【2/28大会】三浦彩佳が両親の応援を得るまで
三浦彩佳が格闘技のキャリアを歩み始めた時、家族や親戚からは反対を受けた。だが情熱と強い意志により成功を掴み、三浦は彼らからの応援や励ましを手にしたのだった。
2月28日(金)にシンガポールで開かれる「ONE:KING OF THE JUNGLE」で、三浦はティファニー・テオ(シンガポール)と対戦する。家族は今でも、格闘技にもろ手を挙げて賛成というわけではないかもしれない。だがいつも三浦の勝利を願い支えになりたいと思っていることを、彼女に伝えたいと思っているだろう。
父親はあらゆる格闘技のファンで、三浦はその影響を受けたにも関わらず、両親は当初、三浦が高校で柔道を始めた時は、懐疑的だった。
だが三浦は聞き入れなかった。
「危ないからやめなさいと言われた」
「やめなさいと言ってもやめないというはわかっていたと思う」
その後、三浦は接骨院で働き始め、治療のためにやってきた総合格闘家に出会う。
三浦は興味をそそられ、患者がやっているスポーツを理解しようと、自分のスキルの幅を広げる決心をした。グラップリングに加えて打撃もある総合格闘技をやろうとしていると知ったら、家族や親戚は一層心配したことだろう。だが誰も三浦を止めることはできなかった。
「笑ってごまかして、自分の格闘技を続けていた」
「一人暮らしをしていたから、何を言われても続けていた」
三浦の粘り強さは報われ、プロデビューを迎えた時に格闘技への真剣な思いが両親にも伝わった。
初めての試合は2014年5月、女性格闘家の育成に力を注いでいる地方の大会だった。
「頑張っているところを見てほしかった。ただ遊んでいるわけではないんだというところをみてほしかった」
「両親が2人ともプロデビュー戦を見に来てくれた。でも父は見られたが、母は会場には来てくれたが見られなかったと思う。下を向いていたみたい」
母親は日本での試合はいつも見に来てくれたが、試合中の三浦を直視することはできなかったようだ。格闘技の話をすることも好まないという。
それでも母親は三浦の選んだ道を認め、父親と一緒に彼らなりのやり方でサポートし続けている。
「おめでとうとはいつも行ってくれるが、家ではあまり格闘技の話はしない」
「家ではいつも通りの私に戻っているというか、格闘技がない状態の私に変わっている」
東京・練馬の格闘技ジム「TRIBE TOKYO M.M.A」で繰り広げられる、長南亮代表の下での厳しい練習についても同様だ。
「練習の事も話さない。話したら母は長南さんなどに怒ってしまうと思う。『うちの娘に』って」
「(長南さんは)厳しい人だから。練習中の長南さんの姿を見たら、母はびっくりすると思う」
練習を見たらショックを受けるかもしれないが、三浦の頑張りが勝利により報われ、ONE参戦へと導いたことを考えれば、両親は三浦を誇りに思っているだろう。
世界最大の格闘技団体ONEに参戦した2019年、三浦は3連勝を挙げる。そして今回のONEストロー級世界タイトル挑戦権を賭けた、テオとの戦いまでこぎつけた。両親は今も娘を心配しているかもしれないが、三浦の活躍を誰よりも喜んでいるだろう。
「実家に帰ると安心する。格闘技の反対はしていないと思うが、『お帰り』と言って迎えてくれる」
両親も言葉やちょっとした贈り物で三浦を支え、励ましている。
「時々、湿布などが送られてくる」
「ラインもするが、手紙も送ってくれる。『あと少し頑張って』とかね」
シンガポール|2月28日 (金) |ONE:KING OF THE JUNGLE|公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter|日本公式Instagram