ONE: ROOTS OF HONOR」ハイライト5選
4月12日に開催されたONEフィリピン大会の「ONE: ROOTS OF HONOR」は、数多くの驚異的なノックアウトやサブミッションで、ファンにとって忘れられない夜となった。メインでは2試合の世界タイトルマッチが組まれ、予想もできない結末を迎えた。
この記事では、同大会の5つのハイライトシーンをピックアップする。
王者·ヌグエンの驚異的な飛び膝
まず、ONEフェザー級世界タイトルマッチでは、王者のマーティン·ヌグエンが、かつてK-1でも活躍したモンゴルのジャダンバ·ナラントンガラグと対戦した。試合前は、「相手を圧倒したい」と語っていたヌグエンだが、まさにその通りになった。開始直後から有効打を積み重ね、2ラウンドでフィニッシュを決めた。
ジャダンバは足に蓄積したダメージを意識するあまり、ガードが下がってしまい、ヌグエンの飛び膝を防ぐことができなかった。
挑戦者·パシオの鮮烈な4ラウンドKO勝利
2019年の前半は、チーム·ラカイにとっては、王者が敗れていくという苦しいスタートになっていた。しかし、ジョシュア·パシオは、猿田洋祐からストロー級のベルトを取り返すことに成功した。
1ラウンドでは、猿田の右がパシオを捉え、ダウンを奪った。パシオにとっては、苦しい展開となったが、そのなかから活路を見出した。ハイレベルな打撃の攻防となり、猿田も果敢にテイクダウンを試みるが、対策を万全にしてきたパシオに阻まれてしまう。
そして、迎えた4ラウンドにパシオの膝が猿田の顔面を捉え、KOを奪った。追撃の必要がないほど、強力な一撃で、パシオは王座を奪還した。
エドワード·ケリーとイ·ソンジョンのグランドバトル
この一戦は、激しいグラウンド状態での攻防となり、スタジアムを熱狂させた。
序盤からケリーが積極的に攻め、イ·ソンジョンも負けじと打撃で応戦した。2ラウンドに入ると、今度はイがヒールフックで攻め立て、さらにはレッグロックを仕掛けて行く。しかし、ケリーはパウンドでイのスタミナを着実に奪い続け、最後はTKO勝利を奪った。
地元フィリピン出身のケリーに、会場は大盛り上がりだった。
ストライカー同士が火花を散らす
立ち技「スーパーシリーズ」のムエタイルールで日本のMOMOTAROこと小寺康平と、タイのルーシラー·プーケットトップチームが対戦した。ストライカー同士の激突は、フライ級屈指の好カードとなった。
小寺は、高いボクシング技術とキックで、ルーシサーを攻め立てるが、経験で勝るルーシラーは、終始落ち着いて対応していた。クリンチと肘打ちを有効に使っていき、次第に小寺を追い詰めていくルーシラー。
それでも、小寺は攻撃を続けたが、最後までムエタイのレジェンドを攻略することができなかった。これで、ルーシラーはスーパーシリーズで、3連勝となった。
ラモン·ゴンザレスのショウタイム
オープニングマッチでは、フィリピンの人気者であるラモン·ゴンザレスが日本の藤沢彰博に勝利した。
ONE参戦後、無敗を誇る藤沢彰博。その記録を阻止せんとするゴンザレスに対して、連勝の勢いそのままに戦っていく。しかし、それを逆手にとって、ゴンザレスが立ったまま組み付くと、チョークが極まり、藤沢は逃れることができなかった。
締められても粘った藤沢だが、さらにゴンザレスが力を加えるとタップするしかなくなってしまった。大会開始直後からいきなりの激しい展開に、ファンはヒートアップした。