フィリピン火山噴火、ONE地元アスリートのメッセージ
元ONEストロー級世界チャンピオンのレネ・カタランは、1月12日はいつも通りの日曜日になると思っていた。
フィリピンのマニラ首都圏・マカティ市で経営するジム「カタラン・ファイティング・システム(Catalan Fighting System )」では、1月30日(金)の「ONE: FIRE & FURY」に出場するジョマリー・トーレスとコーチたちがいつものように試合への準備をしていた。
そこで、予測だにしなかった悲劇が襲った。
「フィリピンのウォール街」と呼ばれる都市・マカティのよく晴れた空が、突如として黒い灰、小さな石、煙で埋め尽くされた。
約60キロ南に位置するタール火山が噴火したのだ。首都・マニラやマカティがあり、人口がもっとも多いルソン島にすぐさまその影響は及んだ。
「ジムでトレーニングしていたら、そのことを聞いた」と、カタランは語る。
「ジムでも降灰を片付けなければならなかった。たくさんの生徒たちにの影響が出た」
※エドゥアルド・フォラヤンのインスタグラム投稿「タール火山が午後、噴火した。警戒レベルは4。特に影響下にある地域の人たちは気をつけて」
この影響で10万人以上の住民が危険区域から避難した。マニラ首都圏の一部などにも影響が出た。
火山から350キロ先の山中に位置するバギオ市では、名門ジム「チーム・ラカイ」のヘッドコーチのマーク・サンジャオとONEフライ級元世界王者、ジェヘ・ユスターキオがニュースに衝撃を受けた。
「最初に聞いた時、バギオの道路にいた」と、ユスターキオはショックを振り返る。
バギオは、ルソン島北部にあるため2人は、噴火の直接の影響を受けていない。だが、この出来事は過去の災害を思い起こさせた。
1991年6月15日、バギオから南に100キロに位置するピナトゥボ山が噴火した。20世紀で2番目の規模の噴火といわれる巨大噴火は、フィリピンのみならず、東南アジアにまで影響した。
サンジャオはその時何が起こったかを理解していた。
「当時11歳で、噴火が起こった時は学校にいた。とても怖かった。あちこちで影響を感じられた」
※ブランドン・ベラのインスタグラム投稿「これが今、ここフィリピンで起こったことだ」
サンジャオは、その後噴火の影響を何年もの間目にしてきた。そのため、今回の災害でも同じようなことが起きるのではと思っている。
「タールの人たちは安全でいてほしい。このことを乗り越えられると信じている。いつも彼らのために祈っているし、いつか乗り越えて、失ったものを取り返すことができると信じている」
「人生には困難はつきもので、格闘技のようなものだ。時には負けることもあるが、いつだって立ち上がって、気を取り戻さないといけない。自分たちは、あなたたたちのためにいつもここにいる」
21日現在、まだ警戒体制は続いている。ユスターキオも激励するメッセージを同胞に送った。
「このような状況は初めてじゃない。いつも自分たちは試され、そして乗り越えてきた。フィリピン人は強いウォリアースピリットを持っている」
「心配しないで。この試練にはチームとして、国として、家族として立ち向かう。支援はそのうち来る。そして我々は様々な方法で支える。愛しい兄弟姉妹のために祈りを捧げる。決して諦めないで」
マニラ|1月31日 (金) |ONE:FIRE&FURY|公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter|日本公式Instagram