は穏やかな性格だが、メインイベントの総合格闘技ストロー級マッチで対戦するニューカマーのジャレッド・ブルックス(米国)に対して、一段と闘志をメラメラさせているに違いない。
両者はソーシャルメディアで辛辣な言葉を交わしていた。
アディワンは、この階級でも有数の爆発的なストライカーで2連勝中。対するブルックスは相手のパワーを認めながらも、自分のグラップリングはアドバンテージになると信じており、これを駆使してフィニッシュ勝利もありうると考えている。
アディワンは、生粋のレスラーであるブルックスのスキルセットを警戒する必要があると分かっている。気合を入れすぎると判断を誤る可能性があり、トップレベルになると少しのミスも許されない。
長らく延期されていたこの試合は、絶妙なバランスでスタイルが激突し、ストロー級の上位陣に影響を与えることになるだろう。両者の全力のぶつかり合いが期待できる。
#2 元キック王者がムエタイに回帰
コーメインイベントには、元ONEバンタム級キックボクシング世界チャンピオンのアラヴァディ・ラマザノフ(ロシア)が登場、原点の競技であるムエタイに復帰する。
対するは、ポンシリ・PK・センチャイムエタイジム(タイ)。呼吸をする間も惜しむ、ノンストップのストライカー同士の対戦だ。
ムエタイのテクニシャンのフィームーがその美技を披露するのを見るのはもちろん魅力的だが、この2人は突撃して、全力で打ち込むのを好む。そのため、大興奮の戦いになるだろう。
キックのタイトルを失ったラマザノフは、実力を証明したいと意気込んでいるし、ポンシリはラマザノフのバンタム級ムエタイランキング5位の座を奪おうと「できるだけダメージを与える」と語っている。
このようなモチベーション、スキル、スタイルの組み合わせにより、時間の限り火花の飛び散るようなぶつかり合いになるに違いない。
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#3 8年ぶりのリマッチ
8年前、ONEチャンピオンシップは発展途上だったが、2013年4月の「ONE: KINGS AND CHAMPIONS 」で対戦したアレックス・シウバ(ブラジル)とレネ・カタラン(フィリピン)もそうだった。
両者がベテランとして大きな進化を遂げた今、どのようなリマッチになるか興味深いことだろう。
ブラジリアン柔術のスペシャリストのシウバは、前回の対戦で一本勝ちをしており、その後ONEストロー級世界チャンピオンにまで上り詰めた。
以来、常にこの階級の強豪と戦ってきたが、38歳を迎えた今はベルトを奪還するためには連勝が必要だ。そのためには、カタランを破り、この階級4位の座を維持しなければならない。
一方のカタランはストライキングのエキスパートで、かつてONEストロー級世界タイトルに挑戦したこともある。対戦相手のシウバと同様、42歳のカタランも時間切れは刻々と近づいている。
リベンジと栄光への最後のチャンスへのステップをかけ、両者は気合を入れて戦いに臨むことだろう。
#4 ムエタイ戦士がキックマッチ
「ONE: NEXTGEN III」には、ONEスーパーシリーズキックボクシングでランキング入りを狙う2人のムエタイアスリートも登場する。
ルンピニーとラジャダムナンスタジアムのムエタイ世界チャンピオンのパンパヤック・ジットムアンノン(タイ)は、2度目のキックボクシングマッチ。新型コロナウイルスの陽性反応が出て出場を取りやめたロッタン・ジットムアンノン(タイ)に代わってフライ級でダニエル・プエルタス(スペイン)と対戦する。
パンパヤックの初のキックボクシングマッチは2019年の「ONE: IMMORTAL TRIUMPH」で、工藤政英に勝利している。もし今回2度目の勝利を挙げることができれば、この競技で活躍できると証明できる。しかし、対するプエルタスはISKAキックボクシング世界選手権を2度制している強豪だ。
また、元ONEバンタム級ムエタイ世界王座挑戦者のロドレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ)は、キックボクシング初参戦。対戦相手はフィリップ・ロボ(ブラジル)。ロドレックは、強力なパンチのムエマッドスタイルで、違ったルールで戦うのに適しているだろうが、ロボはONE2連勝を目指し全力でぶつかってくるだろう。
パンパヤックとロドレックは勝利すれば、新しい競技でのトップ入りへの大きな後押しとなり、ムエタイの技術はあらゆる打撃競技のエリート選手相手にも通用するという証明もできるだろう。
#5 ライト級MMAに新たなコンテンダー?
ルスラン・エミベック・ウフール(キルギス)とピーター・バウシュト(オランダ)は、ライト級総合格闘技の頂点に向けて、それぞれの道を歩み始めようとしている。
ウフールは12勝0敗の完璧な戦績を引っ提げてONEに参戦したが、「ONE: FISTS OF FURY I」で中原由貴に黒星をつけられた。
だがまだONEでは実力を見せきっていないと信じており、かつてのランカーのバウシュトを倒すことができれば、すぐにでも本調子を取り戻すだろう。
一方のバウシュトも輝かしい経歴を持っており、強豪と肩を並べる力があることを示している。
バウシュトは8連勝した後、後にONEライト級世界タイトル挑戦者になるティモフィ・ナシューヒン(ロシア)と昨年11月の「ONE: INSIDE THE MATRIX II」で対戦し、辛くも判定負けを喫した。
しかし、バウシュトは相応のレベルを示し、もう1度勝利すればまた目標に向かって軌道に乗ることができるだろう。
再びこの階級の脅威としての地位を取り戻そうとしている者同士、見逃せない戦いになるだろう。
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