【1/10大会】健太と対戦のセンマニー「地元タイでの試合、必ず勝つ!」
“ザ・ミリオンダラーベイビー”ことセンマニー・サティアンムエタイ(タイ)は、戦い始めた6歳のときから、家族の生活を一変させることを夢に見てきた。そして、タイでの大成功により、貧しさから家族を救った。
22歳のサティアンは、1月10日にバンコクのインパクト·アリーナで行われる「ONE:A NEW TOMORROW」で山田健太(健太)と対戦する。これまでにタイの主要スタジアムで180勝以上を収め、ほぼ全てのタイトルを獲得した実績により、地元のヒーローとして大声援を受けるだろう。
もし今回の一戦に勝てれば、キャリア最大の栄誉であるONEスーパーシリーズの世界王座挑戦に一歩近づける上に、愛する家族の将来も安泰だ。
コンケイ出身のセンマニーにとって、バンコク行きは必然だった。
ムエタイで身を建てたい者ならば、レジェンドたちが戦った会場で成り上がらなければいけないことを知っている。
14歳のとき、センマニーは世界でも有名なタイの首都にあるルンピニー・スタジアムで戦うチャンスをもらった。この会場でのファイトマネーは、最低金額ですらタイのイサーン地域で得ていた額の倍近くあった。
まだ幼いアスリートの両肩には相当なプレッシャーがのしかかっただろう。だが彼は、この難局を乗り越えた。
「すごく興奮もしたし、緊張もした。昔のルンピニー(現在のスタジアムは2014年に移転)はバンコクの中心にあったから、大勢の観客がいたんだ」と、センマニーは当時を振り返る。
「その試合には判定で勝った。当時は、まだバンコクとイサーンの両方で試合をしていた」
勝つたびにファイトマネーも上がり、想像していた以上の富を手に入れた。
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懸けられるものの価値が高まれば、より厳しい試練が待っている。しかし、“ザ・ミリオンダラーベイビー”は、それらと向き合った。
ルンピニーでのデビューから1年後、同スタジアムでミニフライ級(105ポンド、47.62kg)のムエタイ世界王座を獲得し、その年にはムエタイの中で最高峰の栄誉、スポーツ記者が選ぶ年間最優秀ファイターに選出された。
一見すると順風満帆に見えるセンマニーのキャリアだが、本人は、幼くして戦い始めた大変さを、こう述べた。
「もちろん何もかもが大変だった。練習も辛かったし、減量も、勉強もね。でも、自分がやることには責任が伴う」
「しっかり自制できていないといけない。一番大変だったのは、学校に通うことと、宿題をこなすことだった」
うまくバランスを取らなければならなったが、センマニーは学業を積みながら、ムエタイで成功を収めるための猛練習を両立させた。
毎月のように試合が組まれる多忙な日々を過ごしたため、同年代の少年が好むものとは無縁の生活だった。新年の祝い事もできなかったが、それでも目標達成に向けた強い気持ちがあったからこそ、ブレることもなかった。
「友達と出かけたいと思ったことはなかったから、自分にとっては大したことじゃなかった」
「だらしない生活もしたことがないし、ドラッグにハマることもなかった。いつだって、自分の仕事に真剣に向き合っていたからね」
この姿勢により、センマニーは高校卒業までにラジャダムナン·スタジアムのムエタイ世界王座、S-1世界王座を獲得するなど、周囲からの期待や要求にも潰されなかった。
さらに2つの世界王座を獲得した彼に、格闘技の本拠地ONEからお呼びがかかった。
フィリピンで開催された「ONE:MASTERS OF FATE」でのデビュー戦に勝利し、今回は数多くの成功を収めた地元で、日本の健太とバンタム級で対戦する。
今ではグローバルな舞台で戦っているとはいえ、ONEの頂上に近づく勝利を得るには、地元のサポートは力になる。
「世界的なプロモーションで試合ができて幸せだった。自分にとっても、新しい経験だった」と、センマニーは言う。
「地元のタイで試合ができるのはうれしい。たくさんのファンが試合を観に来てくれるしね。必ず勝つよ!」
バンコク | 1月10日 (金) | ONE: A NEW TOMORROW| 公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter|日本公式Instagram