【10/13大会】仙三相手にONEデビュー、リト・アディワン「OWS経験糧に」
リト・アディワン(フィリピン)は、若手登竜門大会ONEウォーリア−シリーズ(OWS)を3連勝で駆け抜け、ONEチャンピオンシップ本戦での契約を獲得したばかりの26歳のアスリートだ。
10月13日(日)に開催される「ONE: CENTURY 世紀」の朝の部、「ONE: CENTURY PART I」でアディワンは、フライ級キング・オブ・パンクラシストの池田仙三(仙三)を相手に、グローバルステージでのデビューを飾る。
本戦では新人とはいえ、名門チーム・ラカイ所属のアディワンの格闘技経験は乏しいわけではなく、今回の試合で世界のトップアスリートとわたりあっていけることを証明しようと意気込んでいる。
「小学校で例えれば、自分はおそらくもう5年生にはなっていると思う。そして、あともう少しで6年生になれる」とアディワンは語っている。
「これまで、懸命に腕を磨き、チャンスが来るのを待っていた。自分がコンプリート・ファイターだとは言わない。改善の余地はまだまだある。でも、才能と情熱ならたっぷりと持っている」
アディワンは、OWSでの経験は、技術を磨き、ザ・サークルでの初試合で実力を発揮するための絶好の機会になったとしている。
OWS参戦前のアディワンは、ONE参戦を実現させるべく、フィリピンやマレーシア、タイなどで白星を重ねてきた。
しかし6勝2敗という戦績を収めたにもかかわらず、アディワンの存在がマッチメーカーの目にとまることはなかった。2018年12月にマニラでOWSのトライアウトに参加した際にも、リッチ・フランクリン率いるOWSのチームは、いったんはアディワン参戦の見送りを決めたのだった。
「落選した選手はたくさんいた。別のチームが選ばれたんだ。大きな挫折だったよ」とアディワンは言う。
「でも、メンタルの面ではいい経験になった。このスポーツは、必ずしも身体の強さだけを競っているわけではないこと、本当に成功してチャンピオンになるためには、何があっても諦めないタフなメンタルが必要であることを学ぶことができた」
「そういう面を鍛えなければならないと思ってトレーニングを続けていたら、OWSのチームがチーム・ラカイにやってきて、参加を認めてくれたんだ」
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アディワンはOWSでの最初の2戦で、豪快としか言いようがないノックアウト勝利を飾る。
ところが8月に行われたアンソニー・ドゥー戦では、白星を得たもののフィニッシュできなかったことで、当初アディワンは気を落としていた。しかし、試合をしっかりと振り返ってみれば、この一戦はアディワンにとって最も完璧なパフォーマンスであり、ポジティブな要素がたくさん詰まっていたのだ。
「あの3試合、特に最後の試合からは学ぶことが多かった。自分のゲームの穴も見えたし、やってしまいがちなミスもわかったんだ」とアディワンは言う。
「最後の試合は、終わった時点では自分に腹が立った。もっともっとできたはずなのに、疲れてしまって身体が動かなかったからだ」
「ただ、あの試合の良かったところは、第1ラウンドの早い段階でのフィニッシュとならなかったことで、いろいろなことをやれた、ということだ。たくさんのことを学べたし、自分の能力を示すこともできたし、フルラウンド戦い抜くことができるところを見せることもできた」
アディワンは、ONEチャンピオンシップの看板大会に拙速に出場するのではなく、まずはこうした経験を積むチャンスがあったことに感謝している。
昨年10月にOWSに参加して以来、当初は挫折とも思われたこうした経験のおかげで、アディワンはより強いアスリートへと進化を遂げることができたと考えている。だからこそ今、最大のイベントで自信を持ってONEデビューを飾ることができるのだ。
「当時お呼びが掛からなかったことは、もはや挫折ではなかったと思っている。だって、自分にとっては今こそが、ONEチャンピオンシップの大舞台に上がる最高のタイミングだからね」とアディワンは言う。
「自分の試合を宣伝してくれたり、自分のことをファンに紹介してくれたおかげで、自分の露出は信じられないくらい高まった」
「自分は海外で試合をしていたから、海外では知られていたのだけれど、実は国内では余り有名ではなかったんだ。でもOWSに参加してからは、国内のファンからの関心が急激に高まっていることを感じている」
「大舞台に立ちたい格闘家志望者にとって、OWSでの経験はすごく役に立つ。自分がいい見本だ。もしいきなり大舞台に送り込まれたとしたら、自分は心構えも技術も未熟なままで戦う羽目になったと思う」
「OWSは、大舞台への準備ができるまでの間、技術を磨くことができるすばらしい足かがりになると思っている」