ロッタン 亡き恩師への誓い

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8月2日(金)にフィリピンのマニラで開催される「ONE: DAWN OF HEROES」でジョナサン・ハガティーの持つONEフライ級ムエタイ世界王者のタイトルに挑戦するロッタン・ジットムアンノン。

22歳のタイ人であるロッタンには、強い影響を与えた人がいた。

それが、彼の師である故ファン氏だ。

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子供の頃、ロッタンはタイ南部のあちこちの小さな村の大会に出場し経験を積んだ。その頃、彼のリングネームの由来となったジットムアンノンジムのファン氏との突然の出会いが訪れた。

「地元でトレーニングをしていたら、練習を見に来ていたファンさんに気に入られたんだ。僕の父に、バンコクに連れて行っていいかと聞いていたよ」

才能を買われたロッタンは、まだ若かったものの、ムエタイの道を極めるために首都・バンコクに行くことが運命付けられていた。

数年後、経験と修行を積んだ若い才能は、ついにバンコクで優秀な選手たちに囲まれてトレーニングに励むことになった。そして、ファン氏はロッタンを育てることに心血を注いだ。

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「ファンさんと僕はまるで親子だった。粘り強く僕を見守り、すべてを教えてくれた。だけど、怒鳴られたことは一度もない。丁寧に育ててもらったんだ」

ロッタンが重要な試合で敗れたときも、しっかりと励ましてくれたファン氏。その存在があったからこそ、ロッタンはここまでキャリアを重ねることができた。

「フアンさんは『勝負の世界にいれば、良いときも悪いときもある、だから嵐が過ぎるまで耐えなければいけない』と言っていた。そうしてキャリアのどん底にいた時、励まし続けてくれたんだ」

こうしてロッタンは苦しい時期を乗り越え、タイのムエタイ・オムノーイスタジアムで2度も世界王者に輝いた。

しかし、不幸は突然やってきた。

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2018年3月にファン氏が急逝。タイのムエタイ界に衝撃が走った。

「ファンさんが亡くなって、この先どうしたら良いのか分からなくなった。ジムの存続すら危ぶまれたくらいだ。だけど、フアンさんの築いたものを守ることが僕たちの役目だと思った」

「自分のことは一人でやるしかない…。一人で。自分の人生で辛い時期だったけれども、乗り越えるしかなかった。フアンさんのためにも勝つことが必要だと分かっていたから」

ファン氏を失った空白が埋まることはない。しかし、ロッタンはそれでも前を向く。

「ハガティーに勝って、タイにONEフライ級ムエタイ世界王者のベルトを持ち帰ること。これしかない」

ロッタンは、そう誓った。

「今の自分があるのは、ファンさんのおかげ。絶対に負けられない」

Jonathan Haggerty Rodtang Jitmuangnon ONE DAWN OF HEROES pre event press conference AAA_0404.jpg

フィリピン・マニラ | 8月2日(金) | 20時(日本時間) | ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)

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