ONEアスリートが語る2階級王者デ・リダー
ライニアー・デ・リダー(オランダ)の名前を誰もが口にしている。
アウンラ・ンサン(ミャンマー)に連勝してONEミドル級・ライトヘビー級世界タイトルを手に入れたデ・リダーの知名度は上昇しており、話題の中心になるのは当然のことだ。
デ・リダーは現在、前人未到の3階級での世界チャンピオンを目指している。
歴史に名を残し、世界の舞台でレガシーを築き続けている無敗のデ・リダーについて、他のONEスターのコメントを紹介する。
アウンラ・ンサン
「ONE on TNT IV」でデ・リダーに2敗目を喫したアウンラ・ンサンは、その驚異的な技術を目の当たりにしてきた。
アウンラ・ンサンは、5ラウンドの戦いを通じて披露されたデ・リダーの圧倒的なグラップリングのレパートリーを称賛している。
「いいバックパック、フックを持っている。彼のバック(コントロール)は非常にタイトで、ボディトライアングルをするときは特に動けない」と、アウンラ・ンサンは語る。
「どのポジションでも非常にタイトで驚いた。あんまりスペースをくれないんだ。彼はグラップリングの面では技術的に非常に優れている。彼のパンチは、体重が重くなっても強くはなかったけれど」
「強烈に蹴り上げられて、いい肘を食らって、(ダース・チョークを狙おうと)ヒザも入れられたが、それほどの力はなかったと思う」
アウンラ・ンサンは、デ・リダーに成長のためのモチベーションを授けられた、という。また、ONEのケージ「サークル」での対戦の前の言葉の応酬については、なんの恨みもないと言う。
「より良い競技者になるためには、常に誰かに背中を押してもらう必要がある。それ以外でも彼はよく喋るけれど、彼はただ試合を盛り上げて名前を上げようとしているだけだから」
青木真也
デ・リダーと同じくブラジリアン柔術と柔道の黒帯を持つ青木真也は、そのパフォーマンスに感銘を受けた様子だ。
青木は、トップレベルでグラップリングを駆使して勝つには何が必要かを熟知している。
「デ・リダーに1つしか技がないと言うなら、その技を攻略すればいい」と、青木は語る。
「デ・リダーは強いと思うし、無敗というのもある。面白いと思うのは、ある種ONEが発掘したタレントということ」
「アウンラ・ンサンや僕は、ONEが発掘する前にどこかの団体でやっていた。けれど、エドゥアルド・フォラヤンやデ・リダーは、ONEが発掘したということで、ONEとしては誇れるところだと思う」
「いろんな発掘の仕方、いろんなチャンピオンのなり方があるから、そこは大事にした方がいいと思う」
レアンドロ・アタイデス
レアンドロ・アタイデス(ブラジル)は、無敗の世界チャンピオンを総合格闘技のキャリアの中で一番追い込んだ男だ。2020年2月の「ONE: WARRIOR’S CODE」では、デ・リダーにスプリット判定で惜しくも敗れた。
僅差の戦いだったが、アタイデスは世界タイトルをかけて、是非ともリマッチをしたいと考えている。
「タイトルに挑戦する準備はできている。個人的にはライニアーとの戦いに負けていないと思うが、また戦うことになると思う」と、アタイデスは話す。
「ライニアーとアウンラの(初対戦には)驚いた。あんな風にではなく、最後まで戦いが続くと思っていたから。試合だから何が起こってもおかしくはないけれど」
アンソニー・アンゲレン
オランダとインドネシアのスターであるアンソニー・アンゲレン(インドネシア)は、デ・リダーの同胞の1人として、彼が世界の舞台で歴史的な成功を収めたことに興奮している。
アンゲレンは、ONEでのデ・リダーのこれまでの功績に畏敬の念を抱いており、今後の活躍も楽しみにしてる。
「感動的というのは控えめな表現だ。同じオランダ人として、ライニアーのことを誇りに思う」と、アンゲレンは語る。
「彼はONEチャンピオンシップに参戦してから、何度か快勝して、アウンラとのミドル級のタイトルマッチの機会を得た。見事にベルトを持ち帰った。さらに、ライトヘビー級の世界タイトルも獲得した。とにかくすごいよ」
「次に彼が何を目指すのか? それは誰にもわからない。彼はヘビー級に転向して、ブラーの持つ世界タイトル挑戦についても話している。誰もが3階級王者を見てみたいと思うだろう」
「前人未到のことだが、自分は彼が他のタイトルを防衛するところも見たいと思っている。けど、すごい! 何をやっても100パーセント、素晴らしいものになるだろう」
アルジャン・ブラー
デ・リダーはもう1つのベルトを目指して、ONEヘビー級世界チャンピオンのアルジャン・ブラー(インド)挑戦をほのめかしている。だが、ブラーは他のアスリートとは違い、デ・リダーには賛辞を送っていない。
インド初の総合格闘技世界チャンピオンのブラーは、もしデ・リダーと「サークル」で対戦することになれば、自分が体重を落としてライトヘビー級の金メダルに挑戦する、と話している。
「自分はアウンラ・ンサンじゃない。ここではっきり言っておく」と、ブラーは最近デ・リダーの呼びかけに答えている。
「自分を相手にケージを横切って、ゴミのようなテイクダウンをしたり、ゴミのようなグラップリングで抑えたり、ゴミのような打撃で距離を詰めたりする、なんていうのは通用しない」
「彼のスキルは全然すごいとは思わないし、自分を倒して名を成すなんてできないだろう。どちらかというと、自分が彼のベルトを奪うことになるだろう」
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