【2/28大会】アミール・カーン、父のポジティブ思考成功後押し
アミール・カーン(シンガポール)は父親を通じて培った前向きな思考により、格闘技のヒーローへとして成功を掴むことができた。
2月28日(金)にシンガポールで開かれる「ONE:KING OF THE JUNGLE」で、カーンはグラップラーとして知られる江藤公洋と対戦する。カーンの背にはいつでも、父親からの惜しみないサポートが付いている。
子どもの頃、カーンは毎日、明るい希望を持って生きることの大切さを父親に説かれた。
「父はいつもポジティブな人だった。嫌なことがあった日はいつも、一日を良い形で終わらせるようにと父に言われていたことを思い出す」
「悪いことは起こるもの。そこから学んで成長すればいいだけ。父は毎日そのことを教えてくれた」
父親は前向きな思考をよく褒めた。
実際、父親はカーン兄弟にとって、やる気を高めてくれる存在だった。
「父は厳しいが公平な人だ。良いことをすれば褒めてくれる。ベストを尽くせなかった時は、非難はしないが、こうすれば良かったという点を教えてくれる」
「父の励ましは本当に自信になる。前向きな思考はあらゆることに応用できるんだ」
父親の安定した存在感は、カーンが10代の頃に特に大きな役割を果たした。
カーンはトゥレット症候群と診断されていた。突然けいれんしたように体が動いたり、声を出してしまったりする神経性心疾患だ。カーンはクラスメートによくからかわれるようになった。
「みんなにいつもからかわれたもんだ。泣きながら学校から帰ってきて父に『何がいけないの?』と尋ねたのを覚えている。でも父は一度だって、自分が人とは違うと思わせるようなことはなかった」
「人生ではもがき苦しむのは普通のことなんだと、父に言われた。誰にだって立ち向かわなければいけない問題があって、自分に与えられた状況をどう生かすかは、自分次第なんだと」
父親の前向きな思考に影響を受けて視点を変え、カーンは目の前の困難を、自分に与えられた試練として受け入れ始めた。
「言い訳は絶対に聞きたくなかったと思う。自分の状況を、必ず克服すべきものとみなすようになった。この過程により、負けてたまるかという気持ちが大きくなったし、辛い時でも前に進むことができた」
ムエタイへのトレーニングがトゥレット障害への対処に役立つことがわかり、カーンのムエタイへの関心は大きな意味を持つようになった。
カーンの変化を見て、父親はカーンを米国・ルイジアナ州の高校に送り出した。米国に住んでいる間に、カーンは総合格闘技をトレーニングしただけでなく、2014年2月の地元の大会でプロデビューまで果たしたのだ。
それでも慣れ親しんだ故郷のアジアから北米に移り住むことは、10代のカーンにとって、人生を変えるような大きな決断だった。だがそれにより、カーンは強い人間になることができた。
「大変だったが自分にとっては大きく成長できた時期でもあった。外国で自立して生きていかなければならなかったから」
「大変な状況にどう対処するのか、そして困難な時期にどう前向きでいるか、そういったことを父から学んだ。この思考は自分の成長において、最も助けになったことだ」
いつもポジティブでいることの大切さは、今もカーンに影響を与えている。だが今は、その大切さに新しい意味が加わった。
カーンは人生のロールモデルである父親から学んだことを生かし、生後11か月の息子レオネルにとって良い父親になるという、新たな課題に挑戦している。
「父が暴力を振るったり言葉で傷つけたりするようなことは、一切なかった。父は良い形でコミュニケーションを取る方法を知っていた。これは息子との関係にも生かしていきたいと思う」
「父はいつもみんなを元気づけていたから、我が家には否定的な雰囲気というものがなかった。父自身がうまくいかない時でさえね」
カーンは試合に出るたびにモチベーションをどんど高めてきた。シンガポール大会の江藤との対戦は、父親の信頼に応える機会でもあり、自身の息子に模範を示す機会でもある。
「何か1つの事を続け、やり遂げること。それが父が自分に対し、最も望んでいることだ。父のおかげで前向きになれるし、自分を誇りに思ってもらえるように頑張りたい」
シンガポール|2月28日 (金) |ONE:KING OF THE JUNGLE|公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter|日本公式Instagram