ONEアスリートに聞く、自宅トレーニングのコツ
新型コロナウイルスが世界規模で流行し、多くの国が検疫措置を講じている状況の中で、多くのジムや道場も営業を停止している。
幸い、ONEチャンピオンシップの経験豊富な格闘家たちは、自宅トレーニングのさまざまなアイデアを持っている。
ウイルスの蔓延を防ぐために、他人から距離を置くという原則を守るのは重要だが、心身の健康を維持することもまた重要だ。
ONEの世界クラスの総合格闘技、キックボクシング、ムエタイのアスリートたちは、プロとして体調を維持する必要があるため、自宅でトレーニングする方法を考え出した。
この記事では、ジムに行かなくても効果的にトレーニングするためのヒントを紹介する。
ビビアーノ・フェルナンデス―ONEバンタム級世界王者
「家にジムがある。マットが何枚か敷いてあって、コーチが来てパッドを持ってくれる。安全だし、とても大事なことだ。自分の身体的な強さの向上、コンディショニングの調整など全て、今は自宅でやっている。これが一番良い方法だ。他の方法としては、コーチと一緒に外に出ることだ」
「心肺機能が良好か、まだパワーを維持できているかを確認してほしい。自分は家にウェイトトレーニングの設備があるから、それを使っている。自分の頭は常に戦闘モードだが、パワー、身体的な強さ、そして心肺機能も大丈夫か確認している」
「食事も重要で、たくさんの水を飲む。通常に戻ってハードにトレーニングする前に、自分の体が良い状態にあるか確認しないといけない。常にコンディショニングの調整、心配トレーニング、シャドウボクシングを毎日やっている」
「今、最も重要なことは、全員でこの状況を一緒に乗り越えることに協力し続けることだと思う。それが大事だ」
クリスチャン・リー―ONEライト級世界王者
「大事なのは気持ちをしっかり持ち続けること。家で1日リラックスするのは良いことだが、それが2日目になり、3日目、4日目になってくると、気が遠くなるだろう。でも自宅でできることはたくさんある」
「例えば、腕立て伏せや腹筋ができる。格闘家の人なら、鏡の前でシャドウボクシングをしたり、いろいろなテクニックを練習できる」
「目の前にテレビがなくても、家でできることはたくさんある。家に閉じこもっているのは最高のことではないが、間違いなく最悪でもない」
シャノン・ウィラチャイ―タイの総合格闘技の先駆者
「自分でできるトレーニングはたくさんある。格闘家にとってもね。誰にでも、いつもやってしまうミスというのがある。その矯正も、いつもならやりたくない退屈な小さなことかもしれない」
「例えば、右ストレートを出す時に、相手に読まれてしまうという悪い癖があったとする。それを改善するには『退屈な基本』に立ち返ってたくさんの時間を費やす必要がある。もし自宅に隔離されているとしたら、生活はもう退屈になっているんだから、この機にやってみたらいい。時間があるのだから、それを最大限に活用できるかもしれない」
「プロのファイターでないなら、どうやって自分のテクニックの悪いところがわかるのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。でもとても簡単だ。何が悪いのか考えるのに一晩かけてみたらいい。どうして相手はいつもこれをブロックするのだろう?どうしてこのショットはいつもミスになるのだろう?どうしてこれはいつもうまくいかないのだろう?こうやって自問して、やりたいことをやるためにはどうしたいのかを、考えてみたらいい。問題がある時、そこには目標があるはずだ」
「修正するために何ができるかを考えてほしい。YouTubeやGoogleで調べたり、あるいは自分で考えてみてほしい。自分だけに機能する方法が見つかるかもしれない。やることがたくさんありすぎるように聞こえるかもしれないが、とにかく退屈なんだし、問題があるんだから。解決策を見つけるのに14日あるよ」
エコ・ロニ・サプトラ―インドネシアレスリング王者
「自宅にいる間、家の掃除や料理、それに家族と遊ぶこともできる。今こそ、何か新しいことに挑戦し、これまで試したことがないことをする時だ」
「まだ見ていない映画やシリーズを見るのもいい。自分にとっては、妻と息子とより多くの時間を過ごせる時だ」
「エクササイズをするのも大事だ。腕立てはシンプルだし何も設備がなくてもできる。有酸素運動もできる」
エリオット・コンプトン–ONEスーパーシリーズライト級
「自分の個人レベルでは、試合がキャンセルされたり延期されたりしたから、自分の強化に時間を使っている。ジムに行けなかったとしても、家で頭を使ってトレーニングする」
「自分なら、自分の人生に起こった全てのポジティブなことを考える。それにより自分に刺激を与え、より良くなれるよう、より良い考え方ができるよう、そしてより強い意志を持てるにする。試合に備えてね。物理的にジムに行けなくても、いろいろなことに取り組んできた」
「今の状況がどれだけ辛くても、世界のどこかにはもっと厳しい状況にある人がいる。だから心のトレーニングに取り組み、ポジティブなことを考えるようにすることが大事だ。早くこの状況が終わり通常に戻ることを願っている」
グルダーシャン・マンガット―インドのトップ総合格闘家
「厳しい時期だ。誰とも交流できないような状況だが、自分達はみんな、一緒に戦わなければいけないし、全員が自分の役割を果たさなければいけない。社会的距離尾保ち、隔離された状態を維持する必要がある。そしてそうするために一番良いのは、準備せずにやることだ」
「家でワークアウトを始めたんだ。ゴムバンドを壁に取り付けてシャドウボクシングをしている。自分がやっているのはそういうことだ」
「自分自身に集中して取り組む時間があるから、例えば瞑想もできる。自分は視覚化と瞑想をたくさんやって楽しんでいる。静けさを楽しむようにしてきた」
「常に一歩先を行こうすると、人生はテンポが速く感じる。でも今はこの状況に対応して、休憩し回復する機会だ。ネガティブを取り去って、ポジティブに変えることができる。(例えば)自分はこの時期、家族と一緒に過ごしたことはなかった」
アズワン・チェウィル―ONEスーパーシリーズフライ級
「自宅にサンドバッグがあるから、ありがたいことに、あまり制限なくトレーニングを再開できている。でもサンドバッグがなくても、自宅で汗をかける方法は他にもある」
「自分にはかなり基本的なルーティーンがある。まず、20分間縄跳びする。持っていない場合は、20分間動きを真似てほしい。それが終わったら、1分間休憩してから、腕立て伏せ20回と腹筋20回を、4セット繰り替えす。自分は通常、ムエタイのシャドウボクシングを少しやってワークアウトを終了する」
「それが面倒な場合は、家でできる家事のリストを作ってみてほしい。家の掃除は汗をかくから、短い縄跳びと同じくらいの効果は得られる」
ジョシュ・トナー―ONEスーパーシリーズストロー級
「社会的距離に対する制限がますます厳しくなっているから、所属するジム「MuayU」のメンバーなどのために、自宅でできるトレーニングコンテンツを作っている。みんなでアイデアを出し合っていて、とても楽しい。
「ONE以外で、刺激をうけるようなソーシャルメディアのアカウントをフォローしている。(ウルトラマラソンのランナーの)デイビッド・ゴギンズやコートニー・ドウォルター、(総合格闘技コメンテーターの)ジョー・ローガン、(米国の起業家、作家)ゲイリー・ヴェイナチャック、(英国のコメディアン)ラッセル・ブランド、など。彼らの話を何年も追ってきて、自分はトレーニングし、考え、そして生きる方法を形作て来た。目覚めたとき、瞑想、ヨガ、呼吸法をやるようにしている」
「トレーニングし続けることをお勧めする。やる気を失って、今後数ヶ月に渡る健康を犠牲にするようなことはやめてほしい。オンラインレッスンを受講している場合は、規律を守り、ジムをサポートしてほしい。犠牲になるのは、あなたの身体的な健康だけでなく、精神的な健康でもある」
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