【10/13大会】ケビン・ベリンゴン「全ての試合、亡き家族に捧げる」
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)は幾多の試練にもかかわらず、格闘技での成功を通じてフィリピンのヒーローになった。
10月13日(日)に東京・両国国技館で開かれる「ONE:CENTURY 世紀」第2部で、ベリンゴンはONEバンタム級世界王者のビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)に挑戦する。ベリンゴンは青年期に激動を経験し、その苦労により家族と深い絆を築いた。
家族のおかげでベリンゴンは、キャリアで成功を収めることができた。それは彼らから受けたサポートだけでなく、家族に誇りに思ってもらいたいという気持ちや、家族を支えたいという気持ちのおかげでもある。
ベリンゴンの家族で格闘技をやっている人は誰もいないが、みんな格闘技が大好きだ。
彼が試合に出るときは毎回、家族親戚が家に集まって観戦し応援する。
「彼らは格闘家なんだ。心の中ではね」
「ムエタイの本当のファンで、観戦するのが大好き」
悲しいことにベリンゴンは事故で、最大のファンだった祖父や、自宅で観戦パーティを開いてくれていた叔父たちを亡くした。
ベリンゴンは大きなショックを受けた。未だに当時の状況を詳しく語ることはできないという。
だが、どの試合に臨むときも、いつも彼らのことを胸に練習に取り組んでいる。
「彼らを失った痛みはまだこの胸に残っている」
「戦うときに彼らが自分に強さを与えてくれる。もうこの世にはいないが、いつもこの胸の中にいる。彼らについて言えることはそれだけだ」
ベリンゴンはまだこの事故のことを乗り越えられていないと認めている。だがこのことがキャリアを続けるのを阻むことはない。
彼はしょっちゅう、亡くなった親戚のことを思い出さずにはいられなくなる。だからその思い出を、ハードなトレーニングを乗り越えたり、試合の一番きつい瞬間を乗り越えたりする原動力に変えている。
「格闘技は自分の情熱。何が起こっても続ける」
「彼らは自分を鼓舞し続けてくれている。戦うときはいつも、彼らが故郷でみんなと一緒に応援してくれているように感じるんだ」
ベリンゴンの最大の功績を見れば、彼が異次元の勇気と意志を持っていることがわかるだろう。
ベリンゴンは昨年11月「ONE:HEART OF THE LION」で、ONE史上、最も圧倒的な強さを誇る世界王者であり、以前に1度ベリンゴンを破ったことがあるフェルナンデスと対戦。ほとんどの選手ならフィニッシュされていたであろうサブミッションに何度も耐えた末、スプリット判定でONEバンタム級世界王者のベルトを手にしていた。
心の痛みは消えないが、ベリンゴンは自分の成功が他の人を勇気づけることを願っている。彼が失った人たちを称えるためにしたように。
「それぞれに状況は違うかもしれないが、(親しい人を亡くすことは)いつだって辛い。受け入れる簡単な方法なんてない」
「もう何年もたつが、まだ受け入れられない。諦めてしまったら人生で何も達成できないだろう」
「目標に向かって自分を追い込み続けなければいけない。前に進むのに、彼らを忘れる必要なんてない。だって彼らはずっと、鼓舞し続けてくれるだろうから」
ベリンゴンは10月13日、フェルナンデスと歴史的な4度目の、ONEバンタム級世界タイトル戦を戦う。これまでよりもっと、自分を追い込まなければいけなくなるだろうと分かっている。
愛する人々に誇りに思ってもらえるように、ベリンゴンは全力を尽くす。だから敗北が確実に迫っていたとしても、やめることはないだろう。
「彼らとの思い出は絶対に忘れたくない。何があっても。彼らは自分の心にずっとい続ける」
「全ての試合を祖父と叔父たちに捧げたい」
東京・両国国技館 | 10月13日 (日) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)
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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。
複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。