思い出の一戦:アレクシ・トイヴォネン、盤石のONE初戦

Aleksi Toivonen DC 5071

アレクシ・トイヴォネン(フィンランド)は、2019年7月12日の「ONE:MASTERS OF DESTINY」でONEチャンピオンシップデビューを果たした。

シンガポールのメガジム「Evolve MMA」を拠点にトレーニングするトイヴォネンは、ONEデビュー戦の雰囲気に圧倒されることはなかった。初めて訪れたマレーシア・クアラルンプールでの大会で、藤沢彰博を相手に完璧なパフォーマンスを披露し、第1ラウンドで勝利を収めたのだ。

 アレクシ・トイヴォネン

トイヴォネンは経験により不安を乗り越え、ONEで最高のスタートを切るためにやるべきことに集中した。

「(以前は)試合のために海外に出かけていた。フィンランドでは試合のためにさまざまな町に行っていた」と28歳のトイヴォネンは振り返る。

「それに、友達のコーナーについて大きな団体の試合や、試合がどういう風に進むかを見てきたから、精神的にとてもよく準備できていた」

「非常にたくさん(更衣室を)を見てきたが、自分にとってはあまり関係ない。自分がすべきことは分かっている。ウォームアップに関しては、ある決まったルーティンがある。自分の体の働きと体の反応が分かっているから、全ては事前に計画してきた通り」

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満員のスタジアムでカーテンの後ろから一歩踏み出す時、新人選手の多くは現実を目の当たりにして大きな衝撃を受ける。体の芯まで響くような音楽と、まばゆいばかりのライトが照らす中、ONEのケージ「サークル」やリングに向かって歩いていくのだ。

だが、それもトイヴォネンは気にならなかった。その時既に、自分が世界的な舞台で活躍できると信じていた。

「入場する直前に、最高のパフォーマンスを発揮できるという心構えになれた。プロセスを何度かイメージし、それで準備ができた。緊張はせず、リラックスした気分だった」

「国旗を持ってステージに上がり、観衆やリング、その他の全てのものを見回して、ここが自分の場所だと感じた。いつもいるべきだった場所のように感じた」

「それから『じゃあ仕事に取り掛かろうか』という感じだった」



トイヴォネンは確かにその夜の仕事に取り掛かった。ロープをくぐった後、仕事を終えるまで集中が途切れることはなかった。

「自分と対戦相手、それにレフェリーだ。自分にとっては、彼らが自分と一緒にケージに閉じ込められているように見える。逆ではなくてね」

「試合は全体的にはかなりうまくいったが、最初は少し慣れる時間が必要だった。この戦いのために全くスパーリングをしてこなかったから、距離感を掴む必要があった」

「それから、相手が前側の足にかなり強く踏み込んでいるのに気づき、ローキックのいいタイミングを計ることができた。一度蹴って、左足にダメージを与えられたのがわかったから、ジャブのフェイクを入れてからまた蹴ったら屈みこんだ」

「足にいいショットを打ってきた。それを防いでから背中を取り、リアネイキッドチョークで試合を終わらせた」

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試合は第1ラウンド3分27秒で決着がつき、トイヴォネンはフライ級に新たな脅威をもたらす選手としての地位を確立した。

それでもトイヴォネンは、大勝利に舞い上がることはなかった。代わりに、次の試合に向けて改善に取り組むことを考え始めていた。

「もちろんうれしかったし、最初のラウンドでフィニッシュできたのは満足のいくものだったが、パフォーマンスは100%満足しているわけではない」

「デビュー戦で勝てて良かったと思うが、トレーニングしてきたこと全てを出し切ることはできなかったから、全体的には少しがっかりした」

「このことはフィニッシュした直後にいつも心に浮かぶことなんだ。リングの中でも頭に浮かぶ」

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Posted by ONE Championship on Friday, July 12, 2019

トイヴォネンはその後、トレーニング中のケガにより、試合から遠ざかった。だが才能あふれるトイヴォネンは早く試合に戻り、さらに素晴らしいパフォーマンスを続けたいと思っている。

「いつも考えている。『試合をフィニッシュで終える』って」

「それから『よかった。じゃあどこが良くてどこが悪かったか反省して、次に進もう!』」

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