【9/6大会】急上昇ムエタイ選手クラップダム、貧困を脱しONEの舞台へ

Kulabdam Sor Jor Piek Uthai will make his ONE Muay Thai debut against Bobo Sacko at ONE: IMMORTAL TRIUMPH

クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)がONEチャンピオンシップに待望のデビューを遂げる。

クラップダムはここ数年のタイで、最も乗っているムエタイ選手の一人。9月6日(金)にベトナム・ホーチミンで開かれる「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」で、ボボ・サッコ(フランス)と対戦するのを見れば、その理由が納得できるだろう。

彼がホーチミンのリングに上がる前に、20歳になったクラップダムがこれまで、どのようにして貧困を乗り越えてスーパースターになり、そしてメジャー戦への切符を勝ち取ったかを紹介する。

田舎の少年

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クラップダムはタイ北西部の村で生まれ育った。首都バンコクが経済発展を遂げ、高速道路や高架鉄道が建設されていくのをよそに、、クラップダム一家は食べるものにも困る生活を送っていた。

両親は稲作農家。灌漑設備がなく降雨に頼る農業で、収穫量は天候次第だった。7人家族を養える豊作な年もあったが、そう運が良くない年もあった。

「あの頃は家族にって大変な時期だった。ものすごく貧乏だったから」

他に雇用のあてもなく、両親は5人の子どもを養うために限界に追い込まれていた。だがそんな中でも小さい頃の楽しい思い出はいくつもある。

「弟と自転車で通学していたんだ。あと、時間があるときに魚釣りに行くのが大好きだった」

幸運な出会い

สู้เพื่ออนาคตสู้เพื่อรอยยิ้มและความสุขของทุกคนครับ

Posted by โค้ช บ้านนอก เทรนเนอร์ บ้านนอก on Friday, November 9, 2018

クラップダムは地元寺院のイベントで初めて、ムエタイに出会った。

「同じ村の少年が戦っているのを見たんだ。家に帰るとすぐ父に、自分もやらせてくれって頼んだんだ」

「すごく楽しそうって思った。とにかくやってみたかった。父は初め、ケガを心配して反対した。でも自分は頑固だったから、やがて許してくれた」

その地域の人口のほとんどは郊外の田園に住んでいて、貧しい人が多かった。その環境では、通える距離にあるまともなジムに出会うことはまれだった。

8歳だった彼が練習を始めたのは粗末なジムだった。だが試合に向けた準備をするには十分だった。

「父の友人が自宅で、子どものトレーニングを見ていたんだ。その人は成功した選手とかそういうのでは全くなくて、ただムエタイが大好きでやっていたんだ」

「きちんとした練習をするための設備はなかった。木に袋をぶらさげていただけ。埃にまみれて練習していたし、リングもなかった」

徐々に慣れていくという過程を経ないのがタイのやり方だ。たった一か月、場当たり的なトレーニングをこなした後、クラップダムは最初の試合に出ることになった。

「その試合を終えて、とにかくすごく楽しいって思った。試合に勝って150バーツ(約520円)もらったんだ」

浮き沈み

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クラップダムは13歳になる頃には、プロ選手としてのキャリアを考え始めるようになった。

試合でもらう賞金は増え、自分や家族を養えうようになった。だがしばらくすると、毎月4~5回も遠征に飛び回る生活に耐えられなくなり、彼は気力をなくしてしまった。

見かねた父親が知人のつてで、ボクシング五輪金メダリストの元でトレーニングできるよう計らってくれた。ムエタイ選手としても知られるソムラック・クムシンだ。クラップダムが15歳の時だった。

しかし、タイで最も偉大なスポーツヒーローの一人と練習できる機会ですら、バンコクで生活を続けていくには不十分だった。

「バンコクは混とんとしていて、自分にはスケジュールがきっちりしすぎていた、生活の変化が大きすぎて幸せではなかった」

「家に帰りたかった。でもルンピニースタジアムでの試合が予定されていたんだ。あそこで戦うのは自分の夢だったし、そのために一生懸命、練習して、ノックアウト勝ちした。そしてその試合の直後に帰郷した。ソムラックは戻って来いといったけど、バンコクには住めないって伝えたんだ」

彼の才能をわかっていたソムラックは代替案として、タイ中部ウタイターニー県のジム「ソー・チョー・ピャッウータイ」に入門させることにした。

成功とメジャー大会

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田舎の環境に戻り、クラップダムのキャリアに新たな命が吹き込まれた。農村での暮らしに満足しつつも、首都バンコクで成し遂げるべき野望を持ち続け、真剣に取り組んだ。

「目標を決めたんだ。チャンネル7スタジアムで戦うこと。これは自分の夢だったから」

内に秘めた情熱と、設備十分なジムのおかげで、クラップダムはどんどん上に上り詰めた。2016年には、チャンネル7スタジアムで数々のノックアウト勝ちを記録。決め技の左ストレートと共に、その名は全国に広まった。

クラップダムは2017年、タイで最も栄誉ある「スポーツライターズアウォード」を受賞。翌年には二度目のルンピニー王者に、そして国内王者にもなった。

近年のムエタイ界で、クラップダムほど乗っている選手は他にいない。ONEバンタム級を面白くするのに完璧な存在であり、彼もONE参戦を喜んでいる。

「やっとONEで試合する機会に恵まれてうれしい。ずっとこの時を待ち望んでいたから」

ホーチミン | 9月6日 (金) | 19時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)

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