【3/1大会】王者デ・リダーのジム「コンバット・ブラザーズ」をのぞいてみたら
ONEミドル級MMA世界チャンピオンのライニアー・デ・リダー(オランダ)には、ジム経営者としての顔も持っている。
デ・リダーは、3月1日(金)にカタールのルサイル・スポーツ・アリーナである「ONE 166: Qatar」で、現ONEライトヘビー級MMAとONEヘビー級MMA世界王者のアナトリー・マリキン(ロシア)を相手に防衛戦に臨む。
デ・リダーは、2022年12月にマリキンにプロMMAキャリア初の黒星を付けられ、ONEライトヘビー級MMA世界タイトルを奪われた。
だがこの敗北にもめげず、オランダ南部の主要都市ブレダのジム「コンバット・ブラザーズ」で、安定したトレーニングを続けている。同ジムはコーチとトレーニングパートナーであり、親友でもあるハルン・オズカンとともに7年前に立ち上げた。
デ・リダーは、成長を続ける自身のジムについてONEチャンピオンシップの取材にこう話している。
「オズカンとは一緒に長くやってきた。マットの上で一緒に血のにじむような努力をし、汗や涙を流してきた。自分の試合準備を助けてくれているし、一緒にやることにしたんだ」
当初はクロスフィットのジムとスペースをシェアしながらジムを運営していたが、現在は「コンバット・ブラザーズ」は独立した施設となり、子供から会社員、プロのファイターまであらゆる生徒でにぎわっている。
デ・リダーは自身のトレーニングにより時間を割く必要があるものの、格闘技への情熱を伝えられる点にジム経営のやりがいを感じているという。
「教えるのは大変だから、毎日はできないけれど、週に2、3回は教えている。格闘技で生計を立てている生徒ばかりではなく、弁護士だったり、普通の仕事をしていたり、普通の生活をしている普通の人たちが来てくれるのを見ると、とても充実した気持ちになる」
「そういう人でも、ジムに来ると全力でマットの上で戦うんだ。それはかなりクールなことだね。彼らがやり合っているのを見ると、エネルギーをもらえる」
ジムを経営しながら、世界トップクラスの総合格闘家としての地位を維持するのは容易なことではない。
だが、デ・リダーはこれが理想の生き方だという。「コンバット・ブラザーズ」は自身の格闘技愛が詰まった場所であり、毎日マットの上でトレーニングをして上達を目指すという夢のようなライフスタイルを可能にしてくれるのだ。
「正直、それほど難しいことはなかった。教えてくれるコーチたちは何年も前からの友達だ。問題があればオズカンといつも一緒に解決する。お金のためじゃない。大好きなことのためにやっているんだ」
「たとえあまりお金は稼げなくても、毎日マットで練習して毎日ジムで生徒を迎える。これが自分たちが大好きなことだから」
「トップクラスの選手が集まってくる」
ライニアー・デ・リダーは、趣味で格闘技を楽しむ人たちを見ることに喜びを感じているが、「コンバット・ブラザーズ」は一流のファイターたちが毎日通う世界トップクラスのトレーニング施設でもある。
欧州のトップクラスのMMAファイターの間でも人気を博しており、デ・リダーはこうしたファイターを自身のジムに迎え入れているのだ。
デ・リダーはこう説明している。
「優秀な選手たちがある程度のレベルに達すると、自分たちのところに集まってくる。ハイレベルなプロが経験を積んでからここのジムにやってくるんだ」
「でも、ここで一から初めて、今ではプロになったばかりで数試合こなしている選手もいる。彼らもかなり良い結果を残しているし、最高だよ」
最高のトレーニング・パートナーを集めるため、「コンバット・ブラザーズ」は「来るもの拒まず」の理念を掲げている。
こうして欧州の才能あふれるファイターがジムにやってくるため、デ・リダーは世界クラスのトレーニングを受けるために移動する必要がないのだ。
デ・リダーはこうコメントしている。
「プロと一緒に練習できるのは最高だ。誰でも大歓迎だ。どのジムに所属していようと関係ない。来てくれれば一緒に練習するさ」
「世界トップクラスの選手たちと自分のホームで練習するのは最高だ。移動しなくて良い。だって、優秀な選手が集まってきてくれるんだ。これは、素晴らしいことだよ」