2019年ONEスーパーシリーズKOベスト10

Nong O Gaiyanghadao VS Saemapetch Fairtex at ONE EDGE OF GREATNESS DUX 2444

ONEスーパーシリーズには地球上で最強のストライカーたちが名を連ねる。素晴らしいノックアウトが2019年に量産されたのは、何の不思議もないことだ。

ONEチャンピオンシップの打撃部門では2019年、生きる伝説、有望な挑戦者、若手の新星などが参戦し、ダイナミックな試合を披露した。

ここぞという時の爆発的なフィニッシュは、会場に詰めかけたファンのみならず世界中で観戦するファンを魅了した。その中でも特に際立った、2019年のノックアウトベスト10を紹介したい。

#1 ノンオー・ガイヤーンハーダオ vs. セーマペッチ・フェアテックス

11月にシンガポールで開かれたONE:EDGE OF GREATNESS」で、ONEバンタム級ムエタイ世界タイトルマッチがタイ勢同士で争われた。そして世界王者ノンオー・ガイヤーンハーダオセーマペッチ・フェアテックスの挑戦を退け防衛に成功した。

ノンオーは序盤は試合をコントロールし、第2ラウンドにあわやノックアウトかというところまで若き挑戦者セーマペッチを追い詰めた。ノンオーは素早いアッパーカットでダウンを奪うが、セーマペッチは立ち上がる。ノンオーはさらに積極的に攻めて、第2ラウンド終盤にアッパーカットで2度目のダウンを奪うが、それでもセーマペッチは立ち上がる。

セーマペッチは2度のダウンにもかかわらず、第3ラウンドに信じがたいほどの回復力を示した。勢いを取り戻すと、子どもの頃のヒーローでもあったノンオーにプレッシャーをかけて攻めたのだ。

第4ラウンドはセーマペッチが勢いに乗っているように見えたが、ノンオーが一気に形勢を変える。前に飛び出して強烈なクロスでセーマペッチを捉え、一撃でノックアウトしたのだった。

#2 ジョルジオ・ペトロシアン vs. ジョー・ナタウット

8月にタイ・バンコクで開かれた「ONE:DREAMS OF GOLD」で、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)はジョー・ナタウット(タイ)と対戦。ONEフェザー級世界グランプリの決勝を争った。

ペトロシアンはナタウットと2018年に対戦しており、その時はユナニマス判定で勝利していた。だが今回は第1ラウンドで素晴らしいノックアウト勝ちを収めた。

ナタウットは第1ラウンド序盤、キックの猛打で積極的に攻め、母国の観衆を沸かせる。

ペトロシアンもすぐにコンビネーションを決めるが、ナタウットのガードががら空きなのを見て取る。そしてジャブで相手を計り、強烈な左クロスでナタウットのアゴを捉えると、ナタウットはそのままキャンバスに倒れ込んだ。第1ラウンド残り数秒という場面だった。

#3 ジャネット・トッド vs. エカテリーナ・ヴァンダリーバ

10月に東京で開かれた「ONE:CENTURY 世紀」第1部で、ジャネット・トッド(米国)はムエタイ世界王者に3度輝いたエカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)と、アトム級ムエタイマッチで激戦を繰り広げた。そして劇的な形で試合を決めたのだった。

第1ラウンドは互いに、フィニッシュを狙って互角の戦いを展開する。そして第2ラウンド終盤、トッドが試合を決める一打を放つ。

トッドはフェイントのジャブでヴァンダリーバを欺くと、強烈な破壊力を持った大振りのサイドキックで、上背のあるヴァンダリーバのアゴを捉える。

まさにその瞬間、ヴァンダリーバはローキックを打とうとして手を下げ、アゴをがら空きにしていたのだ。トッドのキックをまともに食らったヴァンダリーバはマットに崩れ、レフェリーのカウントに応えることができなかった。

#4 アンデウソン・シウバ vs. アンドレー・メウニエル

アンデウソン・シウバ(ブラジル)はキャリア史上最高の衝撃的フィニッシュを収めるまで、たった74秒しかかからなかった。

ノックアウト・アーテイストとして知られるシウバは4月、フィリピン・マニラで開かれた「ONE:ROOTS OF HONOR」で、強打が持ち味のアンドレー・メウニエル(オーストラリア)と対戦した。

試合開始とともに、メウニエルは打撃を繰り出し積極的に攻めに来るが、シウバはそれを逆手に取る。そしてシウバがカウンターを放ったのだ。

メウニエルが前に出て左フックを出した時、シウバは後ろに引いて右パンチをこめかみに決めると、メウニエルはキャンパスに崩れ落ちる。シウバはメウニエルがもう立ち上がれないと分かっていて歩き去っていた。

#5 MOMOTARO vs. シットンノーイ・ポー・テラクン

MOMOTAROこと小寺耕平は今年9月、ONEスーパーシリーズ史上最速ノックアウトという記録を打ち立てた。さらに特筆すべきはそれを、生きる伝説と言われるシットンノーイ・ポー・テラクン(タイ)を相手にやってのけたことだ。

ベトナム・ホーチミンで開かれた「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」で、両者はフライ級ムエタイマッチで対戦。試合が始まるとムエタイ世界王者に何度も輝いたシットンノーイを相手に、日本のエースMOMOTAROはキックを打ち合う。

だがMOMOTAROがスピニング・バックフィストを繰り出してシットンノーイに揺さぶりをかけ、すぐに試合の様相が変わる。さらにMOMOTAROは間合いを詰めると、ヒザを食らうものの、フックをアゴにクリーンヒットさせてシットンノーイをぐらつかせる。

直後に左フック、右クロスのコンビネーションでMOMOTAROがダウンを奪うと、わずか41秒という早業でノックアウト勝利を手にしたのだった。

6位以下

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