【7/31大会】タイトルマッチ出場者の最高の勝利を紹介
ONEチャンピオンシップが7月31日(金)にいよいよ帰ってくる。
世界最大の格闘技団体ONEはこの日、タイ・バンコクで無観客大会「ONE:NO SURRENDER」を開き、本大会イベントのスケジュールを再開する。
メインイベントでは、ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノン(タイ)が長年のライバルでタイの同胞ペッダム・ペッティンディーアカデミーと対戦する。両者の対戦はこれで3度目だ。
さらに、ONEフェザー級ムエタイ世界王者のペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)は、ムエタイの伝説ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)を相手に、初防衛戦に挑む。
このけた外れのムエタイのショーが開催される前に、ONEでの各選手の最高の勝利を紹介しよう。
ロッタンは文句なしの王者
2019年8月、当時のONEフライ級ムエタイ世界王者ジョナサン・ハガティー(英国)をかろうじて破ったロッタンは、2020年1月にバンコクで開かれた「ONE:A NEW TOMORROW」でハガティーと再戦。この戦いでロッタンは、フライ級ムエタイの真の王者としての地位を強固なものにした。
第1ラウンド、ハガティーは落ち着き、打撃を交わす意欲があるように見えたが、左フックとクロスをみぞおちに食らってキャンバスに崩れ落ちる。ロッタンはさらにボディを狙って追い打ちをかけようとするが、ハガティーは残り時間を、守勢に立ちながらも堂々と振る舞い、カウンターを出す。
第2ラウンド、ハガティーは豊富な攻撃手段を生かし、前蹴り、回し蹴り、ローキックと繰り出し、ロッタンを近づけない。だがロッタンはできる限り距離を詰めて、さらにボディに打撃を放とうする。ハガティーが足払いを出した時ですら、ロッタンは見事にジャンプして避け、バランスを維持したのだった
そして全てが沸き上がったのは第3ラウンドだった。
ロッタンが攻撃的にペースを握ってハガティーを追い回すが、一方のハガティーはガードを高く保ち、前蹴りで間合いを維持し、さらに顔にプッシュキックを決めもした。だがロッタンは一連のカウンター攻撃をやり過ごし、フィニッシュを狙って前に進む。
地元のヒーロー、ロッタンはパンチでハガティーに近づくと、コーナーに追い詰めて強烈な打撃を降り注ぐ。左フック2発、右ストレート1発をボディに決め、ハガティーはこのラウンドで初めてのダウンを許す。
ハガティーは立ち上がったが、ロッタンは猛攻に出る。飛びヒザ蹴りをブロックすると、頭部への左フック、右ストレートで突撃し、2度目のダウンを奪う。
ハガティーが立ち上がるとすぐ、ロッタンはさらなるパンチを繰り出し前に出る。そして強烈な左パンチが腹部に決まると、ハガティーは再びキャンバスに倒れ、レフェリーは試合を終了。TKO勝ちでロッタンの勝利が決まった。
ペッダムの壊滅的な86秒ノックアウト
ペッダムはONE2戦目、バンコクのインパクト・アリーナでみんなの注目を集めたいと考えていた。そして彼は確かに成功した。
2018年10月の「ONE:KINGDOM OF HEROES」。ピンク色に染めた短髪にさらにいくつもの赤いハートマーク、という髪型のペッダムは、ケニー・ズィー(オーストラリア)と対戦し、試合開始わずか86秒で衝撃的なノックアウト勝ちを収めた。
ONEスーパーシリーズのムエタイフライ級マッチとして行われたこの試合、ゴングが鳴るとすぐに、ペッダムは距離を測る。一旦、間合いを把握すると、左の回し蹴りを相手の頭部や胸部に繰り返し放った。
ズィーはキックをブロックして間合いを詰め、近距離でパンチを打とうとするが、ペッダムは執拗にキックで攻める。立て続けに回し蹴りを放ち、やがてズィーのディフェンスは崩れる。
試合開始わずか75秒後、ペッダムが再び左回し蹴りを放つと、すねがズィーのこめかみに直撃。朦朧としてよろめくズィーに対し、ペッダムはボディへのヒザ、頭部へのヒジで追い打ちをかけ、ノックアウトを決めたのだった。
ペットモラコットの秀逸エルボー
後にONEフェザー級ムエタイ世界王者になるペットモラコットのONE最高の勝利は、2018年12月の「ONE:DESTINY OF CHAMPIONS」だ。
マレーシア・クアラルンプールで開かれたこの大会で、ペットモラコットは何度もムエタイ世界王者に輝いたリアム・ハリソン(英国)とONEスーパーシリーズのムエタイフェザー級マッチで対戦。第1ラウンドに苦戦を強いられたものの、センセーショナルなKOで勝利を収めたのだった。
試合は第1ラウンド、ストライカーとして知られる両者がキックを打ち合うが、ハリソンが優勢に立ち始める。ハリソンは何度もキックを避けては、巧みなカウンターや強烈な足払いで攻める。さらに第1ラウンド終盤に向けて、爆発的なパンチのコンビネーションを炸裂させる。
第2ラウンドでは、ペットモラコットがギアを上げる。ペットモラコットはジャブから前に踏み出してキックやヒザを出し、一方のハリソンはパンチのカウンターで反撃する。
ペットモラコットは決して諦めない。ジャブで前に進み続け、やがてキックとパンチが決まり始める。さらにハリソンをONEのケージ「サークル」のウォールに追い詰めると、軽いジャブを出し、そのジャブを出した手を使ってハリソンの右手を引き下げた。
ハリソンの頭部が露出したところで、ペットモラコットは前に出て、ヒジのクロスでノックアウトの一撃を加えたのだった。
ヨドサンクライのリベンジ
ヨドサンクライは東京での久々の試合が忘れがたいものになるよう、念を入れていた。
2019年3月、タイの伝説ヨドサンクライは、ほぼ8年ぶりに東京での試合に臨んだ。「ONE:A NEW ERA 新時代」の、キャッチウェイト(72キログラム)のキックボクシングマッチで、対戦相手はアンディ・サワー(オランダ)だ。
11年前、僅差の戦いの末にサワーはヨドサンクライを打ち負かしていた。だが世界的に有名な両国国技館の会場で、ヨドサンクライは自分がより優れたストライカーであることを証明した。
ヨドサンクライは序盤、トレードマークの左回し蹴りで攻撃する。さらにキックをうまく生かして間合いを詰めると、短い右フックを決めてサワーをキャンバスに倒す。これはサワーにとってONEスーパーシリーズ初めてのノックダウンだった。
サワーはすぐに回復し、すぐさまローキックを放ち、すばやく間合いを取ったり詰めたりしながら動こうとする。だがヨドサンクライは強烈な打撃を見せ続ける。
第2ラウンドは火花が散るような打ち合いになる。サワーはジャブで足を踏み入れた時にスリップするが、すぐに立ち上がる。ヨドサンクライはサークルウォールにサワーを追いやると、キックをブロックし、左クロスでノックダウンを奪う。
サワーはカウントに答えたが、いつ終わってもおかしくない状況だった。ヨドサンクライは再びサワーの攻撃を防ぐと、サークルウォールに追い詰め、猛烈なコンビネーションでサワーを切り裂いた。このコンボの最後のパンチ、すなわち鼻と頬への左クロスによって、サワーはキャンバスに倒れ、ヨドサンクライのTKO勝ちが決まったのだった。
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