【9/6大会】IMMORTAL TRIUMPHハイライト５選

９月６日（金）に開催されたONEチャンピオンシップのベトナム初進出大会「ONE: IMMORTAL TRIUMPH」は、打撃満載のONEスーパーシリーズ戦のオンパレードで、ベトナム格闘技界に新地平を切り拓（ひら）いた。

成功裏に終わったこの画期的な大会は、忘れ難いノックアウト、スリリングな一進一退の攻防、最初から最後までやまない熱狂で、ベトナムの格闘技関係者やファンの情熱をたきつけたのだった。

そんな今大会の5大ハイライトをご紹介しよう。

#1 ノンオーが世界王座防衛

メインイベントではノンオー・ガイヤーンハーダオ（タイ）がブリース・デルバール（アルジェリア）を迎え撃つONEバンタム級ムエタイ世界タイトルの２度目の防衛戦が行われた。

下馬評では不利とみられていたデルバールだったが、果敢な攻撃でレジェンドのノンオーと判定決着にまでもつれ込み、タイトルマッチの挑戦者にふさわしい力量を見せつけた。

デルバールの距離は現世界王者を何度もいらつかせたが、ノンオーは300戦を超えるムエタイ戦歴を通じて磨きあげてきた完璧なテクニックを披露、最終的には格の違いが鮮明になった。

ノンオーは、まさに芸術品のような強烈な右のキックをデルバールのボディに放ち、さらにはパワフルなショートパンチでデルバールのアゴを揺らして、スプリット判定勝ちへとつなげたのだった。

#2 デュイ・ニャット“No.1”実証

“No.1”のリングネームを名乗るホーチミン市出身のニューイェン・ トラン・デュイ・ニャット（ベトナム）がアズワン・チェウィル（マレーシア）を３ラウンドにわたって圧倒、豪快なノックアウトを飾って会場を大爆発させた

デュイ・ニャットは第２ラウンド、鮮烈なハイキックを放ってアズワンをダウンさせる。しかしアズワンはどうにか立ち上がると、デュイ・ニャットのパワフルな攻撃から逃げることでそのラウンドをしのいでみせた。

しかしデュイ・ニャットは最終ラウンドにもフィニッシュを狙い続け、さく裂した再びのハイキックが終わりの始まりとなった。デュイ・ニャットが次いで右のビッグパンチをめり込ませると、アズワンの意識は飛び散り、会場は歓喜の渦に包まれたのだった。

#3 シウバ再び第１ラウンドKO勝ち

アンデウソン・シウバ（ブラジル）とベイブラット・イスアエフ（ロシア）によるライトヘビー級キックボクシング戦では、もともと豪快なノックアウト決着が期待されていたが、まさに第１ラウンド、シウバの拳によってそれが現実のものとなった。

立ち上がりにはイスアエフの鋭い動きもみられたものの、ほどなくシウバのパンチがヒットし始める。シウバは強烈な右パンチでイスアエフからフラッシュダウンを奪い、なおも容赦のない攻撃の手を緩めない。

ヒザ蹴りと右の連打でイスアエフの足元がふらつき始めると、シウバの最後のアッパーカットで試合は戦慄のフィニッシュを迎えたのだった。

#4 欧州対決ファーベークが制す

プレリムで行われたサンティーノ・ファーベーク（オランダ）とジュアン・セルバンテス（イギリス）の１戦では、フルラウンドにわたる息をもつかせぬ一進一退の攻防に、ファンが思わず身を乗り出した。

第１ラウンド、先にダウンを奪ったのは、オランダの元気玉、ファーベークだった。オーバーハンドライトがガツンとヒットすると、セルバンテスはダウンを喫する。立ち上がったセルバンテスに、ワールドファイティングリーグで世界王者に２度輝いたファーベークは、強烈なパンチとローキックでプレッシャーをかけ続ける。

ファーベークの攻勢は第２ラウンドにも続いたが、最終ラウンドにはWTKAムエタイ世界王者セルバンテスの強い気持ちが前面に出始め、逆転勝利を狙って最後の猛攻に転じたのだ。

セルバンテスの飛びヒザ蹴りにファーベークがぐらつくと、セルバンテスはフィニッシュを狙って追撃したものの、疲労困ぱいのファーベークはどうにか判定決着に持ちこみ、白星を得たのだった。

#5 MOMOTAROが最速KO勝利

MOMOTAROがフライ級ムエタイ戦でシットンノーイ・ポー・テラクンをわずか41秒でノックアウト、ONEスーパーシリーズ史上最速ノックアウト勝利を記録した。

MOMOTAROは多彩な打撃で伝説のムエタイ世界チャンピオンを驚かせた。スピニング・バックフィストが命中すると、そこからのMOMOTAROはシットンノーイが崩れ落ちるまで、パンチ、ヒジ、ヒザの無慈悲な連打をさく裂させ続けた。

記録樹立のこの試合は、MOMOTAROにとってキャリア最大の勝利であり、MOMOTAROは盛り上がるフライ級でトップコンテンダーに躍り出ることとなった。