【7/31大会】シッティチャイが語る憧れのアスリート
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)は、7月31日(金)に、ONE世界タイトル獲得に向けたミッションを開始する。
タイ・バンコクで開かれる無観客大会「ONE:NO SURRENDER」で、シッティチャイは長年のライバルでタイの同胞スーパーボンと、フェザー級キックボクシングマッチを戦う。
シッティチャイは、この大注目の3度目の対決に勝ち、世界タイトル戦への挑戦に一歩近づきたいと熱望している。
さらに、シッティチャイはONEと契約したことで、キックボクシングとムエタイでのキャリアの中で刺激を受けた2人の選手と対戦する機会があり得るのだ。
ジョルジオ・ペトロシアン
多くのファンと同様に、シッティチャイはONEフェザー級キックボクシング世界グランプリチャンピオンのジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)を高く評価している。
シッティチャイは常に、ペトロシアンが対戦相手を、医者が手術に臨むかのように攻略する方法に魅了されてきた。また、ペトロシアンの活躍はシッティチャイに、キックボクシングでサウスポーがいかに効果的かを見せつけた。
「キックボクシングに関しては、実はペトロシアンは自分の憧れの選手だ。 キックボクシングを始めようとしていた頃、自分は彼を尊敬していた」
「彼は本当に素晴らしいキックボクサーだ。 頭が良くて素晴らしいファイター。攻撃はとても鋭くて正確だ。 彼はサウスポーの選手で、自分もそう。だから自分は彼を尊敬し、彼のようになりたいと思った」
シッティチャイは、ペトロシアンと初めて同じ大会に出場した時のことを決して忘れない。
2013年4月、シッティチャイは試合のためにイタリアのミラノに飛んだ。まだキックボクシングのキャリアを歩み始めた頃だった。そしてシッティチャイは、自分が将来なり得る選手のモデルが、ペトロシアンだと気付いた。
「自分がまだ名前のないキックボクサーだったころ、彼の故郷で戦った。 自分はそのイベントのプレリム2試合目で、彼はメインイベントだった」
「彼が戦うのを見て、『うわー、これはすごい』と思った。彼は素晴らしいキックボクサーであり、賢く、本当に鋭い」
ミラノでのその夜、まだ経験の浅かったシッティチャイはEnriko Gogokhiaにスプリット判定で破れ、ペトロシアンはユナニマス判定でHafid El Boustatiに勝った。
シッティチャイは、その大会のメインイベントのパフォーマンスを常に記憶している。そのペトロシアンの動きに魅了され、いつか憧れの選手と同じか、それ以上に強くなってやろうと決心した。
そこからシッティチャイは実力をつけ、キックボクシングとムエタイの世界チャンピオンに11回輝き、そして今、ペトロシアンとの対戦を願っている。
「4年か5年前、自分たちは違うレベルにいるように感じた。自分はゼロで、彼は10だった」
「自分を彼と比較することは決してできないと思っていた。でも今、何年もかけて多くの経験を積んできた。 自分たちは同じレベルにいると思う。彼と戦い、彼を倒す準備はできている」
ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス
シッティチャイが称賛を惜しまないもう1人の選手が、ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)だ。
事実、シッティチャイはヨドサンクライを絶対的に尊敬している。
「ヨドサンクライは自分にとって、史上最高のファイター」と、シッティチャイは話す。「彼は生きる伝説なんだ」
多くの人々はそれに同意するだろう。そしてそれには正当な理由がある。
ヨドサンクライは30年近くの間、キックボクシングとムエタイの両方で戦い続け、途方もないほどの成功を収めてきた。
ルンピニースタジアムのムエタイ世界タイトルを2度、米国・ラスベガスを拠点とする団体「ライオンファイト」の世界タイトルを2度、そして世界ムエタイ評議会(WMC)世界タイトルも2度、さらに世界ボクシング評議会(WBC)世界タイトルまで、ヨドサンクライは数多くの権威あるタイトルを獲得してきた。
多くのアスリートは20代か30代で選手を引退しがちが、ヨドサンクライは今も健在だ。現在35歳にして、まだ全盛期にあるということが、シッティチャイの注意を引く。
「彼はまだ非常に体がキレていて、爆発的な攻撃力を持っている。彼がまだ現役という事実は驚くべきことだ」と28歳のシッティチャイは語る。「自分もまた、その年齢になっても彼のようになっていたい。彼は強いままで、一流のファイターだ」
シッティチャイはベテランのヨドサンクライがONEで戦うところを見ることができる。ヨドサンクライは「ONE:NO SURRENDER」で、ONEフェザー級ムエタイ世界王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)に挑戦する。