【7/31大会】ONE: NO SURRENDERを見逃せない5つの理由
7月31日(金)、5ヶ月ぶりにONEチャンピオンシップの大会が帰ってくる。
タイ・バンコクで開かれる無観客大会「ONE: NO SURRENDER」を皮切りに、ONE本戦10大会が数ヶ月にわたって予定されている。
2020年のスケジュールの中では、「ONE: NO SURRENDER」が最もエキサイティングな大会となるかもしれない。ONEスーパーシリーズのムエタイタイトルマッチ2試合と、トップのフェザー級キックボクシングのアスリートのラバーマッチが組まれているからだ。
興奮の夜を前に「ONE: NO SURRENDER」を絶対見るべき理由5つを紹介する。
#1 ライバル同士でフライ級世界タイトル戦
フライ級ムエタイのトップ選手の2人が、メインイベントで絶対王者の座をかけて争う。
現ONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのロッタン・ジットムアンノン(タイ)が、ラバーマッチとなる対戦相手、 ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)の挑戦を受ける。
両者はバンコクのスタジアムで熱いライバル関係にあった。2017年5月の初対戦では、ペッダムがロッタンをユナニマス判定で下した。だがロッタンは2018年2月の再戦で、ユナニマス判定で借りを返した。
2人ともONEに参戦して以来、それぞれ別の道で偉大な成功を収めてきた。
ペッダムは、競技を変更し2019年5月、初代ONEフライ級キックボクシング世界チャンピオンになったが、次戦でタイトルを失った。だが、ムエタイに戻ってMOMOTAROを相手に勝ち星を挙げ、ONE公式アスリートランキングでフライ級ムエタイ5位に食い込んだ。
一方、ロッタンは2019年8月、ジョナサン・ハガティー(イギリス)を下してONEフライ級ムエタイ世界タイトルを獲得、以来2度の防衛を果たしている。
「ONE: NO SURRENDER」では、この2人のムエタイ戦士のライバル関係に終止符が打たれる。そして当然ながら勝者はタイトルを獲得するのだ。
#2 若き王者にレジェンドが挑戦
ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)は偉大な成功を収めてきたムエタイ選手の1人ではあるが、1つだけ成し遂げていないことがある。ONEの世界タイトル獲得だ。
「ONE: NO SURRENDER」では、この競技で最も栄誉ある称号のために、ONEフェザー級ムエタイ王者のペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)に挑戦する。
オープンフィンガーグローブを付けたヨドサンクライは、ONEスーパーシリーズの脅威とされてきた。2018年5月にはクリス・ナギンビ(コンゴ民主共和国)を下し、続く12月にはルイス・リージス(オーストラリア)をノックアウト。そして2019年5月にはアンディ・サワー(オランダ)をノックアウトし、長年のライバル関係を終わらせた。
“ボクシング・コンピューター”のリングネームを持つヨドサンクライは、左キックとパンチの威力で伝説的存在になったが、今回の相手、ペットモラコットも長いリーチとヒジ攻撃を有し、恐れられているアスリートだ。
ペットモラコットは、これらの武器を使い成功を収めてきた。2017年12月にヒジのクロスでリアム・ハリソン(英国)をノックアウトし、さらに2019年11月には、ボディへのヒザでチャーリー・ピータース(英国)をノックアウトした。そして2020年2月、ポンシリ・PK センチャイムエタイジム(タイ)を倒し、初代ONEフェザー級ムエタイ世界王座を獲得したのだった。
「ONE: NO SURRENDER」は、ムエタイのレジェンドを相手に、ペットモラコットは初めてのタイトル防衛戦に臨むことになる。もしペットモラコットが勝利すれば、新たなレジェンドが誕生することだろう。
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#3 世界最高のキックボクサーが激突
スーパーボン(タイ)とシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)、世界トップのキックボクサー2人のONEデビューも見逃せない。両者は1勝1敗同士で「ONE: NO SURRENDER」で、3戦目を迎える。
両者の対戦は、両者が初めて対戦したのは2016年1月。シッティチャイが、当時キックボクシングでは経験が浅かったスーパーボンを第2ラウンドで右フックでノックアウトした。
だが、スーパーボンはその後経験を重ね、8ヶ月後シッティチャイと再戦。今度はスーパーボンが判定勝ちを挙げたのだった。
それから4年が経ち、その間両者とも技術を磨き上げ、ほぼ負け知らずの戦績を築き上げてきた。
スーパーボンは現在ONE公式ランキングで、フェザー級キックボクシングで2位、フェザー級ムエタイで1位につけており、この試合の勝者はキックボクシング界のスターであるジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)と対戦する機会、そして、ONEフェザー級ムエタイマッチの勝者への挑戦権を得る可能性もある。
スーパーボンもシッティチャイもONEデビュー戦を迎えるもの同士。格闘技の本拠地であるONEでいい滑り出しをしたいと考えており、世界タイトル挑戦権を視野に入れた真っ向勝負を見せてくれることだろう。
#4 スタンプ、3種目挑戦続行
3種目に挑戦中のスタンプ・フェアテックス(タイ)は、「ONE: NO SURRENDER」でもその歩みを続ける。
スタンプは現在ONEアトム級ムエタイ世界タイトルを有しており、元ONEアトム級キックボクシングの世界王者。
現在、スタンプは総合格闘技で無敗をキープしており、ONEアトム級世界チャンピオンのアンジェラ・リー(シンガポール)への挑戦を視野に、着実にステップを重ねている。
今回の対戦相手は、ONEデビュー戦を迎えるこれまで無敗のスニーサ・スリセン(タイ)。スリセンは当然、スタンプというビッグネームを倒し、ONE初戦を華々しく飾りたいと考えている。
スリセンは19歳。タイのプロモーション「フルメタル道場」でプロ3勝を挙げている。そのうち1勝は、ONEのベテラン選手オードリーローラ・ボニフェイス(マレーシア)を相手の第2ラウンドでTKO勝ちも含まれており、ONEの世界級のアスリートたちと互角に戦える能力を証明してきた。
スリセンは、スタンプのレスリング能力を試したいと話している。スリセンがうまく攻撃の糸口を見出すか、スタンプが3種目制覇への道を順調に歩み続けられるか、注目の1戦だ。
#5 久々のONEチャンピオンシップ本戦
世界的な新型コロナウイルスの大流行で、ONEは2020年に予定されていた一部の大会を延期せざるをえなかった。だが、世界最大の格闘技団体ONEは、失われた時間を埋め合わせる以上のビッグなイベントを用意している。
「ONE: NO SURRENDER」は今後7月31日から10月30日にかけて予定されている10の本大会の始まりを飾るイベントであり、世界タイトル戦、スター級選手同士の対決など、盛り沢山の内容だ。
華々しく大会スケジュールを再開する7月31日(金)の夜は大盛り上がりになるだろうが、これはあくまで氷山の一角。今後も続々と大興奮のマッチアップが待ち受けていることは間違いない。
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