ONE選手秘話:どん底から王者に、エディ・アルバレスの妻の支え
エディ・アルバレス(米国)は総合格闘技界の頂点に独力でたどり着いた。その過程にずっと付き添っていたのが、妻のジェイミーだ。
アルバレスとジェイミーは10代の頃に出会った。最初は高校のダンスパーティで出会ったが、その後地元のクラブでロマンスが始まった。
「2人とも実は入場するには若すぎたんだが」と、アルバレスは振り返る。
「偽造の身分証明書を持っていた。お互い最初に会った瞬間から、一緒になりたいと思っていたよ」
「それからほとんど毎日一緒にいた。自分が住んでいた地域は全然好きじゃなかった。車もなかったから、彼女が(ペンシルベニア州)フィラデルフィアで最も危険な地域を運転して、迎えに来てくれていた。正直、たまに彼女を心配して怖くなった」
アルバレスが20歳の時に、2人は第1子を授かった。経済的に苦労していたため、ウェディングベルを聞いたのは、その数年後のことだった。
「建設業をしながら、機会があれば試合に出ていた」
「フルタイムのファイターではなく、指輪を買うお金もなかったし、結婚式のための費用なんて工面できなかった」
だが、アルバレスは総合格闘技での夢を追いながら、ジェイミーのサポートを感じていた。
「多くのファイターはそれを必要としていると思う。競技に完全に理解があるパートナーがね」
「この競技から妻や大切な人を切り離す必要はない。むしろ巻き込んで、パートナーにしなければならない。どんなことを経験しているのか、そしてなぜそれを経験しているのかを解ってもらえる」
2008年1月、アルバレスはライト級で上昇し、知名度を上げていた。日本でも試合出場し始め、世界最高の総合格闘家としての評判を築き、ついに夢の結婚式を実現することができたのだ。
「その頃には第2子のアンソニーもいた。あの時は十分に安定していた」
「お金も稼いでいたし、フルタイムのファイターになっていた。ちゃんとした結婚式や指輪のための十分な資金ができた時、結婚した」
アルバレスがライト級最高の選手になるまでの過程では、ジェイミーは惜しみないサポートを与え続けた。
「自分に期待はしていたし、大きな夢があった。どんなことを自分が考えていても、妻はいつも寄り添っていてくれた」と、アルバレスは語る。
「何をやろうとしているか、何になりたいか、どんな家に住みたいか、どんな人生を送りたいか、自分が妻に語っている時、彼女は無視しなかった」
「誰も自分がこうなると思っていなかった頃に、彼女は自分のことを信じて、深く信頼してくれて、希望を持っていてくれた。自分が育った場所をや、そこで育った人々を見せて、自分が抱いていた期待や夢を語ったら笑い飛ばされたことだろう。だが、妻は無視することなんてなかった。いつも自分のことを信じてくれていて、一番の支援者でいてくれた」
成功を重ねるにつれ、ライト級の世界王者に4度立ったアルバレスは、ジェイミーにその道のりを共に歩んでもらい、トップに立ち続けるためには何が必要かを理解してもらうよう努めた。
「いつも彼女を試合に連れて行く。彼女と格闘技を隔てたくないから」
「この競技の危険な側面や、何をしようとしているのかを分かってほしい。そこを隠したくない。覆い隠さないようにしている。一生懸命やって、完全に格闘技に自分を捧げないと、どんな危険が待ち受けているか、早い段階から彼女は目にしていた」
4人の子供を育て、厳しい総合格闘技の世界に身を置きながら、アルバレスとジェイミーの愛は深まった。
現在、ジェイミーは屋台骨として家族を支え、アルバレスはもう1度世界チャンピオンの座を目指している。
アルバレスはそんな妻に感謝の意を表す。
「自分がどん底の時も、悲惨な時も一緒にいてくれた。一気に1週間や1ヶ月家を空ける時も理解してくれる。分かってくれるんだ」
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