【1/22大会】ONE: UNBREAKABLEのハイライト
ONEチャンピオンシップが1月22日(金)、シンガポール・インドア・スタジアムで「ONE: UNBREAKABLE」を開き、熱い2021年をスタートさせた。
新王者が誕生し、2つの新記録が生まれ、5つのフィニッシュ勝利があった。
素晴らしい試合の夜から見どころを選び抜く作業は難航したが、特に輝いていたパフォーマンス3つを紹介する。
#1 カピタンが2RKOで新王者
ONEバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチでは、カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)がアラヴァディ・ラマザノフ (ロシア)を相手に素晴らしいパフォーマンスを披露し、新たな時代の幕開けとした。
ゴングがなると、両者とも手探りをする様子はなく、真っ向から重い打撃を打ちあった。第1ラウンド、カピタンは徐々に自信をつけ、キックやクリーンなパンチを散らした。
第2ラウンドでは、カピタンはフィニッシュを狙いに行った。得意技の右キックでラマザノフの足を蹴りまくり、ダメージを蓄積させ、窮地に追い込んだ。
絶え間ないプレッシャーで、ラマザノフをONEのケージ「サークル」に押し込むと、カピタンは美しい右フックをボディに。ラマザノフが向きを変えると、カピタンは右ストレートの最後の一発を頭に命中させたのだった。
ラマザノフは、レフェリーのカウントに応じられず、第2ラウンド1分56秒、ノックアウト勝利で、カピタンが新王者となったのだった。
#2 青木真也が最多サブミッション記録
「ONE: UNBREAKABLE」のコーメインイベントで、4位コンテンダーの青木真也 は元ウェルター級世界タイトル挑戦者のジェームズ・ナカシマ(米国)を相手に第1ラウンドで一本勝ちを決め、ONE史上トップのサブミッションアーティストとなった。
両者はすぐさまクリンチ状態になり、青木はダブルアンダーフックに。ナカシマの背中をとると、グラップリングの「特別クラス」の始まりだった。
ナカシマは当初凌ごうとしたが、青木は左足をかけ、ナカシマの体をよじ登り、長い足を駆使してトライアングルロックを決めた。
青木はそこからスムーズに右腕をナカシマの首に回し、ギリギリと締め上げた。ナカシマはネッククランクに耐えきれず、そこでタップ。
青木はONE最多となる8度目の一本勝ちを挙げ、2連勝とした。この勝利により、ONEライト級世界タイトル挑戦へ再び近づいたことは間違いない。
#3 アブデュラエフが階級最速一本勝ち
緊急参戦した登竜門大会「ONEウォリアーシリーズ」出身のザキムラッド・アブデュラエフ(ロシア)が元王者のゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)を相手に第1ラウンドフィニッシュ勝ち、ウェルター級の脅威として名乗りを上げた。
アブデュラエフはローキックを捉えて、テイクダウンを繰り出し、スクランブルでカデスタムの背中に回った。
一度背中をとると、慎重にサブミッションの機会を伺い、カデスタムにトップポジションを取られないように、ボディー・トライアングルを仕掛けた。
次にアブデュラエフはカデスタムの顔に腕を滑り込ませ、ぎゅっとグリップ。顎の下ではなかったものの、強力な締め付けに耐えかねたカデスタムにはタップアウト以外の選択肢は残されていなかった。
フェイスクランクの公式タイムは第1ラウンド2分8秒、ONEウェルター級史上最速のサブミッション勝利となった。