【11/9大会】「ウェイトトレーニングはほぼしていない」王者マリキンが語るファイトキャンプの内実
11月9日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる「ONE 169」のメインイベントで、3階級王者のアナトリー・マリキン(ロシア)は、挑戦者オマール・ケイン(セネガル)を迎え、ONEヘビー級MMA世界タイトルの防衛に臨む。
マリキンはプロで無敗、3階級にわたる世界タイトルマッチで4度勝ち星を挙げており、注目を集める試合には慣れている。
今回のケイン戦に向けては、厳しく綿密なトレーニングキャンプを計画。ゲームプランはタイの有名ジム「タイガームエタイ・キャンプ」のヘッドコーチ、ジョン・ハッチンソンが担当し、チーム一丸で勝利を目指す、とONEチャンピオンシップに話している。
「いつも通り、コーチと一緒に対戦相手のスタイルをひとつずつ分析している。相手の弱点は突き止めた。まるでザルだ。どこを打っても、隙を見つけられる」
「コーチは今回の作戦のリーダーだ。トレーニングキャンプの計画と戦略を担当して、自分の指導やテクニックの調整をしてくれ、あらゆる面で助けてくれている」
マリキンは今回の試合に最高のコンディションで出場できるよう、綿密に準備に取り組んでいる。
タイ・プーケットの「タイガームエタイ」でトレーニングを始める前に、ロシア連邦内のアルタイ共和国で厳しい練習に耐えるための体づくりをした。
この数週間、多少リラックスする時間を取ったものの、今回の防衛戦で無事勝利できた際の計画もすでに立てているという。
「トレーニングキャンプはアルタイで始めた。そこで、持久力とボクシングを鍛えた。コーチも一緒に、スタミナ強化とコンディショニングに重点的に取り組んだ」
「その後飛行機で移動して、プーケットに2ヶ月滞在している。(タイ北部の)チェンマイにも行ったが、そこまでの移動は車だった。本物の旅行は試合に勝ってからだ」
テクニック強化とコンディショニングに集中しつつも、ケイン対策も十分だという。
ケインは強力なグラウンドパンチを持っており、元セネガルのレスリングのチャンピオン。これまでマリキンが対戦したなかでも、強力なグラップラーと言えるだろう。
このため、マリキンはレスリングの練習も重視しているという。
「このキャンプでは、特にレスラーの練習パートナーとスパーリングをたくさんして、グラップリングの攻防に備えている。レスリングとボクシングを重視している。レスリングで十分な強化トレーニングができるから、ウェイトトレーニングはほとんどしていない」
厳しいトレーニング… 回復の秘訣は?
「ONE 169」で行われる挑戦者オマール・ケインとの世界タイトルマッチに向け、アナトリー・マリキンは身体を限界まで追い込んでいる。
このため、トレーニングキャンプで重要なのはリカバリーだ。なかでも、厳しいトレーニングの後で、特に役に立っている回復方法があるという。
「体を冷やす療法が自分の体には効果的だということがわかった。クライオセラピー(冷却療法)やアイスバスなどに多くの時間を費やしているが、これは今回のトレーニングキャンプでの大きな発見だった」
また、マリキンはキャンプ前にはインターミッテント・ファスティング(断続的断食)も取り入れたという。
そして、こうした一連の身体能力を最大限に引き出す努力が今週末の大会で報われると確信している。
「キャンプ中はしなかったが、準備段階では断食も取り入れた。体を冷やすことと断食、これが自分の勝利の方程式だ。この2つの要素が今回の大会でアドバンテージをもたらしてくれると感じている」