ONEデビュー戦で一本勝ち!平田樹インタビュー
6月15日に上海で開催された「ONE: LEGENDARY QUEST」で、アンジェリー·サバナルに1R2分19秒で一本勝ちし、ONEデビュー戦を飾った平田樹。彼女は、いま格闘技界が大注目する、明日のスター候補だ。日本女子格闘技界期待の新星は、これがプロデビュー戦でもあった。試合後の休暇から戻った19歳のシンデレラガール·平田樹に話を聞いた。
―試合後から、きのうまで一週間お休みだったそうですが、何をされていましたか。
「名古屋まで友だちに会いに行ったり、買い物をしたりとしっかり羽を伸ばしてきました。でも、格闘技がない生活はやっぱり寂しいものだなあと思いました」
―デビュー戦は、どんな意気込みで臨みましたか。
「とにかく印象を残したい、次に繋がる試合がしたい、という気持ちでいっぱいでした。私のことを知らない海外のファンに、“また試合が観たい”と思って貰えるような勝ちを目指そうと」
―では、結果には満足でしょう。
「アームロックで一本勝ちできたのは良かったです。でも、本当は倒してからパウンドが出したかったんです。そういうプランだったのですが、相手の腕が取れたので、そのままフィニッシュに持っていってしまいました」
―プロデビュー戦なのに、そんな余裕があるとは驚きです。
「いえいえ、試合はよく覚えてないくらい無我夢中でしたよ。それに、リングでの試合は慣れていないので、難しかったですね。反省点もたくさんあります」
―平田選手のバックボーンは柔道ですよね。やはりグラウンドの展開に自信がありますか。
「そうですね。普段は、男子の選手とジムでグラップリングの練習をすることが多いので、試合で同じ階級の女子選手とやると軽いと感じます。強くて重い男子選手との練習は大変だけど、とても意味があると思います」
―青木真也選手とも練習されたことがありますよね。
「シンガポールでご一緒させていただきました。さすがの技術で、10秒に1回くらい極められてしまいましたが(笑)」
―厳しい環境で鍛えた寝技と自慢のパウンドをぜひ観たいです。
「はい。それは、次回以降のお楽しみです」
―ところで、プロデビュー戦がいきなり海外でした。
「大変だったということは無いですね。海外で試合をできるのは嬉しかったし、楽しもうと思いましたし、実際にとても楽しめました。試合会場もとっても広いし、派手な演出と大歓声で迎えられる入場も気持ちが良かったです。プロになって良かったと思いました」
―『格闘代理戦争』3rdシーズンで優勝して、ONEと契約して、状況が目まぐるしく変わっていると思います。
「確かに変わりましたけど、私自身は変わっていないと思います。いつも通りの自分だと思うし、自分のペースで今後もやっていきたいです。試合が迫っていても、休むと決めた日はしっかり休みますし、遊びにだっていきます。それも勝つのに必要なことだと思っています」
―プロデビュー戦でここまで注目される選手は稀です。そして、しっかり結果を出しました。平田選手は、自分が“持っている”と思いますか。
「どうでしょうね…全てはタイミングだと思います。もし、そのタイミングを自分で引き寄せているのなら、そうかもしれません」
―ファンはタイトル奪取を期待しています。
「ONE女子アトム級のタイトルは、大きな目標ですし、そのためにはトップコンテンダーとして認めてもらわないといけません。そのためにも勝ちにこだわりたいし、10月の日本大会にもぜひ出場して、インパクトを残したいです」
平田樹の物語はまだ始まったばかりだ。
世界は、次の1ページが読みたくて、たまらないでいる。