2019年ONEブレークアウト・スターズ５選手

人気を確立している選手たちがその役割を果たした一方で、総合格闘技、ムエタイ、そしてキックボクシングで、一気にブレークを果たした選手たちもいた。

たった数ヵ月のうちに、「よく知らない名前」と思われていた何人もの選手たちが一躍、注目の人気選手と変貌を遂げたのだ。ONEで発揮した彼らのスキル、意思、そしてパフォーマンスのなせる技だ。

新しい年を迎えた今、2019年にブレークしたスター選手トップ５を発表する。

＃１ レギン・アーセル

レギン・アーセル（オランダ）はキックボクシング界の人気選手として2019年をスタートさせた。アーセルは2018年４月に開かれたONEスーパーシリーズ最初の試合に登場。Brad Riddellを倒して勢いに乗っていた。

だが27歳のアーセルが2020年を迎えるまでに、ONEライト級王者に君臨していると予想できた人は多くないだろう。

アーセルの2019年初戦は２月の「ONE：CALL TO GREATNESS」で、アンソニー・ンジョカーニをノックアウトで撃破。その力強いパフォーマンスが評価され、ONEライト級キックボクシング初代王者の座を賭けた一戦に抜擢された。

そして５月の「ONE：ENTER THE DRAGON」で、伝説のストライカー、ニキー・ホルツケン（オランダ）と激突。幅広い能力を披露し、キックボクシングで最も栄誉あるベルトを獲得した。

この勝利は十分に印象的だったものの、ホルツケンがすぐさま再戦のチャンスを手にする。

10月の「ONE：DAWN OF VALOR」で、リベンジに燃えるホルツケンの挑戦を受けたアーセルは、前回よりも明らかな差を見せつけて再び勝利。ライト級トップとしての地位を固めたのだった。

2019年に挙げた３つの勝利によりアーセルは、期待の新星から世界最強へと、その評価を高めたのだった。

＃２ イリアス・エナッシ

世界最大の格闘技団体への新参選手として、イリアス・エナッシ（オランダ／モロッコ）は厳しい試練に臨んだ。８月の「ONE：DREAMS OF GOLD」でONEフライ級世界王者の座を賭けて、ペッダム・ペッティンディーアカデミー（タイ）と対戦したのだ。

エナッシはその試練を受け止める準備が整っていた。同大会メインイベントとして行われた対戦で、エナッシは第３ラウンド、急上昇中のペッダムをノックアウトし、世界に衝撃を与えたのだ。

23歳の若きエナッシがさらにどんな旋風を巻き起こしてくれるのか、ファンは待ち望んだ。そして11月に開かれた「ONE：ENTER THE DRAGON」でワン・ウェンフェン（中国）と対戦し、スプリット判定で勝利を挙げて再びファンを沸かせたのだった。

エナッシは2019年後半にのみONEスーパーシリーズに登場したかもしれないが、フライ級の真の王者であることはすぐに証明された。

＃３ ニューイェン・トラン・デュイ・ニャット

ニューイェン・トラン・デュイ・ニャットは2019年９月、母国ベトナム・ホーチミンで開かれた「ONE：IMMORTAL TRIUMPH」で大活躍を見せ、世界中のファンにその存在をアピールした。

デュイ・ニャットはアズワン・チェウィル（マレーシア）を衝撃的なノックアウトで撃破。ベトナム人ストライカーたちが世界一流の団体でも通用することを、身をもって証明した。

さらに11月の「ONE：EDGE OF GREATNESS」では渡辺優太と対戦し、またも圧巻のKO勝ちを収めた。

デュイ・ニャットはベトナムの国民的スターから国際的なヒーローへと飛躍を遂げた。2020年には世界タイトル戦のチャンスを狙うことになるだろう。

＃４ タン・リー

タン・リーは５月にONEデビューし、８月になる頃にはONEフェザー級世界タイトル戦の挑戦者争いの中で注目の選手になった。

Leは「ONE：FOR HONOR」でユサップ・サーデュラエフ（ロシア）から感動的なノックアウト勝ちを獲得。さらにその後「ONE：DREAMS OF GOLD」で元ONEライト級世界王者のKotetsu Bokuをわずか88秒で撃破した。

この立て続けのフィニッシュにより、LeはKO９勝サブミッション１勝とし、フィニッシュ率100％を維持。フェザー級の並みいる強豪を掻き分けて、挑戦者争いの最前線に躍り出た。

Leはタイトル戦に向けてどんな相手とも対戦するつもりでいるが、一方ですぐにでも、現世界王者のマーティン・ニューイェン（ベトナム／オーストラリア）に挑む準備ができている。

＃５ 三浦彩佳

グラップリング（組み技）のスペシャリスト三浦彩佳は2019年、２連勝で強烈な印象を残し、ONEでの評価を急激に高めた。

東京の総合格闘技ジム「TRIBE TOKYO M.M.A」に所属する三浦は、ONE女子ストロー級世界戦の経験者２人を立て続けにフィニッシュ勝ちで倒した。2020年に同階級世界王者のション・ジンナン（中国）を脅かす最大の存在になり得るだろう。

２月の「ONE：CALL TO GREATNESS」では、 ラウラ・ バリン（アルゼンチン）を相手にわずか73秒でサブミッション勝ち。８月の「ONE：DAWN OF HEROES」ではサマラ・サントス（ブラジル）と対戦し、第２ラウンド39秒でギブアップを引き出した。

対戦相手たちは三浦が何を仕掛けて来るかわかっていて、それでも止めることができなかった。そのことが三浦の勝利をより印象深いものにしたと言える。袈裟固めからのアームロックは三浦の得意技であり、これまでのキャリアで５回もこの技で一本勝ちを決めている。明らかに一流の技だ。

問題は2020年、女子ストロー級のトップ選手たちと対峙していく時にも有効かどうかだ。まずは１月10日に開かれる「ONE：A NEW TOMORROW」でのマイラ・マザール（ブラジル）との対戦で、三浦の真価が問われる。

バンコク | １月10日 (金) | ONE: A NEW TOMORROW| 公式アプリで生中継（無料）｜日本公式Twitter｜日本公式Instagram