“役者”秋山成勲が影響を受けた映像作品
秋山成勲は柔道での実績と総合格闘技でのパフォーマンスで世界中のファンの心をつかんだ。だが秋山が有名なのは、格闘技界ばかりではない。
ONEチャンピオンシップのスター、44歳の秋山は溢れる個性を生かし、俳優としての活動にも取り組んでいる。
秋山は2010年に韓国ドラマ「アテナ:戦争の女神」で、初めて役者としてのデビューを果たすと、その後は映画、バラエティ番組、リアリティテレビ番組、ミュージックビデオに出演してきた。
秋山は役者として評価を受けるようになったが、その過程で多くの刺激を得てきた。この記事では、秋山に最も影響を与えた映画やテレビ番組を紹介したい。さらに、秋山が演じてみたい役柄についても明らかにする。
コメディ―「ミセス・ダウト」
1993年公開の映画「ミセス・ダウト」では、天才的なコメディアンで俳優ロビン・ウィリアムスが、離婚後に子どもたちに会うために家政婦に扮する声優を演じた。
ロビン・ウィリアムスがこの役を見事に演じ切る能力に、秋山は感銘を受けた。
「(ロビン・ウィリアムスが演じる)お父さんがお母さんの役になって。あれが大好き。あれは面白いいい役だった。ああいうのできたらいいなと思った」
だがこの映画から秋山が学んだ最も重要なことは、家族の絆の力だ。
秋山はコメディをタフでドラマチックな状況に織り込むウィリアムスの能力に夢中になった。
「子供を思う親の愛と、その愛をシリアスに表現するのでは無く、男性が女性の格好をして愛嬌たっぷりに子供と接し、なおかつ教育もしていた」
ロマンス―「タイタニック」
タイタニックは、歴史上最も成功した映画の1つだ。
1912年4月に実際に起こった事故を元にした映画で、1997年に公開された。この映画に秋山は心から揺り動かされた。
秋山は情熱的な総合格闘家として、ジェームズ・キャメロン監督によるこの作品の壮大さと、金銭的な豊かさを超える愛の力に魅了された。
「誰もが好きな映画だと思うが、貧しい若者が、上流階級の女性と愛を作り上げていく物語を通して、お金では無く愛が全てだと教えてくれた」
「『タイタニック』はとても壮大なスケールで、実際にあった話に基づいた映画。ああいうものができればと思う」
この映画は第70回アカデミー賞で作品賞や監督賞など11部門で受賞したほか、10年以上に渡り史上最高の興行収入の記録を保持していた(2009年にキャメロンの『アバター』に抜かれ、2019年に『アベンジャーズ:エンドゲーム』がそれぞれを追い越した)。
アニメ―「The♥かぼちゃワイン」
秋山はディズニーからジブリまで全てを楽しむ自称アニメ愛好家だ。中でも最も好きなのは日本のアニメだ。
「『キン肉マン」から始まって『北斗の拳』、『ドラゴンボール』。あとは『うる星やつら』とか」
だが秋山をが完全に魅了されたアニメが1つある。それが「The♥かぼちゃワイン」だ。1982年から1984年まで放映された作品で、背が低く女嫌いの硬派を自称する男の子と、彼に一目ぼれした大柄なヒロインが繰り広げるドタバタラブコメディだ。
「『The♥かぼちゃワイン』は、小さい男の子と大きい女の子の普通のアニメだが、そういうのを見て育ったので大好き」
最も印象的な演技―「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
伝説的な監督マーティン・スコセッシによる作品で、実話に基づいた3時間に及ぶ犯罪ドラマだ。
主人公の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの、波乱万丈の人生を演じるのはレオナルド・ディカプリオだ。
秋山はディカプリオの迫真の演技に感動した。ディカプリオはこの作品で、第71回ゴールデングローブ賞主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞した。
「男が成り上がる姿がとても、面白い!」と秋山は語る。
「ディカプリオは役にはまりすぎて、映画を撮り終えた後もしばらくの間、他の役を演じることができなかったと聞いたことがある」
「まだ新入社員の時に、ランチに連れて行かれて上司からいろいろ教えてもらう時。そして社員をまとめ、指揮をするときの、言葉や表情。演技がリアルだった!」
おまけ―ホラー映画について
秋山は「パラノーマル・アクティビティ」が好きだろうか?「シャイニング」は?「IT」は?いや、絶対に違う。
秋山がホラー映画のプレミア上映に出席することは決してないだろう。
「怖い映画は大嫌いだから見ない」
秋山は子どもの頃にホラー映画を見ようとしたが、怖くなって見られなくなったという。
大人になった今でも、この特定のジャンルの映画やテレビ番組は好きになれない。
「子どもの頃の「『13日の金曜日』を見て、見られなくなった」
「『ウォーキングデッド』もグロいと聞くが、ああいうのは絶対に見ない」
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