【2/7大会】レアンドロ・アタイデス、亡き父のためONE王者に
レアンドロ・アタイデス(ブラジル)は16歳の時に、父親を失うという悲劇に見舞われた。だが父親から教えてもらったことを胸に、家族に尽くす父親になり、世界クラスのアスリートにもなった。
ブラジリアン柔術世界チャンピオンに5度輝いたアタイデスは、2月7日(金)にインドネシア・ジャカルタで開かれる「ONE:WARRIOR’S CODE」で、久々にONEチャンピオンシップの舞台に復帰。ライニアー・デ・リダー(オランダ)と対戦する。父親が懸命に働いて家族を養ってくれた姿を思い、全力を出し尽くすつもりだ。
33歳になったアタイデスはこれまで、試合に出るたびに父親の存在に励まされてきた。
「父はブラジルで、家を建てるエンジニアの仕事をしていた。本当に大変な仕事だった」
「父は自分や家族をとても大切にしてくれ、いつも自分のことを気を配ってくれた。父の存在が自分を励ましてくれるし、父のことを考えると頑張ろうという気になる。たくさんのことを父から学んだ。父はいつだって正しいことして、たくさんのことを見せてくれた。今も空から自分を見守っていてくれるんだ」
3児の父となったアタイデスは、58歳で亡くなった父親が、自分の人生を形作るのにどれほど影響を与えたかを知っている。
父親はアタイデスが小さい頃、大事にすべきことは何なのかを示してくれた。さらに、好きなことを追求して、充実した人生を送るべきだと教えてくれた。アタイデスは今、その哲学を自分の子どもたちにも伝えている。
「家族が一緒にいることの大切さ、愛すること、情熱をもつこと、どうやったらやりたいことをやれるのか、ということを教えようとしている。だってそれが自分が父から学んだことだから」
「それに、父がどれだけ家族のために愛情を注いでくれたかということをね。子どもたちに同じことを見せたいから、自分は頑張っている。彼らのために、家族のために戦っているんだ」
父親の真面目な仕事ぶりや、他人のために自分を顧みない姿を見てきたアタイデスは、自分の最愛の人たちのために大きな犠牲を払うことも受け入れた。
指導や試合出場で、アジアでより多くのお金を稼げると分かった時、アタイデスは悩んだ上に決断した。子どもたちをブラジルに残し、快適な生活が送れるようにしたのだ。
「家族から離れて暮らすのは本当に辛いことだ。でもそのおかげでもっと一生懸命やろうと思える。家族のために、そして全てがうまくいくようにね」
「でも最終的に子どもたちは、自分が彼らのために最善を尽くしたということをわかってくれるだろう。それにすぐ再会してお祝いするつもりだしね」
父親とアスリートという2つの生活のバランスを取るのは簡単なことではない。だが彼は、父親が建設現場で長時間働いていたように、全てを格闘技に捧げ、十分な報いを受けている。
娘と2人の息子が幸せな生活を送れるよう頑張っている姿を、父親も誇りに思ってくれるだろう。そして父親がしてくれように、子どもたちのために従うべき模範を示したいと思っている。
さらに父親は、アタイデスがONEで活躍して家族に名誉をもたらしたことに、感動しているだろう。だからこそ、アタイデスはONE世界王者のベルトが欲しいのだ。
「これは自分の道であり自分の仕事。だから世界チャンピオンになることだけを目指している」
「そして、自分が残したものは子どもたちや教え子とともにあり続けるだろう。だから父が本当に自分を誇りに思ってくれるとわかるんだ」
「人生は時にたやすく、時に厳しい。辛い時の方が多い。でも全ては人生の一部。自分がやってきたことを父が誇りに思ってくれるだろう」