【3/26大会】歴史的大会「ONE X」を見るべき5つの理由

American martial arts star Demetrious Johnson stands in the corner

何ヵ月もの間待ち望まれていたONEチャンピオンシップの壮大な10周年記念大会がすぐそこに迫っている。

3月26日(土)、シンガポール・インドアスタジアムで行われる「ONE X」は3部構成で、あらゆる格闘技マッチが行われる。

世界タイトルマッチや、トーナメントの決勝戦、特別ルールマッチなど、ファンは史上最大級の格闘技イベントを目撃することになるだろう。

この大会が必見であるのはもちろんのことだが、中でも特に注目すべき5つの理由をこの記事で紹介する。

5つの世界タイトルマッチ

歴史を刻むという点については、世界タイトルマッチに匹敵する試合はないだろう。これは今週土曜日には多くの歴史が作られるということを意味する。

この日、総合格闘技、ムエタイ、キックボクシングの合計5つの世界タイトルをかけた戦いが一気に行われる。

「ONE X」の目玉イベントの「ONE X:グランド・フィナーレ」では、ONE女子アトム級世界王者アンジェラ・リー(シンガポール)が待望の復帰戦で、スタンプ・フェアテックス(タイ)を迎えて防衛戦を行う。

リーは妊娠と出産のために2年以上欠場しており、自身をONE最大のスーパースターの1人にまでのし上がらせた力を取り戻したいと考えている。

だが、元ONEアトム級キックボクシングとムエタイ世界女王で、ONE初の3競技チャンピオンを目指すスタンプを相手にするのは簡単ではないだろう。この対決は、リーの豊富なMMAでの経験と、スタンプの向上し続ける技術のぶつかり合いになる。

また、ONEフライ級世界王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)は、5連勝中の若松佑弥と対戦。さらに、スーパーボン(タイ)は、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)をKOした衝撃的な試合に続いて、かつて黒星をつけられたマラット・グレゴリアン(アルメニア)を相手にONEフェザー級キックボクシング世界王座防衛に臨む。

また、「ONE X:第2部」のメインは伝説のストライカーのノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)とフィリップ・ロボ(ブラジル)のONEバンタム級ムエタイ世界タイトルマッチ。コーメインイベントでは、ONEバンタム級キックボクシング世界タイトル防衛をかけてカピタン・ペッティンディー(タイ)が秋元皓貴を迎え撃つ。

これらのマッチアップで何が起こるかわからないが、ファンにとってワイルドな時間となることは間違いない。

ムエタイとMMAのスターの対決

歴史的なイベントには特別なスパイスが必要だ。今週土曜日に行われる特別ルールのスーパーファイトで、DJことデメトリアス・ジョンソン(米国)とONEフライ級ムエタイ世界王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)が激突する。

試合は4ラウンド制で、互いの主戦場のルールをラウンドごとに交互に変えながら行われる。このため、第1ラウンドは地上有数のパワフルでアグレッシブなストライカーのロッタンに有利となる。

DJが最初の3分間をどう過ごすか、前に出るか、ONEのケージ「サークル」を動き回るのかは未知数だ。しかし第2ラウンドに入れば、そこは12度MMAの世界チャンピオンになったDJの独壇場で、われわれが目撃したこともないような方法でロッタンのグラップリングのスキルを試すことだろう。

特別ルールのスーパーファイトは「ONE X」の発表当初から予定されていた試合であり、格闘技界は大注目しているに違いない。

数々のレジェンドが登場、引退試合も

格闘技界で長きにわたって活躍しているスターが、ついに「サークル」でライバル関係に決着をつける。

「ONE X:グランド・フィナーレ」では、日本のレジェンドの青木真也秋山成勲がライト級MMAマッチで熱戦を繰り広げる。

元ONEライト級世界王者の青木は昨年10月に東京で行われた『Road to ONE: 5th Sexyama Edition』でも秋山に対戦を呼びかけていた。一方、秋山はこれに対し、落ち着いた返答をしていた。

「サークル」内では青木は史上最高のグラップラーの1人であり、ライト級で最も危険なコンテンダーであり続けている。一方46歳の秋山は、柔道とMMAの両方で名誉ある功績を残しており、ポップカルチャーの分野でも活躍してきた。

さらに「ONE X:グランド・フィナーレ」ではオーストラリアのムエタイのパイオニアのジョン・ウェイン・パーが、元ONEライト級世界チャンピオンのエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)と対決する。

パーにとって、今回がムエタイ最後の試合となり、100勝目を挙げて輝かしいキャリアに幕を閉じようと意気込んでいる。

対するフォラヤンは、MMAで培った打撃をムエタイのプロデビュー戦で発揮し、パーの引退試合を台無しにしようと狙う。

パーは、試合を前に「とても悲しくなるだろう。下唇が震えるかもしれない。感情的なものになるだろう」とコメントしている。一方、ウーシューのスペシャリストであるフォラヤンがムエタイのレジェンドを倒すことができれば、ONEスーパーシリーズでのキャリアをさらに追求していくことも考えられる。

サブミッション・グラップリング2戦

あらゆる格闘技の魅力をお届けする今大会では、4人のグラウンドの魔術師が登場。「ONE X:第1部」で、サブミッション・グラップリングマッチが行われる。

ブラジリアン柔術界のスター、26歳のダニエル・ケリー(米国)はグラップリングとMMAの両競技で出場するためにONEと契約していた。今回のONEチャンピオンシップデビュー戦では、自身の得意とするルールでの対戦となる。

対するは、ONE女子アトム級世界タイトルに2度挑戦し、現役女王のアンジェラ・リー(シンガポール)を限界まで追い詰めた39歳の山口芽生。山口は、ブラジリアン柔術黒帯で、MMAではサブミッションで9度勝利を挙げている。

この試合の後、ONEミドル級とライトヘビー級の世界チャンピオンのライニアー・デ・リダー(オランダ)が、ブラジリアン柔術のレジェンドのアンドレ・ガウヴァオン(ブラジル)と対決する。

デ・リダーは、総合格闘技では無敗で、先月世界タイトル防衛を決めた後、ガウヴァオンに対戦を呼びかけていた。総合格闘技で10度一本勝ちしているが、7度ブラジリアン柔術の世界チャンピオンとなったガウヴァオンとどれだけ渡り合えるかは未知数だ。

ONEフェザー級キックGP決勝戦

「ONE X:第1部」のメインを飾るのは、ONEフェザー級キックボクシング世界グランプリの決勝戦。シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)とチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)が激突する。

シッティチャイはムエタイとキックボクシングで8度世界王者になっており、アラゾフはK-1キックボクシングのタイトルを2度獲得している。両者ともこのトーナメントの優勝者に与えられる銀色に輝くベルトをトロフィーコレクションに加えたいと意気込んでいることだろう。

また、このトーナメントの優勝者は、同日に行われるスーパーボン対グレゴリアンの世界タイトルマッチの勝者に将来的に挑戦することになる。

ONEのフェザー級キックボクシングは、格闘技界で最も層が厚いとされており、この戦いを通じて1人のアスリートが大差をつけて道を切り開くことになるだろう。

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