【2/28大会】 メインカード見どころ5選
2月28日(金)のシンガポール大会「ONE:KING OF THE JUNGLE」の開催が近づくにつれ、どの試合についても興味関心が高まり、大会当日に向けて盛り上がりを見せてきた。
メインカードの中から注目すべき5試合と、その見どころについて紹介する。
#1 防衛?それともリベンジ?
2019年2月にスタンプ・フェアテックス(タイ)と初対戦し、敗れて以来、ジャネット・トッド(米国)は2冠の女王へのリベンジに燃えてきた。
スタンプ戦以降の3試合で、トッドはより強くなり、より勝利への意欲を高めてきた。再戦のチャンスを手にしたのは当然の結果と言えるだろう。
だが格闘技の真の天才スタンプをその王座から引きずり下ろすことができるかどうかは、また別の問題だ。スタンプはトッドとの戦いに勝利してONEアトム級ムエタイ初代世界王者の座を獲得し、さらにアルマ・ユニク(オーストラリア)を相手に防衛にも1度成功している。たとえ100%の状態ではなかったとしても、スタンプは5ラウンドに渡り死力を尽くし、ユニクの挑戦を退けたのだった。
試練に直面するたびに、スタンプは臨機応変に対応して挑戦者を下してきた。22歳という若さにもかかわらず、豊富な経験という面ではトッドを上回る。だがもし、スタンプからアトム級キックボクシングの世界タイトルを奪うだけの心意気、強さ、そしてスキルを持っている選手がいるとすれば、それはトッドかもしれない。
#2 勝つのは伝説か、天才か
コーメインイベントではONEストロー級キックボクシングの初代王者を賭け、対極的なキャリアを持つ2人の選手が激突する。
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)は25年以上に渡る選手生活で、全てを成し遂げてきた。キャリア368勝を挙げる中で、ONEスーパーシリーズのベルト2つを含む、多くの世界タイトルを手にしてきたのだ。一方の対戦相手はロッキー・オグデン(オーストラリア)。世界チャンピオンの座を1度手にはしているが、若干20歳。この先少なくとも10年は活躍を続けることができるであろう選手だ。
サムエーのスキルとベテランとしての豊富な経験は、オグデンには対処できないという人もいるだろう。だがオグデンはハングリー精神にあふれ、恐れを知らず、番狂わせを演じるには十分という人もいる。
2019年5月、ジョナサン・ハガティー(英国)がサムエーを破ってONEフライ級世界タイトルを獲得した時、世界は衝撃を受けた。だがオグデンがその潜在能力を見せつけて再び世界に衝撃をもたらせるかどうかは、試合当日まではわからない。
#3 カーンはフィニッシュできるか
ONEチャンピオンシップでアミール・カーン(シンガポール)より多いノックアウト勝ちを記録している選手はいない。一本勝ちを含めたフィニッシュでは、カーンを上回るのはONEライト級世界王者のクリスチャン・リー(シンガポール)だけだ。
だが直近の試合でカーンは、いつも通りのスタイルで攻めに行かなかったと認めている。3連敗という泥沼にはまっていたカーンは、何が何でも勝利を掴むために、安全第一の戦略で臨んだのだ。
だがようやく勝利を手にした25歳のカーンは、ベストを尽くして江藤公洋と対戦するつもりだ。フィニッシュ勝ちを収めることができれば、再びライト級上位での争いに戻れるだろう。
#4 秋山成勲、本領発揮なるか
秋山成勲は世界中の格闘技ファンを沸かせる選手の1人だ。
見事なルックス、印象的な入り、そして魅惑的なカリスマ性で、秋山はこの業界の他の全ての選手と一線を画している。さらに最も重要なことは、美しい柔道のテクニックと、それと対照的な立ち技での打撃の応酬の組み合わせにより、秋山はいつも見てておもしろい選手なのだ。
秋山の対戦相手シェリフ・モハメド(エジプト)は、フィニッシュを狙って全力でぶつかるつもりでいる。ウェルター級にしては大柄なモハメドが全てを賭けて向かってきた場合、脅威と感じる選手もいるだろう。だが秋山のベストを引き出すという意味ではちょうどよいかもしれない。グラップリング(組み技)の攻撃に掛け技や足払いでカウンターで行くのか、それとも殴り合いに行くのか、秋山の本領を見ることができるだろう。
#5 ションの次の挑戦者はどっち?
三浦彩佳とティファニー・テオ(シンガポール)のどちらかが、ONEストロー級世界王者ション・ジンナン(中国)の次の挑戦者となる。
三浦は2019年にONEでブレークを果たした期待の新星だ。1月にONEで3連続となる、袈裟固めからのアメリカーナによるサブミッション勝ちを決め、ついにストロー級の頂点が手に届くところまで上り詰めた。ONE参戦以前を含めると現在6連勝中と、ストロー級では最も波に乗っている選手だ。
一方のテオは、既にベルトに挑戦した経験を持つ実力の持ち主。直近の試合ではブラジリアン柔術の世界チャンピオンに8度も輝いたミシェル・ニコリニを下してキャリア最大の勝利を手にしている。ニコリニは2019年7月にアンジェラ・リー(シンガポール)を倒している選手だ。三浦を倒して2連勝となれば、ベルトへの挑戦者として十分な箔をつけられるだろう。
見どころはテオが、直近の試合で見せたように、グラウンドで粘って打撃の勝負に持ち込めるか。また、これまでにギブアップの経験がないテオから、三浦がトレードマークのサブミッションで勝利を掴めるかどうかだろう。
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